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2011年8月 1日 (月)

観光立国をめざす南スーダンの密猟との戦い

翻訳協力:加藤哲子  校正協力:石塚信子


Frank Langfitt記


ティアングが付けていた無線追跡用の首輪は、射殺された後、猟師によって切断されていた。自然保護団体の人たちが南スーダンの野生生物を追跡調査し、政府が密猟を防ぐ対策を練られるようにと協力している。過去数十年にわたり壊滅的な内戦状態であった。(Frank Langfitt/NPR(国立公共ラジオ))

2011年6月16日


 スーダンについて考えるとき、燃えている村、内戦について思い浮かべる。野生生物を中心にした観光についてはどうか? 実際のところ、そうでもない。しかし、南スーダンはこれを変えようとしている。

 来月、南スーダンは分離独立し、世界で最新の国となる。政府当局者たちは、外国から動物を見るために、観光に来てほしいと考えている。

 多くのアンテロープ、ゾウ、そしてキリンさえも、南北間の内戦を生き延びていた。今、南スーダンはそれらの動物を保護し、観光事業を立ち上げようとしているー全くの最初から。

密猟の防止

 Paul Elkan氏は、最近になって、朝、南スーダンのボーマ国立公園の低木地内にあるキャンプへ戻る際、無線追跡用首輪を持っていった。ニューヨークを拠点とする野生生物保護協会の職員であるElkan氏は、5マイル(1マイルは1.6km 約8km)ほど離れたサバンナに首輪が捨てられているのを発見した。首輪はすっぱりと切断され、端がナイフで切り取られていた。これをつけていたアンテロープはどうなったのだろう? 死んでからだいぶ経っているはずだ。

「これをつけていた動物、ティアングは撃たれました」とElkan氏は言う。「猟師は首輪を切り落とし、明らかに両端で少しずつ切っています。おそらく金を探そうとしたのです。猟師は何を持っていたのか知らなかったのです」

 Elkan氏は、数頭のティアングと耳の白いコーブ(どちらもアンテロープである)、それから2~3頭のゾウも、猟師に殺された。彼は動物の移動パターンを調査し、政府が密猟者から動物を守る戦略を立てる手助けをしている。

 20年以上続いた内戦の後、南スーダンの野生生物のほとんどは絶滅したと考えられていた。しかし数年前に行った航空機による調査の結果、Elkan氏のチームはおよそ5000頭のゾウと百万頭を越えるアンテロープを発見した。

「アフリカには最後の広大な手つかずの原野が残っており、世界で二番目に大きな陸上に住む哺乳動物の移動群もあります」とElkan氏は語る。

 政府がこの状態を維持できさえすればいいのだ。内戦のため南スーダンにはAK-47の銃があふれている。比較的平和で新しい道路があるため、密猟者が獲物を見つけやすい。南スーダンには、パークレンジャーがいるものの、人員不足で力不足でもある。

「われわれの力では密猟を阻止しきれません。範囲が広すぎます。公園はあまりにも広大なのです」 南スーダンの野生動物管理の責任者であるMinnisona Peter氏は言う。最悪の密猟者は国兵たちだとも語った。

「かなりの数の兵士たちが関わっています。おそらく60パーセントくらいでしょう」とPeter氏は言った。

混乱地域

 Peter氏によると、軍人の中には、動物を密猟し、南スーダンで発展しつつある野生動物の肉市場で売りさばく者がいる。また、家族の食料用にと殺す者もいる。一度、単独である軍人を逮捕しようとしたことがあったそうだ。

「その兵士は頭に獲物を乗せ、肩に銃を担いで、茂みから出て来ました。そこで『なぜこんなことをするのか』と尋ねると、彼は私を脅しました。「邪魔するな、金を払われていないんだからこうでもしないと生きていけない」と(言ったのです)。ひもじさうえに、この兵士が飢えて死んでしまってもいいものでしょうか?」

Peter氏は武器を持っていなかったため、軍人をそのまま見逃すしかなかった。

 隣接したウガンダで旅行会社の Wildplaces Africa社を運営するJonathan Wright氏は、南スーダンには可能性があると見ている。しかし、まずはじめに、政府が地域を決めて柵で囲い、そこで生き残った動物を保護し飼育する必要があると言う。

「例えば、ティアングやトピなどの種について言うならば」とWright氏は述べた。「それらの動物たちが普通に生きられるような地域を設定して30頭から40頭をそこに住まわせ、ネコ科の動物や密猟者から守ります。次第に動物たちが増えてきたら、閉じ込められていた動物たちを自然界にはなし始めるのです」

 南スーダンが動物を保護できるとしても、戦争の印象が残るこの国に、動物を見に来るようにと人々を説得することはかなり難しい。Wright氏は、潜在的な観光客を教育するには何年もかかると認識している。

最近の事件もまだ収束していない。北スーダンの軍隊が先月、紛争地域の境界に戦車を送り込み、百人を超す死者が出て、数万人が難民となった。

Wright氏はボーマ国立公園は、不安定な南北境界とは遠く離れた場所に位置し、また衝突の主な原因は家畜の争奪だと言う。

「ここの人々は通常、家畜の遊牧を行っています」とWright氏。「本当は、反逆者になったり暴れたりしたいわけではありません。実際、彼らの生活は普通の人々の生活と同じです。これらの人々がつきあいづらいと感じたことはありません。あなたが、牛を持っているなら別ですけれど」

サファリの観光客を引きつける

 Wright氏は南スーダン政府に富裕層向けのツアーを行うように申請し、すでに5つの団体が参加することになっている。

ゾウの群れが、7月に誕生する世界で最新の国の茂みを通過する。南スーダンは経済的には石油に依存しているが、いつかは野生生物の魅力を感じて、観光客がやってくるようになるようにと望んでいる。

「群れが移動する3、4カ月の間、季節的なキャンプをする予定です」とWright氏は言う。「乗馬も取り入れたいと思っています。サバンナの生息地を動き回るのは、本当に素晴らしいですからね」

インフラストラクチャがほとんど整備されていない地域にとっては、かなりの野望ではあるが、Wright氏は、冒険を好む旅行者にとっては、これがアピールとなり、強烈な売り込みになると言う。

「本当のアフリカの魅力は」とWrightは言う。「莫大な広さと原野です。「(Out of Africaの著者である)Karen Blixen以前のアフリカです。スーダンにはまだそれがあるのです」

南スーダンは、確かに観光客を利用することもできる。経済は、ほぼ全て石油に頼っているが、それによって、多くの仕事が生み出されるわけではない。

「石油資源に恵まれているとはいえ、無尽蔵にあるわけではありません。でも野生生物なら、きちんと管理すれば、末永く存在し続けます」 南スーダンの野生生物保護省の次官であるDaniel Wani氏は語る。

 Wani氏は、南スーダンが来月独立する際、流血の惨事がなく持続的な平和を築けるようにと願っている。今後何年にもわたり、人々がこの新しい国の名前を聞いたとき、もはや思い浮かべるものが戦争ではなくなるようにと。

そして、もしかすると、人々はゾウやアンテロープ、そしてキリンたちを見にくるかもしれないのだ。

http://www.npr.org/2011/06/16/137220632/south-sudan-battles-poaching-in-quest-for-tourism

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