大型ネコ及び稀少イヌ法・ツル保護法、米国下院を通過
Jeremy Hance(モンガベイ・コム) 2009年4月22日
(翻訳協力:日原直子 校正協力:津田和泉)
アメリカ合衆国の下院は、今日第39回地球の日に、世界で最も難問を抱えた野生生物のうち幾つかを援助することになる2つの法案、大型ネコ及び稀少イヌ法(下院法案411)とツル保護法(下院法案388)を通過させた。
118票(の反対票)に対し290票の投票により可決された、大型ネコ及び稀少イヌ法は、12種類の野生ネコ及びイヌを世界的に保護しているが、ヒョウ、チーター、ユキヒョウ、リカオンが(そこに)含まれている。既存の多国籍種保護基金に基づいて築かれた本法案は、密猟や密輸を減らすことをめざしており、重大な生息地を保護し、さらに故国において人をひきつけるこれらの種に関連のある教育を支援している。もし立法化されれば、本法案は3つくらいから1つの私的な保護組織に追加的に資金を提供することになる。大型ネコ及び稀少イヌ法は、ワシントン州出身の議員、Jay Inslee氏により提案された。
チーターは絶滅が危惧されているネコ科の生物であるが、大型ネコ及び稀少イヌ法により恩恵を受けることになるであろう。写真はRhett A. Butler氏により提供された。「大型ネコ及び稀少イヌ法は、米国議会において上・下両院の幅広い支持を享受してきました。」と世界自然保護基金(WWF)の米国政府担当副会長であるBill Eichbaum氏は述べた。「本法案は、今日、昨年と同様に圧倒的な支持を得て下院を通過しました。我々は今度は、上院が法律を取り上げて米国大統領に送り、法律に署名してもらうことを期待しています。」
ツル保護法もまた、166票(の反対票)に対し288票を得票して簡単に通過した。本法律は、合衆国及び世界中の両方においてツルの保護を支持している。ツルは、15種類のうち11種類が絶滅危惧種と分類されており、世界で最も絶滅の危惧にさらされた鳥類であると考えられている。本法律は、ウィスコンシン州の女性議員、Tammy Baldwin女史により作られた。
「私たちは、Jay Inslee議員とTammy Baldwin議員の指導力及び献身ぶりに感謝しています。そして、こうした努力に対して引き続き支持するために、2人が長期間にわたり国際保護政策決定委員会の共同議長に本腰を入れて取り組んでいるのだと認識しています。」とJohn Calvelli野生生物保護協会の政治問題執行副会長は述べた。
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