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2011年11月 2日 (水)

大規模なアブラヤシのプランテーション アフリカの熱帯雨林を危険にさらす(後編)

2011年9月12日 YALE environment 360

翻訳協力:豊永啓子  校正協力:神田美恵

プランテーションが野生動物の重要な移動ルートを分断する

 環境保護活動家は、Herakles社の計画するプランテーションによって、野生動物同士が分散したり、入り交じったりできないようにすることで、野性動物たちの大切な移動ルートを分断し、個体群が孤立するであろうと強く主張している。このプランテーションは、コーラップ国立公園の2分の1の広さがあり、コーラップとRumpi間を移動している森林ゾウ用に柵を設けられたようである。

 環境保護団体は、当該プランテーションによって、すでに問題となっているブッシュミートの取引状況がさらに悪化し、野性動物にダメージを与えることになるとも論じている。このような懸念は、前例が無い訳ではない。東南アジアのパーム油のプランテーションでは、常に貧困線以下で生活している労働者の中には野生動物を罠にかけて捕まえ、違法に食している者もいるのである。

 実際、東南アジアのパーム油産業に詳しい、ある自然環境保全の専門家は次のように語っている。職に就けることの魅力に惹かれれば、住民たちはプランテーションのある土地に移住するだろうが、人口が増加するに従ってそこに生きる野生動物がダメージを受けるのは目に見えている。

 「野生動物は絶滅するでしょうし、現行の自然環境保全に関する基盤では動物たちを救う準備ができていません。」こう語る専門家は、匿名を希望した。「ですから、Herackles社が各動物保護区で多くのエコガードを雇って訓練し、プランテーション地域の隅々に行き渡る環境教育プログラムに資金を提供すると共に、その地域への住民の移住を制限し、プランテーションの従業員や周辺住民に対してブッシュミートではない別のたんぱく源を提供するといったような計画を立てない限り、コーラップ国立公園は大変困難な状況を強いられることになります。」

 Herackles社は、原始林を伐採しないという内容を含むthe Roundtable on Sustainable Palm Oil (RSPO)(持続可能なパーム油のための円卓会議)のガイドラインに従う意思を表明することでこれに反論している。Herackles Farm社は、ニューヨークに本社を置く金融系のベンチャー企業で、発展途上国への投資を専門にしているHerakles Capital(ヘラクレス・キャピタル)の子会社である。2009年にHerackles社は、SG Sustainable Oils Cooperatif (SGSO)とSithe Global社より提案されたカメルーンでのパーム油事業の経営権を獲得した。Sithe Global社は、Blackstone Group L.P.(ブラックストーン・グループ社)の所有する大企業で、ニューヨークに本社があり、未公開株式所有権を持つ資産管理会社である。Blackstone社の広報担当責任者であるPeter Rose氏は、同社が環境保護運動家の批判の標的にされているにも関わらず、こう語った。「このカメルーンでのプロジェクトに関して、直接間接を問わず、私たちは一切関係ありません。」

 かねてよりHerakles社は、当初8万3千ヘクタールの森林利権の内、1万ヘクタールを開発することについて宣誓してはこれを取り止めていた。同社によると、森林消失は「まず森林が荒廃し、次に植林が行われる」ことで起こるという。そして、この開墾された土地は、ほんの20年前にかなり伐採されていたとのことである。同社は、野生動物のコリドーを造成することを検討しており、専門家と共に調査するよう協議中であるとも明らかにしている。

 ブッシュミートの取引の悪化に関しては、プランテーションの存在がブッシュミートをめぐる状況を悪化させるどころか、これを好転させるだろうとWrobel氏は述べている。「この地域で最初に現金収入を得る機会には、違法なブッシュミートの密猟や森林伐採を減少させるという観点からも、実際に大きな効果があるだろうと考えています。」

 Herakles社は、年間1ヘクタール当たり1ドルの使用料であるところを50セントで使用するという借地契約にすでにサインしており、予備的な森林の開拓が始まっている。「村民の多くがこの開発に反対しています。というのも、それが自分たちの森林を失うこと、アブラヤシに周りを囲まれ、他所の土地への移住を強いられることなどを意味するからなのです。」Save Wildlife Conservation Fundのプレスリリースによれば「ここの村民のほとんどが家族を養い、収入を得るために農業と非木材林産物を非常に頼りにしています。」という。

