フォト
無料ブログはココログ
2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

にほんブログ村

  • にほんブログ村

« クルーガー国立公園の境界線を移動し、狩猟場を新設 | トップページ | ジンバブエでゾウにヘリコプター騒音被害のおそれ »

2009年10月14日 (水)

ゾウのDNA地図 象牙密猟者の足取りを暴く

The Gardian
2009年6月28日

翻訳協力:佐藤梨絵  校正協力:津田和泉

 違法な象牙取引に立ち向かうため、科学者達が、画期的な遺伝子的技術を用いて、ゾウの密猟が横行するアフリカの地域を特定しようと試みている。

 アフリカに生息するゾウのDNAの地図を用いることで、近頃押収した象牙が、タンザニアとモザンビークの両国境付近に広がる、 Selous(セルース)、 Niassa(ニアサ)野生動物保護区で捕らえられた個体のものであることが分かった。

 この発見によって、世界で急増する象牙の違法取引や、年間何千頭にも上るゾウの虐殺には、ごく限られた組織が関わっているということが言えそうだ。台湾、香港、ベトナム、フィリピン、それから日本の港湾での個別の強制捜査によって押収された数千もの象牙を調べることで、この取引の範囲が解明された。象牙は、これらの地域で増大する工業経済の中流階級のシンボルであり、成長を続ける極東地域の象牙の需要を満たすために持ち込まれた。

 その結果、象牙の価値は、2004年に1kgあたり約1万8千円(200ドル)だったものが約54万円(6000ドル $1=¥89.6 2009年9月26日現在)にまではね上がった。同時に、これらの需要に応えるために、アフリカに生息するゾウ全体の8~10%が毎年虐殺されていると、科学者らは試算する。

「それまでInterpol(国際刑事警察機構:インターポール)を含む司法当局は、これら象牙の積荷は、アフリカ中に数ある個々の小さな備蓄の中から集められたものだと考えていました。」と、Sam Wasser教授は言う。彼は、ワシントン大学保全生物学センター長で、ゾウのDNA地図はここで作成されている。

「私たちの研究は、それが事実と異なると示しています。密猟の圧倒的多数は、少数の大きな組織、おそらくは一つか二つの大規模な犯罪組織によって行われ、地域を特定してゾウに危害を加えています。残忍なことです。しかしこれは、私たちも、的を絞って密猟に対抗することができる、ということです。」

 現在、世界の象牙密猟の中心は、タンザニアだ。しかし、Wasser氏と彼のチームによる他の研究は、最近になって、ザンビアやマラウイの一部など、他の地域も標的にされていることを示唆している。

 70万頭以上のゾウが象牙のために殺された、1979年から1989年の密猟全盛期を受けて行われた1990年代の国際的な撲滅運動によって、象牙の密猟は休止された。しかし、密猟者へ対抗するためのアフリカ諸国への援助が底を尽き、違法な象牙取引は、再び前回の高水準に戻ってしまった。

 象牙のための殺害は、とりわけ残忍な行為だ。ゾウは高度な知能を持った動物だが、彼らの洗練された社会的な絆が、密猟者に不当に利用されているのである。密猟者らは、時に若いゾウを銃撃し、嘆き悲しむ親ゾウをおびき出す。そして、その親ゾウを襲って象牙を獲るのだ。「私たちの試算では、2006年には3万8千頭以上のゾウが同様の方法によって殺され、今日の年間の死亡数はさらに増加しています。」とWasser氏は指摘する。

 Scientific American誌の最新号によれば、Wasser氏のチームの手法は2種類の分析を含んでいる。まず、アフリカ全域の研究者やボランティアが、ゾウの糞のサンプルを集めた。それぞれのサンプルは、個体ごとの腸内から剥がれ落ちた細胞のDNAを豊富に含んでいる。これがアフリカ全土のDNA地図を作るための“指紋”となってくれるのだ。同じ地域の個体では、よく似通ったDNAの特徴を示すことが、研究者によって発見されている。

 第二の分析が、密輸業者から押収した象牙の断面を削りとり、注意深くDNAを抽出することだ。ここで得られたDNAの特徴を、糞のDNA地図のサンプルと照らし合わせ、ゾウの生息地を特定するのだ。

 この方法を用いて、Wasser氏と彼のチームは、2006年の7月と8月に台湾と香港の港湾での強制捜査で押収した11トンを超える象牙の分析をした。約1500本の象牙が発見され、その全てが、タンザニアのユネスコ自然遺産であるSelous(セルース)野生動物保護区と、その近く、モザンビークのニアサ野生動物保護区のゾウのものであったことが分かった。しかし、同じ年の夏に大阪で象牙の摘発を行った日本当局は協力を拒否し、260本の象牙を、出身地を判明させる前に焼却処分してしまった。「彼らは彼らで結論付ければいいんです。」と、Wasser氏は言う。

 その後、同じ年にベトナムとフィリピンで大規模な象牙の押収があり、Wasser氏らはDNA地図を用いてゾウの出身地を追跡すべく、準備を進めている。

「象牙は、今や薬物や武器と同じような違法な方法で、世界的に取引されています。」Wasser氏は続ける。「これは恥ずべき事態です。だからこそ私たちが、あなたの国のゾウがこんな風に狙われていると、その国に伝え、彼らが取引を止めさせるように仕向けなければいけないのです。」

http://www.guardian.co.uk/science/2009/jun/28/elephant-dna-illegal-ivory-trade/print

« クルーガー国立公園の境界線を移動し、狩猟場を新設 | トップページ | ジンバブエでゾウにヘリコプター騒音被害のおそれ »

01 ゾウ」カテゴリの記事

22 アフリカ」カテゴリの記事

35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/498291/31780205

この記事へのトラックバック一覧です: ゾウのDNA地図 象牙密猟者の足取りを暴く:

« クルーガー国立公園の境界線を移動し、狩猟場を新設 | トップページ | ジンバブエでゾウにヘリコプター騒音被害のおそれ »