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2011年11月 3日 (木)

マグロ保護強化が急務

2011年7月 IUCN International news release

翻訳協力:小山園子  校正協力:平田明香

 このたび、サバ科魚類(マグロ、カツオ、サバ、サワラ)とカジキ類(メカジキ、マカジキ)のすべての種が、初めて、IUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種レッドリストの評価対象となった。既知種61種のうち7種が、絶滅のリスクが深刻であるという絶滅危惧のカテゴリーに、さらに4種が準絶滅危惧のカテゴリーに分類され、軽度懸念(低危険種)のカテゴリーに分類されたのは約3分の2であった。評価結果によると、マグロを取り巻く状況が非常に深刻である。マグロ8種のうち5種が、IUCNレッドリストの絶滅危惧カテゴリー、あるいは準絶滅危惧カテゴリーに分類されている。ミナミマグロ(学名Thunnus maccoyii)が絶滅危惧IA類、タイセイヨウクロマグロ(学名Thunnus thynnus)が絶滅危惧IB類、 メバチ(学名Thunnus obesus)が絶滅危惧II類、キハダ(学名Thunnus albacares)とビンナガ(学名Thunnus alalunga)が準絶滅危惧である。

 これらの種の多くはその経済的価値が極めて高く、このマグロの生息環境は、各国政府がこうした種の未来を守る判断を行うにあたり、有益な後押しになると考えられる。また、7月11~15日、カリフォルニア州La Jolla(ラ・ホーヤ)にて開催される第3回まぐろ類RFMO(地域漁業管理機関)に向け、タイムリーな情報となった。

 「商業的に重要な魚類のグループが直面しているこの脅威に対し、漁業研究者、魚類学者、自然保護論者たちが一体となって共同評価を行ったのは今回が初めてです。」と、IUCNのSpecies Survival Commission(種の保存委員会:SSC)Tuna and Billfish Specialist Group(マグロ・カジキ類専門家グループ)会長兼NOAA(アメリカ海洋大気圏局)のNational Marine Fisheries Service(全米海洋漁業サービス)上級研究員であるこの論文の代表執筆者Dr. Bruce B. Colletteは語る。

 表層域の魚種資源(海面近くに生息する魚類)中には、その生息環境が健全なのにもかかわらず、サバ科魚類やカジキ類のかなりの種が大量に乱獲されており、高額取引によって推し進められているこの過剰揚水を防ぐ解決策が皆無である問題に対し懸念が高まっている。数多くのマグロの群れが、政治的見地から見た場合に規制をかけるのが極めて難しい多国籍の漁業組織によって乱獲されている。「過剰な漁獲圧力が継続してかかっていることで、クロマグロ全3種の資源は崩壊しそうな状態となっています。ミナミマグロ資源はすでに本質的に崩壊しており、回復の望みは薄い状況です」と、Old Dominion University(オールドドミニオン大学)教授兼IUCN のMarine Biodiversity Unit(海洋生物多様性部門)マネージャーである同論文の執筆者Dr. Kent Carpenterは語る。「現在の漁業慣行を何も変えないのであれば、タイセイヨウクロマグロ資源も崩壊のリスクにさらされることになります。1970年代にその個体数が大幅に減少した後、復活の兆しはほとんど見られていません。」カジキの3種は、絶滅危惧または準絶滅危惧のカテゴリーに分類されている。クロカジキ(学名Makaira nigricans)とニシマカジキ(学名Kajikia albida)が絶滅危惧II類、マカジキ(Kajikia audax)が準絶滅危惧である。寿命が長く経済的価値の高い種の大半が、絶滅危惧種と判断されている。これらの種は、寿命の短い種よりも成熟に時間がかかる上、繁殖サイクルも長いため個体数の減少からの回復により多くの時間が必要である。また、サバ科魚類やカジキは海洋食物網の頂点にあるため、これら捕食者の個体数が減少すると、海洋生態系のバランスを保つ上で極めて重要であり、食物源として経済的にも重要である他の種に対しても大変な悪影響を及ぼす可能性がある。

 絶滅の危機に直面しているサバ科魚類やカジキの未来は、RFMOや漁業国のこれらの種に対する適切な管理能力にかかっている。ミナミマグロとタイセイヨウマグロの個体数は大幅に減少しているため、資源の崩壊を避けるもっとも有効な手立ては、資源が健全なレベルに戻るまで漁を停止することである。しかしながら、これらの漁を停止することは相当な経済的困難を招くことになる、また密漁の意欲を増加させてしまい、RFMOの漁業管理力が妨げることになる。

 「マグロ漁を一時的に停止したとしても、それは必要とされているマグロの個体数回復プログラムのほんの一部にしかなりません。密漁を防ぐためには、強力な抑止力が働かなければならないのです。この新しい(マグロ生体環境)調査は、効果的な管理が早急に必要であることを示しています。目先の利益維持のために、科学的な調査結果を無視してはなりません。海洋生物と未来の世代への課題はどちらも危機に瀕しています。」と、IUCNのGlobal Species Programme(世界生物種のプログラム)副部長であるJean-Christophe Vié氏は語る。希少価値である東部大西洋のタイセイヨウクロマグロの個体数の例にあるように、魚類資源を回復させることは、漁業による魚類の死亡率を、持続可能な最大漁獲量(MSY)をはるかに下回る割合にまで減らすことで実現可能となる。この種の近年の漁獲量はMSYの3倍もあったが、総漁獲許容量を削減し監視とコンプライアンスを徹底することで、直近の漁獲量は過去数年間の約75%減となっている。こうした対策を実施すれば、現在の漁獲管理が継続される限り、種の個体数は持続可能なレベルにまで回復できると考えられる。

原文
http://www.iucn.org/about/work/programmes/species/news_events/?7820/Increased-protection-urgently-needed-for-tunas

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