貧困と観光業に煽られる、ラオスの野生生物の虐殺
翻訳協力:古俣友美子
2011年10月14日
珍しい動物の肉を食べたがり、野生生物からできた製品をお土産に買いたがる観光客が、この国の自然遺産を破壊しつつある。人間と環境の因果関係は悲観すべきものである。(報告:Dawn Starin、ルアンパバーン)
巨星になりたがる2つの国、ベトナムとタイにはさまれた内陸の山国であるラオス人民民主共和国は、東南アジアで最も貧しい国である。ルアンパバーンは、かつてラオスの王宮が置かれており、歴史、建築、文化、宗教において大きな意義を持つ町で、国の中北部、泥に濁る壮大なメコン川と、その支流であるナムカーン川のほとりに位置する。
人口58,641名で、1995年にユネスコ世界遺産地に指定されたルアンパバーンは、おだやかな田舎町、平和と静寂のオアシス、時間と空間の彼方に消えた現実の「シャングリラ」などとよく評される。観光客が「地球上で最も神秘的な国の最も不思議な場所」と言っているのも聞いたことがある。
夜遅く到着したため、人けのない集落を散策することに不安を覚えた私は、ナイトマーケットへと向かった。私は地元の商品を地元の住民に売る、地元の商人の姿を思い浮かべていた。所狭しと並べられた国内産の果物や野菜、とれたての新鮮な魚、そして手作りの籠やほうき、この土地で丁寧に織られた素朴な布地が見られると思っていた。全く思いもよらないことだった。
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