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2009年5月15日 (金)

手付かずのアフリカの公園が直面する開発問題

 ニューヨーク・タイムズ  Lydia Polgreen記

 2009年2月22日 ガボン イビンド国立公園

(翻訳協力:荒木和子、編集協力:松崎由美子)

果てしなく続くかにみえるイビンド国立公園の森林を遮るものは、広い帯のように流れる幾筋かの川だけである。地球上にところどころ残された、最も手付かずの熱帯雨林の一つであるこの森林の奥深くには、世界でもとりわけ希少な動物が何種類も跳ね回っているのだが、これは、ガボンが最も汚れた化石燃料といわれる原油に依存してきたことの、直接的だが偶然の結果なのである。

長年にわたってガボンの人々は、石油のおかげでサハラ以南のアフリカ内で最も高い一人当たりの国民所得を享受することができ、その結果、これらの広大な緑の広がりは、ほとんど開発されることなく残されてきた。

しかし、近年石油の枯渇が始まり、ガボンにとって新しい収入源が早急に必要となり、青々と茂ったエデンの園のような風景の将来には、影が差し始めている。

最後の氷河期と同時代の森林では、ガボン国大統領の援助を受けた鉄鉱石採掘のベンチャー企業が、鉱山や鉄道に電力を供給するためにイビンド川にダムを建設しようとしていることで、コンゴウ滝として知られる巨大な滝が破壊の脅威にさらされている。

滝を守るための運動が生まれ、ガボンの多くの市民活動家や環境保全活動家たちにとってそれは国の自然遺産を守るための大きな闘いとなった。世界で第2の広さを誇る熱帯雨林を擁するコンゴ盆地に位置する全ての国の中で、ガボンには、制約されていないそのままの姿のジャングルが最も広く残されている。

「問題は、単にこの滝をそのままに美しく、ということではないのです。これは、政府がガボン国民に対する公約を果たすかどうかということなのです」と、当地の環境保全活動家Marc Ona Essangui氏は語った。

近隣諸国では貧困にあえぐ多くの人々が、作物を植え炭を作るために森林を破壊し焼き払っている。彼らは食料にする目的でジャングルに住むゴリラ、ゾウ、チンパンジー、カバなどの大虐殺を行ってきた。一方、ガボンの人々は都市に集中して、比較的恵まれた生活をしてきた。

1967年以来、術策に長けたOmar Bongo大統領の統治下にあるガボンは、クーデターや市民戦争とは無縁であり、戦争で疲弊した不安定な国々に囲まれた国家にしてはまれな成果を収めている。石油を資源としたこの国の経済は、中央アフリカの国というよりもアラブ首長国に近いものであった。長年にわたってガボンは、真偽の程は別として、国民一人当たりのシャンパンの消費量が世界一だと言われていた。

当地の外交筋やアナリストによると、アフリカで最大の富豪の一人であるBongo氏は、金で平和を買い、肥大化した官僚組織を利用して『どの鍋にも鶏一羽』を、ほぼ達成してきた。また、惜しみない賄賂や投獄の脅しによって政敵の口を封じてきた。

自称自然愛好家のBongo氏はまた、2002年にガボンの国土の10%を国立公園として保存し、今後そこでの伐採、採掘、狩猟や農耕は認めないと約束した。しかし、その公約は今、経済的な現実に直面している。この国は金を捻出するための新しい方策が必要になってきたのだ。

地元のピグミー族やバンツー族は何世紀にもわたってコンゴウ滝を崇拝してきたが、その理由は地形を見れば明らかだ。この滝は、滝口から流れ出る急流が6つに分かれて、切り立った崖を怒涛のように泡立つ滝つぼへと流れ落ちる。水はさらにイビンド川の2つの支流となって下り、太陽と月という名で知られる1対の滝をごうごうと流れ落ちる。

