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2009年9月28日 (月)

ブッシュミート売買によるコンゴのチンパンジーの危機

翻訳協力:石原 洋子、校正協力:津田 和泉

コンゴ民主共和国で急増しているブッシュミートの商業化によりアフリカの自然が破壊の危機に瀕している状況や、孤児となったチンパンジーの虐待、売買や殺戮を阻止するための闘いについてCleve Hicksが報告する。

Cleve Hicks、
2009年4月16日 08:26

2004年から2007年迄、私は中央アフリカに残る最後の最大規模の未開の大自然である、コンゴ民主共和国(DRC)の北部Bili(ビリ)近辺のサバンナや森林を調査する機会を得た。Gangu(ガングー)森林の奥深くに生息するチンパンジーを観察し、写真や映像に収めることができた。そこのチンパンジーは人間を全然おそれず、ライオン、ハイエナやヒョウなどの大型肉食獣の生息地帯にもかかわらず、地面に寝床を作る。また、カタツムリやシロアリ塚を木の幹に近い場所にぶつけて割ったり、2.5mの棒を使ってサスライアリを掬い上げたりすることが分かった。

ゾウは大群になってガングー川の岸に沿って移動する。私はアザンデ族の猟師を伴い、チンパンジーや他の野生動物の様子を撮影した。アザンデ族は地球上で最もエコロジカル・フットプリントが小さい人種だと感じた。竿も釣り餌も使わず、手づかみで魚を取るくらいしかガングーの森を利用していないのである。

さらに観察を続けるうちに、チンパンジーの道具を使った生態(地上の巣や葉っぱのクッションを頻繁に作る、アリを掬い上げる、かたつむりやシロアリ塚やカメを叩き割る、Gombe(ゴンベ)(訳注:ナイジェリア)や他の地域で見られる彼らの亜種が行うようなシロアリの掬い上げはやらない)が少なくとも3万5千平方キロメートルという広大な地域に及んでいることが判明した。この「メガカルチャー」の存在は、この地域のチンパンジーが数千年もの間、人類に邪魔されることなく、この森林を自由に動き回っていたことが分かる。

残念なことに、Bili-Uele(ビリ・ウェレ)地区のチンパンジーおよびその独自の生態は、ほかの多くの希少動物種や絶滅危惧動物種とともに、DRC北部に急速に広がっている商業的ブッシュミート産業により危機的状況におかれてしまっている。この違法産業は、Buta(ブタ)地区からまだ未開発だった森林やサバンナへと広がりつつあるダイヤモンドや金鉱採掘(訳注1)に密接に結びついている(こうした鉱山採掘会社の一つは、「黒いユダヤ人」(Le Juif Noir/The Black Jew)と呼ばれている)。

取り返しのつかないエコシステムに対する打撃
2007年6月、Bili(ビリ)地区は数万人の金鉱採掘者に侵略され、われわれの研究や保護プロジェクトは突然中止せざるをえなくなった。オカピ、ゾウやチンバンジーの楽園であったRubi-Tele(ルビ・テレ)狩猟地域からブタのすぐ南の森林に至るまでの自然は、重武装した密猟者たちにより、すでに壊滅していた。こうしている間にも、ビリの生態系は金鉱採掘者の侵入により取り返しのつかない被害を受けることは必至である。

その後Biliビリの200km南にある森林を調査したが、結果は芳しくない。2007年9月から2008年11月までに、売られている幼獣のチンパンジー34匹、死骸31体をButa/Aketi/Bambesa(ブタ/アケティ/バンベサ)地域で発見した。私の同僚のLaura DarbyとAdam Singhがさらに7匹の孤児チンパンジーと死骸2体をその後見つけている。

この1年半の間に、5匹の孤児チンパンジーを保護し、アケティの郊外にある避難所で保護した後、4月31日(訳注2)、DRC東部のLwiroサンクチュアリに空輸した。ここで強調しておくが、これらの孤児チンパンジーを保護する際に、我々は金銭や物質的代償は一切渡していない。商売を助長し、猿たちを死に追いやることになるからだ。

さらに、13頭分のゾウの象牙や食肉、オカピの毛皮10枚、ヒョウの生皮9枚、2匹分のカバの食肉や毛皮、数百匹もの猿の死骸や孤児を目撃し、記録した。オカピの毛皮は椅子の背に、ゾウの耳は教会のドラムに使われる。これとは対照的に私がビリにいた1年半の間には、象牙やゾウの食肉はいくらか発見されたが、チンパンジーの食肉や孤児は1匹も見たことがなかったのである。ところが、2008年にはビリの森から大量の象牙が運搬され、チンパンジーの孤児の報告がいたるところで聞かれるようになった。この大量殺戮は明らかに金鉱採掘とともに拡大している。

