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2010年3月15日 (月)

CITESに向けて ヨーロッパの主張

2010年2月4日 European Voice Jennifer Rankin

翻訳協力:松村理沙  校正協力:T.K.

 来月開催される絶滅危惧種の保護に関する国際会議では、EUは強力な存在感を持つであろうが、加盟各国自身が自分たちの優先すべき絶滅危惧種を決定する必要がある。

 ヨーロッパはフォアグラや闘牛を世界中に供給してきた可能性があるにもかかわらず、EUは動物保護の基準設定を行っていると理解されようと、今ますます躍起になっている。
 EUは今まで多数の同盟国を混乱させることをためらわず、カナダとアザラシに関して対立してきた。EU内部では、ハンターに対する鷹の狩猟の中止や、大陸を越えて家畜を運ぶ際に水分を補給させることを目的とした法律が策定されている。そのため、来月開催の絶滅危惧種の保護に関する大規模な国際会議で、EUは影響力を持つ存在として一目置かれるはずである。書類上の事実としてはこういった内容であろう。ただ、全体の意見をそのように一致させるのはいつも難しい。

 来月(3月13日~25日)、カタールのドーハで開催されるワシントン条約(CITES)締約国会議では、ゾウ、サメ、クロマグロ、ホッキョクグマが重要議題として取り上げられるものとみられる。現在、EU加盟国全てを含む175の国々が、動植物の取引による絶滅の危機から救うために締結されたワシントン条約に加盟している。クロマグロの取引を禁止するかどうかについては、EU内部で意見が分かれている。

 EUは理論上、論争中の問題に対し決定的な発言力を持つ可能性がある。ドーハでの投票で、EUはすでに27の加盟国を味方に、全体の15%の票を得ているのである。

 ワシントン条約締約国会議における年功者、国際動物福祉基金(the International Fund for Animal Welfare)のPeter Pueschel氏は、EUは常に最大20もの諸外国(おもにEU加盟国以外のヨーロッパ諸国)からの票を得ていると述べた。EUが“非常に強力で影響力の大きい”存在になっているのはこのためである、とPueschel氏は述べているが、一方で、EUは“融通が利かず”内部調整に時間がかかりすぎることがあるとも述べている。

EUで統一した方向性を見出すのは、時間がかかり困難なことである。会議の開催までちょうど6週間を残し、EUは未だ進行途上にある。 しかし、欧州委員会(European Commission)が作成した内部文書には、優先すべき5種の絶滅危惧種が明記されている。クロマグロ、アカサンゴ、サメ、ホッキョクグマ、ゾウである。ある当局筋によると、各国政府は“なるべく早期に”EU側の姿勢を受け入れる(そして隔たりを埋める)方針であるという。

しかし、クロマグロの取引を禁止するかどうかについては、EU内部で意見が分かれている。昨年、過半数の加盟国が寿司ネタに使用されているクロマグロの取引禁止の提案を支持したが、地中海諸国の6カ国がこれに反対した。この少数派の国々も、現在では提案を支持する方向に向かいつつある。フランスは昨日(2月3日)、取引禁止を支持する代わりに開始時期を18ヶ月延期するよう要請した。イタリアは先月、取引禁止を受け入れる姿勢を表明している。

同様に問題なのは、サメなど他の海洋生物をどこまでワシントン条約の規制対象に含めることができるかである。国際専門機関や漁業関係機関は海洋生物への過剰な影響力の広がりを望んできていないため、今までに魚類がワシントン条約の対象になったことは稀である。2007年の、2種のサメをワシントン条約の附属書に載せるというEUの計画が失敗に終わったのは、そもそもヨーロッパの漁師が備蓄の消耗に関与しているということが大きな要因であった。EUは、サメの保護を目的とした計画と漁獲割当量を示しており、再び計画の実行を試みているが、アジア諸国、とりわけ日本からの反発が予想される。

象牙取引の禁止

象牙取引の禁止解除の問題についても、意見が分かれている。EUは、ワシントン条約における専門家委員会がアフリカゾウに関する報告書を2月末に発表するまでは、見解を表明しないと述べている。タンザニアとザンビアは自国に生息するゾウについて、ワシントン条約の規制を緩和するよう提言しており、一方でボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエは、一回限りで象牙を売却したいと考えている。しかしこれらの国々は、共にアフリカゾウ連合(African Elephant Coalition)を組む他の23のアフリカ諸国からの激しい反発に遭う方向に向かっている。

反発しているアフリカ諸国は、象牙取引の再開は前回の2007年のワシントン条約締約国会議で締結された9年間の取引停止の協定に反すると述べている。アフリカゾウ連合は、EUに対して象牙取引の停止を支持するよう強く求めているが、これは、ドイツの仲介が前回の締約国会議で合意させた事実が大きく関わっている。

連合を代表して、スーダン政府の役人であるPerez Olindo氏は、「たったひと言が象牙不法取引者たちへの不適切な合図となりうる。すぐにでもゾウの虐殺が開始できるということです」と述べた。「アフリカゾウは絶滅への道をたどっています。我々がヨーロッパの政策決定者に対して疑問に感じているのは、“アフリカゾウが絶滅する様を見たいのだろうか”ということです。」

 あるEUの交渉担当者によると、一回限りの象牙の売却に関しては密猟の助長を懸念しており、“強い難色”を示しているようだ。しかし、EU側はしばし待ち、ワシントン条約の専門委員会からの報告を考慮した上で意思決定することが重要である、と同担当者は述べている。

 Olindo氏はまた、もしヨーロッパ側がゾウへの支援に力を貸してくれるならば、アフリカゾウ連合に加盟する全23カ国がクロマグロに関して“ヨーロッパの目的を支持する”構えであると述べた。
 皮肉なことに、クロマグロ取引禁止の支援としてEUが味方にできるのは、現時点では27の加盟国の内23カ国のみにとどまる。

 理論上、この締約国会議は科学そのものなのだが、政治的問題はこの先も必ずついてまわるであろう。

http://www.europeanvoice.com/article/europe-has-a-major-say-in-where-the-wild-things-are-/67060.aspx

NPO法人 野生生物保全論研究会(JWCS)のスタッフが、第15回 ワシントン条約締約国会議(CITES)に参加するため、ドーハにいます

ブログで毎日報告しています → http://jwcs.cocolog-nifty.com/

 記事中の ペレツ・オリンド氏は、JWCS会長・小原秀雄とアフリカゾウの保護のため、長年協力関係にあります。オリンド氏はケニアの元・国立公園局長ですが、現在は隣国スーダンでアフリカゾウ保護のため、政府に籍を置いて活動しています。

 しかし紛争などの影響で、活動資金は十分ではありません。そのため、JWCSはオリンド氏のCITES参加費を支援しています。

 JWCSではCITES参加のためのご寄付を募っています。しかし、必要額に満たないまま会議の日を迎えてしまいました。皆様のご支援をお願いします。 

→ http://www.jwcs.org/possibility/member.html

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