カメルーン:自然保護区のゾウを狙う象牙業者
2010年2月2日 All Africa Vincent Gudmia Mfonfu
翻訳協力:佐藤 良子、校正協力:T.K.
カメルーン南西部のKorup(コラップ)国立公園や、南部のDja Reserve(ジャー動物保護区)などの自然保護区内および周辺地域においてゾウの密猟が増加している模様で、カメルーン政府は国際社会の協力を受け、ゾウの密売業者を捕えて裁判にかけるため、警戒態勢を新たにしている。2009年には野生生物の密売業者3名に加え、南部のDja and Lobo(ジャー・ロボ)県の都市、Meyomessala(メヨメサラ)の森林・野生生物省に務めるeco-guard(環境警備官)1名をゾウ殺しの疑いで逮捕した。
ゾウの密売業者3名の逮捕に至った捜査は、Dja Biosphere Reserve(ジャー生物圏保護区)で活動するMeyomessala Antenna (メヨメサラ・アンテナ)の職員によって、メヨメサラの憲兵隊の協力のもとで行なわれた。現在、森林・野生動物省の地元当局が犯罪者らの立証に向け準備を進めている。この捜査の前にも、南西部州の森林・野生動物省によって同様の捜査が行われ、コラップ国立公園で象牙取引目的に7頭のゾウを殺した罪で、野生生物の密売業者が1名逮捕された。犯人は現在、Buea(ブエア)の刑務所で5の刑に服している。
カメルーン政府は、保護種である野生生物の違法取引に対し、断固とした処置を講じている。Environmental Investigation Agency-EIA(環境調査局)のDebbie Banks氏は、「このような処置を取らなければ略奪は続き、絶滅の危機に瀕する生物の存続を脅かすとともに、地方や国家の財政を圧迫し、ひいては環境破壊をすることなく持続可能な開発に向けた世界規模の取り組みを妨げることになるでしょう。」と評した。
昨年末には、コンゴ共和国のBrazzaville(ブラザビル)で、40キログラムの象牙を所持していた3名の野生生物密輸業者が逮捕された。業者らは、コンゴ民主共和国のKinshasa(キンシャサ)から川を越え象牙を運んだのだった。
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