サメのひれ保護を歓迎
BBCニュース 2009年4月26日 イギリス
(翻訳協力:森川敦子 校正協力:津田和泉)
生きたサメのひれを切り取る慣習を新たに規制するという計画が、野生生物保護活動家らに歓迎されている。
EU諸国は、中国にサメのひれを供給する主要輸出国であり、中国ではそれをフカヒレスープの食材として利用してきた。
木曜日に行われたブリュッセルの会議で、サメを殺す結果となる『フィニング』―生きたサメからひれだけを取り、価値の低い魚体を海に捨てる―に対しての行動計画が立案された。
リチャード・ロックヘッド(Richard Lochhead)漁業相は、スコットランド海域における計画はかなり推し進んでおり、例外的な状況下でしか捕獲許可が下りないようにすると話した。
環境保護団体らは、現在の『フィニング』に対する法律をもっと厳しくするようにとの要求を出した。
「サメの種によって、その個体数が絶滅の危機に瀕しているものがあります。そのために我々スコットランドでは、いっそう厳しい制限を提案することで、強い警告となるよう努めているのです」ロックヘッド氏は言う。
サメのひれを取るための特別捕獲許可は、2004年にスコットランドで初めて出された。
スコットランドに拠点を置く船で、許可を申請するのは、エアーとウラプールで管理されている英国スペイン漁船だけだ。
新しい規定が認可されれば、許可証付与は禁止されることになるだろう。
「私たちはヨーロッパで最も重要な漁業民族のひとつです。私たちの海を維持し、その資源や海洋生態系などを管理するのは非常に重要なことだと考えています」ロックヘッド氏は言う。
「ヨーロッパ全域で、サメの『フィニング』に対する現在の規制を見直す動きが高まっているのは嬉しいことです。極めて無駄であり有害な慣習だと思います。」
「スコットランド人として、何かが起きるのを傍観して待つつもりはありません。確固とした実行可能な処置を作り出す決心でいます。保護活動の第一線において、この我々が残りのヨーロッパ諸国を先導しているのだということを証明するつもりです」
シャーク・トラスト(Shark Trust)の保護活動責任者であるアリ・フッド氏(Ali Hood)は言う。「サメのひれの取引のせいで、維持出来ないほどの大量死と容認しがたいむだが起こるのです。これらの提案が今後承認されれば、捕獲許可の申請がゼロ近くまで減る可能性もあります」
「ロックヘッド氏は、サメの厳しい管理対策が早急に必要であることを認識しています。スコットランドは、残りの英国も含めたヨーロッパ諸国に対する素晴らしい手本です。」
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/8018284.stm
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