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2010年3月 5日 (金)

ゴリラやゾウを保護するにはまず近隣住民を理解すること

ScienceDaily - 2010年1月15日

翻訳協力:木田直子

パーデュー大学の新しい研究によると、アフリカの国立公園や保護区でゴリラやゾウ、その他の野生生物を保護するには、その土地に住む人々の文化を理解することが鍵になるという。

「保護活動の内容や保護区の管理方法は通常よかれと思って立案されていますが、基となる科学データが欠けていたり、その土地の文化や、その地域で何らかの役割を果たす外部の人間や取引関係について誤った想定がなされていることがあります。」と、ゴリラを研究する人類学教授、Melissa Remis氏はいう。「保護活動では、野生生物の保護のことだけ考えればよいのではなく、人的要因も考慮しなければなりません。たとえば、その土地の狩りの仕方や移住によってさえも、土地の使われ方が変わる場合があります。」

生物人類学者であるRemis氏とミシガン大学自然資源学部文化人類学准教授のRebecca Hardin氏は、中央アフリカ共和国のザンガ・サンガ密林保護区における動物種、森林の分断化、エコツーリズム、地域文化と産業に特有の問題点に焦点を合わせた。この森は、西ローランドゴリラと、森の中に一度に100頭ものゾウが集まる開けた場所があることで有名である。保護区は1991年に設立された多目的ゾーンで、研究、観光、地元民による狩猟、サファリハンティングと伐採用のエリアに分かれている。最寄りの町はバヤンガで、5000人の住民が暮らしている。

地域社会によっては、農作物に被害が出る場合はゾウなどの野生生物を問題とみなす可能性がある。また、日々自分たちの家族に食べさせるのに苦労している住民なら、保護される種も食物として利用できるのにと、地元の野生生物の保護活動を恨めしく思うかもしれない。こういった姿勢はまた、種族によっても異なると考えられる。たとえば、これまでずっとゴリラやゾウと共に暮らしてきた地元のバアカ(BaAka)族と、伐採や環境保護の仕事が理由で最近移ってきたばかりの移住者とでは捉え方も違うだろう。

「生態学と社会学の領域でそれぞれ行われてきた基礎研究をもっとうまく組み合わせて活用すれば、保護活動の政策や成果を大幅に改善できるだけでなく、しばしば野生生物の保護を疎ましく思っている地域社会の信用を得る役にも立つでしょう。」と、Remis氏はいう。

たとえば、選択的な伐採により森林の中に開けた場所ができると、そこには新たに草が生えてくることがわかっている。この草を餌として、この地域に住むダイカーと呼ばれるレイヨウが生きてゆける。このレイヨウは生息数が減少傾向にあるが、地域のほとんどの住民にとって主な食物源であり、一部の住民はダイカーの代わりにゴリラを狩るようになっていた。ダイカーの生息数が安定すれば、保護されるべき種が狩られることは少なくなる、とRemis氏はいうのである。

「これは、少量の伐採が、実際に狩りの獲物を増やす役に立つ場合もあるという例です。」と、彼女は続けた。「ここでも、科学が土地活用の役に立ちます。」

Remis氏とHardin氏は、1990年代からこの地域の文化と動物、とくにゾウとゴリラの研究を続けている。研究者たちは、定期的な頭数調査に加え、公園のレンジャーや観光客、地元住民などにも聞き取り調査を行った。この研究の成果は、2005年までのデータも含めて、先月の『Conservation Biology(保全生物学)』で発表された。研究チームは現在、2005年から2008年までの追加データを評価中である。これらのより新しい頭数調査は、保護区の中心付近でさえもゴリラやゾウの生息数が減少していることを示している。

「この研究は、生物人類学者と文化人類学者による連携の価値を高めるものです。」と、Remis氏はいう。「私たちは、野生生物種の再評価を行うための枠組みを作り上げました。動物たちは、人間の暮らしの中で果たす生態学的、経済学的および象徴的な役割に基づいて評価されることになります。再評価により得られた洞察を取り入れれば、もっと適切な保護政策を制定できます。再評価は、地域社会と国際社会の両方が、経済的な重要性以上にその荘厳な美しさゆえにこれらの動物種の価値を認めていることを強調するものであり、保護のために地元と国際社会の支援を結集する方法となりえます。これらの動物は地元だけでなく国外でも民話や伝説の主人公となっており、もし絶滅すれば地域社会や世界各国に多大な影響を与えます。ゴリラやゾウのいない世界で成長しなければならないとしたら、私たちの子供たちはどう感じるでしょう?」

「地元住民や労働者からの聞き取り調査により、地域経済や狩猟技術などの変化が保護にどんな影響を与えるか、私たちは以前よりよく理解しています。今回の共同研究は、動物と人間がどのように影響し合うかを理解する役に立っています。」

ザンガ・サンガ密林保護区は、中央アフリカ共和国政府と世界自然保護基金(WWF)によって、保護と発展事業の統合プロジェクトとして1991年に設立された。

この研究は、ナショナル・ジオグラフィック協会、パーデュー大学、ミシガン大学、ハーバード大学国際地域研究アカデミーと世界自然保護基金(WWF)によって支援された。

http://www.sciencedaily.com/releases/2010/01/100113172140.htm

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