 プランテーション計画の影響を受ける地域からの手紙には、懸念事項といくつかの点においてプランテーションへの徹底した反対が表されており、かねてよりHerakles社が違法な植林を行っていることを非難している。しかし、彼らは必ずしも自然保護団体を支持しているとは限らない。たとえば、地元の住民たちはすでに50万ヘクタール近くの土地をを動物保護区に奪われたことを嘆いている。Herakles社との利潤交渉をしたら、「その後、どれほどの土地が我々の手元に残るでのしょうか。」との疑問を抱いているのだ。

 8月、地元団体であるthe Bima Cultural Union for Development (BICUD)がHerakles社への要求リストを作成した。その内容は、30年間に及ぶ土地の賃貸借期間の短縮、年一回の契約内容更新。プランテーションの規模の大幅な削減。地元の首長たちとのさらなる連携強化といったものである。BICUDのメンバーは語る。「我々は、動物保護区や森林審議会、他の村落、あるいはアメリカの企業にこれ以上自分たちの土地を渡したくなかったのです。」

 一方、Herakles社は、プランテーション計画によって、誰一人として地元住民が移住させられたりすることにはならないし、9千人規模の雇用を創出し、この地域の住民が貧困から抜け出すことになるだろうと述べている。

 「ここアフリカにおいて、持続可能で信頼できるパーム油産業を発展させることが、本土で食糧を確保するための鍵であると私たちは考えています。」とWrobel氏は述べた。「当該計画を完遂した際には、経済的影響が及ぶ地域に住む世帯の半数が中流階級に移行することになると期待しています。私たちはそこに非常に高い社会貢献意識を抱いているのです。」

 こうした社会貢献意識のおもな目的達成手段が、Herakles社によって創設された慈善事業団体のAll for Africaである。当慈善団体は、7千ヘクタールのパーム油プランテーションを所有している。Herakles社によると、Wrobel氏がCEOを務めてもいるAll for Africaは、水・公衆衛生に重点を置く点から、教育や地域社会の健康管理に至るまでを支援する多くの非営利団体を支えるため、プランテーションの一部から得た利益を使用するという。前米大統領Bill Clinton氏から賞賛を受けている当慈善事業団体は、このイニシアチブに7億5千万ドルを集めるため、100万本のアブラヤシを植えたいと考えているという。

 All for Africaはまた、この構想を気候変動緩和対策としても思い描いていた。しかし、その主張は科学的に裏付けられていない。とくに、プランテーションの主要部分が熱帯原生林を伐採している場合はなおさらである。The World Agroforestry Centre(国際アグロフォレストリー研究センター)が実施した2009年の調査によると、パーム油のプランテーションが25年間にわたる耐用期間の間に蓄積する炭素量が、1ヘクタール当たり40トンに満たないことが明らかとなった。これと比較すると、森林伐採地の炭素蓄積量は1ヘクタール当たり70トンから200トン。一方、とくに温帯地域の未開発林では、1ヘクタール当たり400トン以上の炭素を蓄積していた。

 All for Africaでは、寄付した者が「tree of the month」を手に入れることを認めている。しかし、どの月の木もアブラヤシであることは明白である。環境保護活動家の中には、All for Africaの計画はどう良く見ても人々を誤った方向へ導いており、最悪の場合は不誠実なものだと言っている者もいる。All for Africaによると、現在までに32,350本のアブラヤシが寄付されているという。

「All for Africaは最善を尽くしているつもりのようです。」と、James Cook University(ジェームズ・クック大学)の熱帯森林の専門家で、カメルーンで活動している William Laurance氏は語る。「しかし、篤志家たちは自分のアブラヤシを植えるために森林が伐採されていると知ったら、どのように感じるのでしょうか?」

http://e360.yale.edu/mobile/feature.msp?id=2441

 

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