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2010年2月23日 (火)

国連の専門家、クロマグロの取引禁止提言を支持

翻訳協力:平野容子 校正協力:津田和泉

2009.12.15  WWF / F. Bassemayousse

クロマグロの稚魚が地中海で飛び跳ねながら泳いでいる。国連の専門家は、クロマグロが絶滅の危機に瀕しており、国際的に取引を禁止すべき証拠があると述べている。

イタリアのローマでは、国際連合食糧農業機関(FAO)の専門家も、同様にクロマグロが絶滅の危機に瀕しているため、取引を禁止すべきだと述べている。

先週、FAOの専門家たちがパネルディスカッションを行い、商業目的で取引されている6種の海洋生物を保護するための規制、および乱獲からこれらの海洋生物を保護するためのさらなる活動を提言するために話し合った。

クロマグロの他には、アブラツノザメ、ネズミザメ、アカサンゴやモモイロサンゴ、スカロープハンマーヘッド、ヨゴレザメが保護対象の海洋生物としてあげられた。

FAOのパネルの意見は、3月にカタールのドーハで開催される第15回ワシントン条約締約国会議での投票に大きな影響力を持つ。

漁業に対して強い関心を持つ国は、投票する際にFAOのパネルの意見を参考にする。つまり、絶滅の危機に瀕する生物の長期的な生き残りは、FAOのパネルの提言に依存する。

FAOが本日発表した声明では、パネルに参加した過半数の専門家が、西大西洋のクロマグロ(学名Thunnus Thynnus)をワシントン条約付属書Iに掲載することに賛成であるとし、「付属書Iに掲載することは、クロマグロの漁獲量を減らすことであり、これにより西大西洋および地中海におけるクロマグロの存続を不可能とする漁獲量を確実に減少させることになるでしょう」と強調している。

政府間で合意された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」であるワシントン条約は、通常、提案されたすべての内容について独自の科学的評価を行うが、漁業を主要産業とする大国がかかわる場合については、FAOの提言に同意する。FAOは商取引される海洋生物に関する提案について独自の技術的評価を行う機関である。

大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)が独自の分析により、クロマグロが国際取引禁止対象の基準条件を満たしていると発表した後、FAOのパネルが同様の提言を発表した。ICCATは大西洋のクロマグロの漁獲量を管理している地域組織である。

世界自然保護基金(WWF)、地中海担当のSergi Tudela博士は、「国連によるクロマグロ保護を強く支持するコメントは、大西洋におけるクロマグロを保護する活動に大きな影響を与えるでしょう。一時的に国際的な商取引を禁止しているワシントン条約付属書Ⅰは、現在乱獲されている大西洋のクロマグロの個体数を回復させ、長期的な生存を可能とする方法として一番適していると思われます」と述べている。

また、同氏は「我々は、クロマグロ漁が今後も持続的に活発に行われ、そして取引され、なおかつ個体を保護するための抜本的な対策を求めています。」

「WWFは、ワシントン条約の全加盟国に対し、西大西洋クロマグロを付属書Ⅰに掲載し、一時的に国際取引を停止するために、ドーハで投票するよう強く要請しています」と述べている。

また、FAOのパネルは、ネズミザメ、スカロープハンマーヘッド、ヨゴレザメをワシントン条約付属書Ⅱに掲載し、取引を制限することを提言しているが、アブラツノザメやアカサンゴ、モモイロサンゴは保護対象の基準に達していないとしている。

WWFは、同パネルがネズミザメ、スカロープハンマーヘッド、ヨゴレザメを保護対象としたことは歓迎しているが、アブラツノザメやアカサンゴ、モモイロサンゴを対象外としたことについて失意を表明した。

パネルは、「多くの地域で、これらの生物への対応が不十分であることは残念です。」と述べ、各国政府や地域の漁業関連団体がそれぞれ状況を確認し、基準を変更することを推奨している。

この提言に対し、WWFはFAOのパネルの対応は不十分であり、アブラツノザメやアカサンゴ、モモイロサンゴについても付属書Ⅱに掲載したうえで、保護すべきであると述べている。

WWFは、アカサンゴなどの生物に関して、漁獲量についての正確なデータが不足しているために、乱獲されていないと考えられていることに懸念を示している。これは、保護対象種を決定する基本理念に反している。実際に、データ不足は、通常、調査が適切に行われていない、あるいは政府が漁獲量を報告していない場合に発生する。

パネルによる提言の詳細については、来月FAOによって公表されることになっている。

http://www.panda.org/wwf_news/news/?184061/UN-experts-back-proposal-for-bluefin-tuna-trade-ban

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