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2009年10月 1日 (木)

違法取引で激減するスマトラオランウータンの個体数

2009年4月16日(木)TRAFFIC Southeast Asia
クアラルンプール、マレーシア発

(翻訳協力:桝井二郎   校正協力:津田和泉)

 インドネシアでは、強力な法執行による違法取引の取り締まりがなされていないことから、スマトラ島のオランウータンとギボンの生存が脅かされている実態が、野生生物取引を監視するネットワーク、TRAFFIC (トラフィック)の新たな研究で分かった。

 野生生物の保護に少なからぬ資金や労力が投じられているにもかかわらず、主にペットとして売られるために、絶滅寸前にあるオランウータンの捕獲される頭数が1970年代の水準を超えてしまった。TRAFFICによれば、適切に法が執行されないことがよくないという。

 リハビリテーションセンターに入るオランウータンやギボンの記録が、これらの動物が違法に多数保有されていることを物語る指標となる。一方、野生のスマトラオランウータンの頭数は減り続けており、最近の推計では生息数は7300頭に過ぎない。

 体重が90キログラム、体長が1.5メートルにもなるオランウータンは、ペットとしては歳が行き大きくなり過ぎると、リハビリテーションセンターなどに引き取られる結果となる。だが、この赤茶色の毛をした類人猿を所有していた人は、それによる法律上の罰則を受けることがない。

 TRAFFIC Southeast Asiaの実務ディレクター Chris R Shepherd 氏は、「飼主を告発することなく、違法に飼育していた動物を押収するだけでは何の効果もない。罰せられることがなければ、絶滅寸前の動物を飼うような犯罪行為を阻止するものは何もない。インドネシアにはそれなりの法律はあるが、処罰が軽微でペットにするための違法取引がなくならないことから、オランウータンなどの種が絶滅に向かって減少する一方だ」と話す。

 ある推計によると、インドネシアで過去10年間に、押収されたり民間の飼主が飼育放棄して収容したオランウータンは2000頭に上るが、告発まで持っていくことができた事例はほんの一握りに過ぎない。

 例えば、スマトラ島に新設されたSibolangit(シボランギット)・リハビリテーションセンターが2002~2008年に収容したオランウータンは142頭だが、前身であるBohorok(ボホロク)・センターが1995~2001年(同年閉鎖)に受け入れたのは30頭のみであり、1973~1979年は105頭だった。

「オランウータンの最初のリハビリテーションセンターが設立、またギボンのセンターが設立されたとき、押収されるオランウータンやギボンが増えて、違法取引の件数が減ることを期待しました。」と、トラフィックの顧問でこの報告書の執筆者(オックスフォード・ブルックス大学在籍)の Vincent Nijman 氏は語った。

「しかし、リハビリテーションセンターにオランウータンとギボンが数百頭もいて、毎年数十頭も増えるため、この頭数を考えると、インドネシアの法執行努力のなさが非難されることにしかならないのです。」(Nijman 氏)。

 この報告書には、インドネシア各地の動物園にスマトラギボンとフクロテナガザル148頭と、スマトラオランウータン26頭が飼われているとの記述もある。

 世界自然保護基金(WWF)インターナショナルで野生生物保護プログラムのマネジャー Wendy Elliot 氏は、「インドネシアでは、オランウータンを保護する法律を適正に執行することが最も重要です。現状のまま推移すれば、スマトラオランウータンは絶滅する可能性がきわめて高いのです。」と話す。

 この報告書は、取引が行われる根本的な原因を突き止め、オランウータンやギボン、スマトラ島の他の野生生物を保護するために、法執行の強化を提案する。

 スマトラ島の野生生物は、森林伐採、木材業、土地利用転換、浸食、森林火災などによる、生息地域の減少にも脅かされている。

注記
 『インドネシアのスマトラ島におけるギボンとオランウータンの取引実態』は、スマトラ島における類人猿の取引を調べたTRAFFIC(トラフィック)最初の報告書である。この報告書は、2005年に発表した、カリマンタン島における同様の取引に関する先の報告書、『どうなるのか:インドネシアのカリマン島、ジャバ島、バリ島におけるオランウータンとギボンの取引実態」、『いまたけなわ:インドネシアのジャバ島、バリ島におけるオランウータンとギボンの取引実態』の続編である。

 インドネシアの法制下では、オランウータンを違法に所有すれば、最高約101万円(1億インドネシアルピア:100インドネシアルピア=1.01円、2009年4月9日)の罰金や、最長5年の懲役などの罰則がある。

 インドネシア最高裁は2007年7月、野生動植物の組織的密猟や密貿易に対して政府が戦いを挑む一環として、インドネシアではじめての全国「野生生物犯罪と告発に関する司法のワークショップ」を主催した。

『インドネシアのスマトラ島におけるギボンとオランウータンの取引実態』
(PDF, 613KB): http://www.traffic.org/species-reports/traffic_species_mammals47.pdf

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