ここはかつて手付かずの森林であったが、昨年中国人の一行が鉱業省発行の就業許可証を

携えて現れた。中国の合弁企業が、鉱石を南に運ぶための鉄道や鉱山に電力を供給する巨大なダムの建設を計画していたのだ。

野生動物保護協会で働く自然保護運動家の西原智昭氏はこのことを憂慮していた。イビンド国立公園とその北側にある別のミンケベ国立公園の境界線は鉱山が含まれないように引かれており、その鉱山はガボンが石油で潤っていたため、使われることなく放置されてきた。

西原氏はダムについて「他にも建設に適した場所があるはずなのですが、このプロジェクトはトップレベルで承認されていると聞きました」と語った。

西原氏はこのような例を以前経験したことがある。2006年、浜辺をゾウが歩き回る緑豊かな保護区ロアンゴ国立公園に、中国の国有石油会社シノペックが現れた。政府発行の公文書を楯に、公園で耐震実験を始め、石油の埋蔵量を調査するために大音響の爆破を行った。 そのうえ作業員に支給する食料がわずかだったために、現地の公園関係者によると、彼らは希少動物を狩猟していたという。

西原氏は、環境規制を強化するよう政府を説得し、公園が本当に保護されているかどうかを確かめるために中国人の作業員達と何ヶ月も暮らしを共にすることさえした。結局一行は掘る価値のあるものは何も見つけられずに荷物をまとめて去って行き、被害は最小限で済んだ。

しかし、今回は政府の環境規制当局者はお手上げだと諦めてしまい、自分達にできることは何も無いと西原氏に話したということだ。フランスのエンジニアによって1960年代に出された結論では、公園の外側の急流にダムを作れば、環境への被害をより少なく、より安価に同量の電力を供給できるということであったのだが、と西原氏は言う。

中国の作業員がジャングルに切り開いた道路は、幅の広い赤い傷となって残り、かつては密猟者が足を踏み入れることのできなかった森林への扉を開くこととなった。地元の担当者によると、Bongo氏がダム建設の第一石を置くために降り立つヘリコプターの着陸場として広い空き地が切り開かれた。

ダム建設は今のところ保留状態となっているようだ。作業員は現地の担当者に、ガボン政府と契約条件についてさらに交渉する必要があるからと告げ、引き上げてしまっている。その間に鉄の価格が下落し、財政危機によって鉱山業の見通しは疑問視されるようになった。しかし政府は、このプロジェクトを進めるために必要なことは何でもすると語った。

「何があっても、誰が何を言ってもこの鉱山計画は進める」とBongo氏は昨年宣言した。

ガボン政府は、長いことエコツーリズムを頼みにしてきたが、遠方であることや費用がかかること、また、観光整備が遅れていることなどから、ガボンにやって来る観光客は限られていた。

「彼らは、一夜にしてアフリカのコスタリカになれると考えていたのです。でも、そんなにうまくいくものではありません。何年もかかるものなのです」と、野生動物保護協会のガボンプログラムの責任者Joe Walston氏は語った。

また、ガボン国立公園庁の幹部Franck Ndjimbi氏が語ったところによると、政府の環境保護の公約は依然として揺ぎ無いものであるという。「我々には、ガボンが環境保全のモデルケースとなり、エコツーリズムの目的地として世界中に知られるようになって欲しいという大望があります。これは、長期にわたる公約なのです」と語った。

 一方、ロアンゴ国立一方、ロアンゴ国立公園のビジターセンターを管理しているYvan Essongué氏は、政府は鉱山を探すのではなく、公園を守るためにさらに多く支出しなければならないと語った。パークレンジャーと共に働く同氏は、「密猟者は四六時中見かけますが、追跡しようにもボートがなかったのです。この広大な公園にレンジャーはたったの15人です。油断したら、この国の素晴らしい財産はすぐに失われてしまいます」と語った。

http://www.nytimes.com/2009/02/22/world/africa/22gabon.html?scp=1&sq=Pristine%20African%20Park%20Faces%20Development%20&st=cse

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