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2011年5月 1日 (日)

サメ類保護におけるワシントン条約の不備

2011年3月22日 Lindsay O’Donnell

翻訳協力:浅川 円 校正協力:豊田実紗

基本的に、不適切な規制や法律、管理機関ならば無い方がよい、と考えている。私たちは法制度や指導者らを信頼し、法整備されているものは何であれ有効に機能していると想定しがちだからである。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州では、現行の法令が役に立たない理由を説明するよりも、絶滅危惧種を保護する法律は何一つないと言った方が、はるかに大きな反応が得られる(実際に、同州では絶滅危惧種保護法自体は制定されていない)。

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES ワシントン条約)も、施行改善が図られてはいるものの、サメ類の保護に何度も失敗している法制度の1つである。この条約は、「野生動植物種の国際取引がその種の存続を脅かすことのないようにする」ことを目的とした国際的合意であり、貿易規制を実施することにより、絶滅のおそれのある種または生存を脅かされている種を保護することを目標とする。

各締約国は、条約の附属書掲載種の輸出入を適切に管理する管理当局を少なくとも1つ設置する必要がある。現在世界175の国・地域が任意に資金を供与し、条約を遵守している。また、各国では条約を確実に履行するための国内法が採択されている。

違法かつ持続不可能な取引の防止を求める当事国の要求に基づき、3万種を超える動植物が附属書Ⅰ(すでに絶滅のおそれのある種)、Ⅱ(取引が規制されなければ、今後、絶滅のおそれのある種)、Ⅲ(締約国が自国内の保護のため、他の締約国の協力を必要とする種)の3つの分類に区分されている。
[訳注:外務省のHPから補足]

世界各地の海洋に生息するサメ類450種のうち11種がワシントン条約で保護されている。この数は少ないように思うだけでなく、附属書のこの掲載状況によりサメの保護をさらに推進する機会までもが奪われてしまっているのである。2010年前半に行われた締約国会議ではサメ類について議題として取り上げ、多数の国がサメ類の規制対象種を増やし、保護の強化を求めた。しかし、規制案は7種のうち1種しか可決されず、さらにたった数時間後には全体会合で逆転否決された。
[訳注:AFP通信より補足]

また、ワシントン条約では動物委員からサメ類の作業部会を設置し、サメ漁管理の優先順位、附属書掲載種候補の検討、特定の危険をともなっているサメ種について定期的に助言している。だが残念なことに、こうした助言は単なる提案にすぎず、こうした提案がしかも毎回受け入れられるわけでもない。

政府の強い影響力によって、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission)や各国の絶滅危惧種保護法のような状況での意思決定が揺るがされてしまう。ワシントン条約でサメ類を十分に保護できていない背景には2つの共通の問題がある。1つは意思決定が必ずしも統計情報や科学的所見に基づいて行われていない点であり、もう1つはワシントン条約に法的拘束力がどれほどあるかが疑問であるという点である。

他の種に対してどの程度成果を上げているのか不明であるため、ワシントン条約が欠陥条約であるとは言いたくない。しかし、2009年にカナダに輸入されたフカヒレ量は77トンに上り、これらの大半が乾燥製品だったので、サメの種類を特定するにはDNA分析が必要だったはずである。バンクーバーの日刊紙「Vancouver Sun」による最近の調査によると、カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency、CFIA)が販売を禁止しているサメ種の製品がバンクーバーの小売店で販売されていたことがわかった。

ワシントン条約の管理局にメールや電話で何度か問い合わせているが、何カ月たっても一向に返答がないことが、さらに信頼を失わせる。このような経験が通常、条約の効力を判断する材料となる。いずれの問い合わせでも、私はただ、サメの乾燥製品が条約掲載種であるかどうかをどのように調査し確認しているのかを尋ねたにすぎない。

ワシントン条約におけるサメの乾燥製品の規制方法について説明が行われないことを考慮すると、欠陥があるだけでなく、効力までもないシステムに私たちは信頼を置いているといえる。

Lindsay O’Donnellは、脆弱な海洋生態系に属するサメ、エイ、マグロの重要性の普及啓発を目的に活動する啓蒙イニシアチブ「Wake Project」の共同設立者である。

原文 http://www.straight.com/article-382846/vancouver/lindsay-odonnell-how-cites-failing-sharks

NPO法人 野生生物保全論研究会のHP http://www.jwcs.org/

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