ミツバチ箱のフェンスでゾウによる農作物被害を阻止
Lucy E. King, Anna Lawrence
Iain Douglas-Hamilton
Fritz Vollrath
AFRICAN JOURNAL OF ECOLOGY(アフリカン エコロジー ジャーナル)
2009年7月4日
翻訳協力:一戸貴子 校正協力:津田和泉
過去の研究結果から、アフリカゾウはアフリカミツバチを嫌うことが実証されている。
これは、ゾウによる農作物被害を軽減させるために、ミツバチ箱を使用するという
コンセプトを評価するために実施された、実証試験的な研究結果の報告である。
ケニアのLaikipia(ライキピア平原)で実験は行なわれ、
内側にミツバチの空の巣を取り付けてあるミツバチ箱を設置した柵を、フェンス代わりに90m並べて設置し、2エーカー四方の農場の、特にゾウによる農作物被害の発生確率の高い2方面にそれらを設置した。
同様の状況と広さの近隣の農場と比較すると、私たちの試験的農場はこの実験により
農作物被害が減少し、その結果として生産高が上昇した。
社会経済指標から見えることは、ミツバチ箱のコンセプトが地域にも受け入れられ、
評価が高かっただけでなく、この効果により上昇した蜂蜜および養蜂による生産物の売上が、 十分にこのコンセプトの初期投資費用をまかなっているということである。
この”ミツバチ箱による監視”コンセプトに対し、有効性と効率性の双方が評価され、
できる限り広範囲にわたる農業環境を、科学的かつ厳正に行なわれるような実証試験を要請している。
« ハイテク化する密猟者 インド | トップページ | インド・アッサム州 密猟の刑を重くする法案成立 »
「01 ゾウ」カテゴリの記事
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
- ボツワナでゾウ狩りライセンスのオークションが開始される(2021.01.15)
- 9.5tものセンザンコウのうろこの押収により、野生生物犯罪への対応強化がナイジェリアで必至に(2020.10.20)
- 保護区域周辺の人間と野生動物の対立を緩和するための地域密着型の戦略の実験的調査(2020.07.07)
「22 アフリカ」カテゴリの記事
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
- コロナ禍でのトロフィー・ハンティングの禁止がアフリカの野生動物と人々の生計を脅かす(2021.08.31)
- ボツワナでゾウ狩りライセンスのオークションが開始される(2021.01.15)
- 9.5tものセンザンコウのうろこの押収により、野生生物犯罪への対応強化がナイジェリアで必至に(2020.10.20)
- 保護区域周辺の人間と野生動物の対立を緩和するための地域密着型の戦略の実験的調査(2020.07.07)
「35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント