米国、日本の南極海での捕鯨再開に遺憾の意を表明 暴力の脅威を懸念
翻訳協力:沼田 裕美、校正協力:宮原 小絵
2011年10月13日 NOAA Stories
米国は、南極海において問題となっている捕鯨を日本が継続することを決めたことに対し、深い遺憾の意を表明した。また、そのような捕鯨に関連して暴力の可能性が生じることに対して深刻な懸念を示している。
IWC(国際捕鯨委員会)の米政府代表でNOAA(米国海洋大気局)首席副次官であるMonica Medina氏は次のように話している。「南大洋保護区において日本が捕鯨を続けていることを非常に心配しています。捕鯨の一時禁止が依然として有効であるにも関わらず、このような行為を続ければ、IWCでは大量に殺され続ける鯨にどう取り組むかをめぐって摩擦が加速するだけでしょう。鯨が調査のために殺されなければならない理由などありません。鯨の管理のために必要となる科学的知識はすべて、鯨を殺傷しない方法を使って得ることができるのです」。
米国は、反捕鯨団体が南極海での抗議活動において致命的な戦法も辞さないと示唆したことについても懸念している。
「海洋における船舶と生命の安全は、米国の最優先事項です」とMedina氏は言う。「すべての関係者へ、委員会の願いを尊重し、海上の人命や安全を危険にさらすいかなる行為も避けるようお願いします。南極海におけるこのような危険な対立は、重傷者、さらには死亡者が出る前にやめなければなりません」。
2011年7月、IWC加盟国は、捕鯨および鯨の調査に関連する活動に従事する船舶の安全に関する決議を全会一致で採択した。この決議は、人命や財産を脅かす行為は認めず、航行上の安全規制を支援するものである。
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http://www.noaanews.noaa.gov/stories2011/20111013_japanwhaling.html
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