フォト
無料ブログはココログ
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

にほんブログ村

  • にほんブログ村

« 英国海外領土の絶滅のおそれのある鳥類 | トップページ | 石灰岩の採石作業によりシルバーラングールは住みかを失う―ベトナム »

2012年4月30日 (月)

ラグーンにおけるマングローブの保全について:スリランカからの学び

2012年1月31日 IUCN News Story

翻訳協力:松岡 真由美   校正協力:岩崎 友理子

ベトナムのマングローブ生息地域は、レッドリバーおよびメコン川デルタ地域の海岸線に集中しているが、ベトナム中部におけるマングローブは、そのほとんどが河口やラグーンで見ることができる。2010年にMangroves for the Future (MFF)(未来のマングローブ)は、Center for Community Research and Development (CCRD)とHue University of Agriculture and Forestry (HUAF)(フエ農林大学)に対し、トゥアティエンフエ省とクワンナム省の2ヶ所のラグーンにおける地域密着型管理の促進を通じてマングローブの保全活動を行うための助成金を授与した。

2009年、MFFは、過去5年間におけるスリランカの河口やラグーンでのマングローブの植林・保全についての結果を調査した。ベトナムやスリランカのラグーンの特徴は、小規模干潮、つまり、満潮と干潮の差が大体1メートル以下と小さいことである。これに比べ、レッドリバーおよびメコン川デルタ地域の干満の差は3~4メートルにも達する。

ほとんどのラグーンにおいて、干満の差が小さいと潮間帯に生育するマングローブが自然発生する地域を狭めてしまう。ラグーン内での潮流は、大体秒速1メートル以下のため、ラグーンに運びこまれる沈殿物は海洋へは流れ出ない。そのため、橋や生ゴミなどによりラグーンと海洋が交差する部分が妨げられる場合は大抵、土砂堆積がさらに増加されてしまうのである。このような障害物は、雨季における魚やエビのラグーンへの加入量をも妨げ、その結果、在来種が減少し、外来種が増加するのである。

とくにヒルギの仲間のようなマングローブの種は堆積物を非常に捕らえやすいため、スリランカのラグーンにおけるマングローブの植林は、堆積を増加させ、開放水域を減少させている。時としてこれが地元漁業を崩壊へと導き、ラグーンへの侵食を促す結果となる場合もあるのだ。

2011年にMFFは “スリランカの小規模干潮の河口やラグーンにおけるマングローブの管理の評価”と称した報告書で分析結果を発表した。2004年に起きたインド洋の津波を受けて、マングローブによる人的及び物的被害の軽減が確認された際、スリランカのマングローブの再生のため多大な国際支援が行われた。この報告書では、これらのほとんどの活動は“完全に不適切で、否定的な結果をもたらす無駄なもの”でかつ、 “生態系の管理には、信念に基づいた善意よりも、科学的根拠に基づく方法が必要だ”と結論づけられている。

この報告書は、トゥアティエンフエ省とクワンナム省におけるMFFの出資プロジェクトに関する提言を強調する事が目的であり、以下の内容が含まれている:

1.マングローブの植林は最終的な手段であって、行われる際も、既存の場所においてのみ なされるべきである。そして、障害物を排除し自然な水流を促すことにより、ラグーンを海流へと結合することが目的である。これにより、マングローブが自然に再生され、ラグーンの堆積物が減少し、魚の生息域が守られるのだ。

2.自然の再生が不可能な場合においてのみ、再植林を考慮すべきである(例えば、種子自体がすでに存在しない場所など)。インドでは、MFFが、干満差の小さい地域でのマングローブの再生を目指し “運河のほとりへの植林”を推奨している。

3.マングローブが植林された場合、その後の適切な管理も忘れてはならない。スリランカにおける多くの植林プロジェクトは、半年しか続いていない。報告書では、10年単位での持続的な管理を推奨している。つまり、スリランカでは、NGO団体やその他の実施団体のスタッフが少数の場所に重点を置くべきで、そのことにより地元コミュニティーと密接なな連携が築け、適切な技術的専門家の利用も可能となる。

4.マングローブの生息していない地域の生態系の保護に注目する。スリランカでは、藻場や水面下にいる目立たない生物がマングローブよりも水産業においてはるかに重要な役割を担っているという最近の調査結果がある。

5.新たな植林ではなく現存するマングローブの保全に、より注力すべきである。ベトナム同様、スリランカでも、エビの養殖、集落、観光業やその他の目的で、今もなおマングローブの伐採が行われている。
これ以上の伐採を抑制する事が最重要課題だ。

http://www.iucn.org/news_homepage/news_by_date/2012/?9081/Mangrove-conservation-in-lagoons-lessons-from-Sri-Lanka

« 英国海外領土の絶滅のおそれのある鳥類 | トップページ | 石灰岩の採石作業によりシルバーラングールは住みかを失う―ベトナム »

17 海洋生物」カテゴリの記事

19 アジア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/498291/45078654

この記事へのトラックバック一覧です: ラグーンにおけるマングローブの保全について:スリランカからの学び:

« 英国海外領土の絶滅のおそれのある鳥類 | トップページ | 石灰岩の採石作業によりシルバーラングールは住みかを失う―ベトナム »