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2012年4月30日 (月)

エジプトの「アラブの春」に活発化する違法象牙取引

07/02/2012 12:22:15  Wildlife Extra

翻訳協力:五嶋和美     校正協力:大前留奈

中国の需要により拍車

2012年2月:エジプトで象牙の違法取引が活発化している。その原因のひとつには不十分な取り締まりがあるが、中国からの新たな需要も原因となっていることが、TRAFFIC(トラフィック)の最新の調査で明らかになった。

TRAFFICの最新の報告書にはこのような記載がある。「エジプトは依然としてアフリカ最大の違法象牙品市場である。新品中古品を問わず、エジプトで合法的に象牙品を販売するためには特別な許可が必要であるが、そのような許可証は一度も発行されたことがない」。

同報告書の著者であるEsmond Martin氏とLucy Vigne氏がインタビューをした政府高官によると、2009年以来、エジプトで象牙が押収されたのは、たった2回のみであり、いずれもカイロ空港でのことである。小売販売店からの象牙品の押収は、2003年以来行われていない。

2011年3月と4月に実施された最新の調査において、「エジプトの彫刻の中心地」と呼ばれるカイロ(Cairo)で公然と販売されていた象牙品の数は、著者が数えたところでは、8,343個であった。

カイロにおける象牙製品の製造・販売の中心地であり、古くからの市場であるカーン・アル・カリーリ(Khan al-Khalili)では、最近の政情不安にもかかわらず、販売店や加工工場はすべて営業していた。ルクソール(Luxor)では、さらに918個の象牙品を見て回ることができた。

エジプトで違法象牙取引の根絶活動が失速
これらの象牙品のうち3,000個が過去5年間に製造されたもので、残りは1990年代と2000年代初めにおもにエジプトで彫刻されたと推定された。

1998年と2005年にエジプトの象牙の二大市場であるカイロとルクソールで実施されたTRAFFICの過去の調査では、販売されている象牙品の総数が全体で43%減少したことが判明した。しかし、その後は減速し、2011年にはわずか10%の減少にとどまった。そのうち、ほとんどはルクソールのものであった。

TRAFFICの象牙取引の専門家であり、この調査を依頼したTom Milliken氏は、「1998年から2005年の間にエジプトで見られた違法な象牙市場の喜ばしい衰退は、今や完全に勢いを失くしてしまいました。政府の規制機関は弱体化し、エジプトは今でも違法象牙販売を促進する国として好ましくない地位を保っています」。

象牙を購入する旅行者は、こうした違法取引を助長し、CITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)を踏みにじり、アフリカ像の密猟に拍車をかけているのです」と述べた。

中国人は一度に30,000ポンドの象牙を購入
同報告書によると、2005年のおもな象牙購入者はスペイン人、イタリア人、アメリカ人であった。現在、象牙のロザリオやステッキを購入するエジプト人や湾岸アラブ人が増加している中で、主な購入者となったのは中国人であり、象牙加工品の全販売数の半数以上を購入していると報告されている。

ある象牙業者の話によると、中国の買付人は、1回の取引で30,000ポンド(約388万5千円:1GBP=129.5円、2012年4月7日現在)以上を購入することがある。また別の業者は、エジプトから象牙を持ち出すことは簡単であると断言し、中には(象牙を購入した時に発行する)受領書にアンティーク品やラクダの骨製品であると記載することを申し出る者もいた。

エジプト野生生物局 (Egyptian Wildlife Service)は、違法な野生動植物製品の輸出入や店頭での陳列を防止する義務を負っているが、2005年以来、象牙の押収はほとんど行っておらず、販売店の捜査でも象牙を発見していない。

一方カイロでは、未だに公然と象牙が彫刻され、陳列されているが、摘発されてはいない。

2010年5月に、エジプトCITES管理局(Egyptian Management Authority for CITES)は、絶滅危惧種から作られた製品を特定するために、動物管理官、通関業者、警察官、観光業界労働者を対象として、7コースのトレーニングを提供するとともに、職員が象牙を判別するのに役立つポスターを作成した。

同報告書の主著者であるEsmond Martind氏は、「今こそ、新たに習得したこれらのスキルを活用し、生の象牙と象牙加工品を押収して、こうした違法取引を終わらせるべきです」と述べた。

http://www.wildlifeextra.com/go/news/egypt-ivory.html

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