狩猟の道具は毒矢
ブタとアケティ付近の森林では、15年前まではチンパンジーは人間と仲良く並存していたと思われるが、今では犬の大群を連れた密猟者に執拗に追いつめられている。猿の狩猟には猟銃が使われることもあるが、毒矢を弓で射る方法が多い。これは、この旧来の武器が音を立てず、気づかれないうちにチンパンジーの群れ全部を殺すこともできるからである。おそろしい、高さ2.5メートルもある「爆弾わな」(訳注3)は針金製で、コシキダイカーからオカピなどどんな動物でも捕獲できるように作られており、チンパンジーにとっても非常に危険なものだ。

Azande(アザンデ)の女性もBabenza(バベンザ)の女性も慣例としてチンパンジーの食肉は絶対食べなかった。Barsi(バリシ)の人々もチンパンジーは人間と同族であると信じているため食べることはなかった。こういうタブーもブッシュミートビジネスの来襲により急速にゆらぎつつある。

現地の情報によると、チンパンジーや他の野生動物の殺戮が最近増加している原因として、鉱山採掘ビジネスの拡大(多くの移入者の流入)、内戦後の社会的荒廃と仕事不足、世界市場におけるコーヒーや穀物価格の下落、キリスト教の一派、ブラナミズム(私の調査では、アメリカ人「予言者」ウィリアム・ブラナム(訳注4)の信仰者たちは『神の生き物』は何でもすすんで食べるのだという)などをあげている。

母親を殺され、生き残った子どものチンパンジーたちには、さらなる悲しい運命が待っている。病気や栄養失調で死んでしまうか、使い捨てペットとして飼われ、大きく強くなりすぎると食肉用に殺されてしまうかのどちらかなのだ。Kisangani(キサンガニ)やBumba(ブンバ)までバイクで連れていかれ、コンゴ川を下り、Kinshasa(キンシャサ)で売りに出される。小作農民や政府官僚、カソリック司教、貿易業者や豊かなビジネスマンなど、いろいろな人がペットとして買っていく。

もう時間はない、手遅れにならぬうちに
孤児のチンパンジーは、短いロープにつながれ、地面に座らせられ、噛みつかぬようにと前歯をへし折られていることもあり、たいてい悲惨な状態にある。かかとや腕にひどいけがをした傷だらけの孤児のチンパンジーを見つけたことがある。その狩猟者によると、仲間が木の上の母猿を撃ち、近寄ってとどめを刺そうとして斧が抱いていた赤ん坊の腕にあたり、母猿は赤ん坊のかかとに歯を押しつけたまま死んでいったという。

人間とチンパンジー間の病気の感染にはこれほど適したものはない(数十年前の西アフリカにおけるAIDSのように)。コンゴの地方政府はこの危険性やチンパンジーの売買について全く無頓着である。チンパンジーの食肉は公然と市場で売られており、孤児チンパンジーの所有者が、チンパンジーの所有や売買を許可する正式書類を私たちに見せたことが2度あった。

ブッシュミートビジネス危機は、明らかにブタ/ビリ地区を襲い始めたばかりである。そうでなければ、町の周辺近くにこれほど大量のチンパンジーやオカピ、大型哺乳動物が見られるはずがない。しかし、もう1つ明らかなことは、孤児チンパンジーの数から考えてチンパンジーの生息数が危機状況になるまで(西アフリカで最近起こったように)、あまり時間がないということである。

これはカバ、オカピ、ゾウ、ライオンやコンゴ北部のすべての動物相に共通している。問題はまだ残っている:手遅れになる前に世界は対応できるのだろうか。

Cleve Hicks氏は、IBEDのあるアムステル大学にて、Biliのサルの分布と生態をテーマに研究を行っている。Central Washington Universityの実験心理学修士。

同氏の新しいEbooks“Trading Chimpanzees for Baubles”は下記より
www.wasmoethwildlife.org

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3700963,00.html

訳注1:逐語訳では、artisanal mining industryは「職人技小規模採掘」(ASM)であるが、クリーブ・ヒックス氏のAketi Field Season 2007-2008より、金鉱、ダイヤモンド鉱と意訳した。
訳注2:4月は30日までしかないため、ミスタイプと思われる。
訳注3:高さ2.5メートルもある、針金製の罠につかまると、動物は一本足で吊り上げられ、密猟者がくるのを待たなければならない。Aketi Field Season 2007-2008より。
訳注4:ミススペリング。正しくは、"Branhamism" "William Branham"

 

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