トラの保護のためサンバーとホエジカ、2年間の狩猟禁止
翻訳協力:秋元紗月 校正協力:津田和泉
2009年7月22日 the star online TAN CHENG LI記
PETALING JAYA(マレーシア ぺタリン・ジャヤ)
サンバーとホエジカの狩猟が2年間禁止されることになった。これらのシカの数を維持する目的で、最終的にはマレータイガーの数を保護するためである。
Wildlife And National Parks Department (野生動物・国立公園局)の執行責任者であるSaharudin Anan氏によると、この2年間の禁止措置は今年の11月から始まる。この時期には、毎年恒例である、この2種のシカの1カ月間の狩猟期が開始されるのである。
Anan氏は、今年および来年は狩猟許可書の発行は見合わされ、それにより現在減少しているこれらのシカの数が増加し、この結果、野生のトラの獲物が生じるだろうと述べた。
野生動物学者らは、野生のトラの密集度は、サンバーやホエジカのような大きい餌の量に非常に大きく左右されるが、これらの餌は近年、乱獲されていると言う。
サンバーの数は急激に減少しており、International Union for the Conservation of Nature(国際自然保護連合)はこの種を絶滅危機種として認定した。
野生動物・公園局の2007年年次報告書によると、その年、221頭のサンバーと、315頭のホエジカが、認可されたスポーツハンター(趣味として狩猟をしている人々)に捕獲されたという。そしてその多くがPahang(パハン)州内であった。
当局はその年、574の狩猟許可書を発行しており、それは約212万円(¥26.055731=1RM 09年9/25現在)もの歳入をもたらした。なお、許可書の発行には、サンバー1頭あたり約5200円、ホエジカ1頭あたり約2600円かかる。
クアラルンプールの、Natural Resources and Environment Minister (天然資源・環境相)であるDatuk Douglas Uggah Embas 氏は、国内における野生動物の違法取引を阻止するために軍の協力を求めているところであると述べた。
「国境は長く、対象とする面積は広いのです。また、多くの人々が私たちのジャングルが資源やあらゆる動植物の宝庫ということを知っています。」
「しかしながら、全ての望みが失われているわけではありません。現在効果的な対策を発表すべく、軍とともに取り組んでいるところです」
と、Uggah氏は、昨日行われた「ナショナル タイガー アクション プラン」に焦点を当てた Mainstreaming Biodiversity(生物多様性の主流化)についての討論会場で冒頭に述べた。
「私たちには基本計画があり、任務はこの計画を達成させることです」
とUggah氏は述べた。
Uggah氏は執行機関から構成される対策本部を設け、この本部はまた、野生動物の密猟および密輸に関係する事柄の調査も行うよう組織される。
http://thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/7/22/nation/4363975&sec=nation
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