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2011年5月 1日 (日)

急増する象牙の密猟と不正取引

Amboseli Trust for Elephants(ATE)のニュース

翻訳協力:若林 衛  校正協力:クロス広子

約20年にわたるケニアのゾウたちの平和な時代に終わりを告げ、ケニアの大地での象牙の密猟が干ばつの中でふたたび始まった。

国際的な象牙取引に関する禁止令が1990年1月に発令されるとともに、ケニアでの密猟はほぼ休止され、個体数は次第に上昇しつつあった。その後2008年に、南アフリカの数か国が禁止令を解除させ、中国による象牙の備蓄購入が可能になった数か月後、われわれは象牙の購入を求める人々に関する気がかりな報告を受けるようになった。備蓄象牙の販売は中国内の需要により始まったと思われる。

ケニアで活動する多くの中国企業によると、中国人労働者たちが象牙を購入しているのだという。それと同時期にタイ、ベトナム、フィリピンにおける大規模な違法象牙の積載品の押収が報告されている。ナイロビの国際空港では探知犬を使っての積載品の押収が行われた。これらの象牙のほとんどは海外からの輸入と思われる。

2008年、われわれは密猟により、あるいは他の原因で死亡した可能性のあるゾウから象牙を奪うといった、決定的な密猟被害を9件記録した。これはアンボセリ地域(Amboseli)でゾウの死体から象牙が盗まれるという事例としては、長年初めてのことであった。2009年初めからの数か月間、アンボセリ地域の生態系内において、またツァボ地域(Tsavo)近郊での密猟被害が確定的となり、さらにケニアの他地域での密猟も報告された。

ケニア野生生物公社(Kenya Wildlife Service – KWS)の公式データによると、2007年には47頭、2008年には145頭、そして2009年には204頭とケニアにおける密猟の実態を明らかにしている。ゾウの保護問題を懸念するわれわれ全員にとって、この数字の増大は非常に憂慮するべき事態であり、ケニアに生息するゾウの85パーセントを失った1970年代や1980年代のような恐ろしい時代の再来を望む者は一人もいなかった。

KWSは現場での取り組みはもとより、地域や国際フォーラムを通して密猟の撲滅を目指して活動する団体である。アンボセリ地域で現在、われわれはできる限りの力を注いでいる。しかし、現地で行われる象牙売買がその経済に深く根差してしまう恐れがあり、これを阻止するためには是が非でも支援が必要なのである。アンボセリ国立公園(Amboseli National Park)の面積はわずか150平方マイル(約240平方キロメートル)であるのに対し、ゾウが移動する生態系は5,000平方マイル(約8,046平方キロメートル)である。全個体数1,200頭の内、公園にいるゾウは一日わずか300頭の可能性もある。そのため公園内だけにとどまらず、アンボセリ地域の生態系全体を保護しなければならないのだ。現在のところマサイ族がわれわれの味方であることは心強い。しかし、象牙目当てに大金を支払う者が現れれば、われわれがその戦いに勝つことは不可能だろう。

この状況を一変させるのは地元の人々の意識だということは間違いないだろう。現在、地域レベルで活動しているのは、アンボセリ地域周辺で活動中の約90人のマサイ族から成る反密猟スカウトたちである。彼らはアンボセリ・ツァボ動物スカウト協会(Amboseli-Tsavo Game Scouts Association – ATGSA)を結成しているが、財政的にひどく厳しい状況に置かれているのが現実だ。二か月前、戦略スカウトのキャンプは給料の支払いや食料購入に対する資金不足のために、閉鎖を余儀なくされた。これら二つのキャンプはアンボセリ国立公園の南、タンザニアとの国境付近に位置している。国境線から極めて近いという好条件を利用して、密猟者たちが国境を越え、一匹のアンボセリのゾウを殺し、再びタンザニアに逃げ戻るということは簡単なことなのである。そのタンザニアにはバイヤーと密輸業者のネットワークが存在する。

アンボセリ地域での密猟を阻止することは不可能ではない。かつて密猟が盛んだった1970年代や1980年代にそれは実現した。ケニア全土でゾウの個体数が増加したのは唯一、ここアンボセリ地域だけなのである。それは現地で活動しているわれわれ研究者はもとより、マサイ族の人々がゾウを殺さず、また彼ら自身の土地を密猟から保護してくれていたからこそ実現できたのだ。マサイ族の人々との信頼関係がキーであり、仕事やインセンティブ、そして教育の提供を目的とする、われわれの地域支援活動プログラム(community outreach program)が重要である。

原文
http://archive.constantcontact.com/fs095/1103441313201/archive/1103605051772.html

NPO法人 野生生物保全論研究会のHP http://www.jwcs.org/

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