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2009年5月15日 (金)

シャトゥーシュ禁止令、カシミール織工に打撃

 The National 海外通信員 Yusuf Jameel

 2009215

(翻訳協力:宮内隆文、編集協力:吉岡由紀)

インド・シュリーナガル // インドの中央捜査局および新しく設置された野生生物犯罪管理局は今月、ニュー・デリーの国際空港で数百万ドルに相当する不法なシャトゥーシュの肩掛けを押収した。職員によると、チルーの名でも知られる絶滅危機に瀕するチベットレイヨウの毛から織られた衣料品の積荷はカタールやオマーンへと配送される予定であった。

カシミールの中心地や、インド・ラジャスタン州内のジャイプルで行われていた取引が相次いで告発された。

その軽さと柔らかさ、そして暖かさで知られるシャトゥーシュの取引は、絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species: ワシントン条約)によって禁止されている。インドは1976年にその禁止令を是認し、シュリーナガル政府は野生動物活動家や環境保護論者からの圧力の高まりを受けて、2002年に同じくそれを支持した。

この空港での押収は、カシミール野生生物当局が地元住民の所持品であるシャトゥーシュの肩掛けや製品953品に、1グラムに満たない重さのマイクロチップのタグを付けたのに続いて起こった。これは、カシミール市民が所有する全てのシャトゥーシュ製品について登録を行わなければならないというインド最高裁判所(Indian Supreme Court)の命令を受けたものだ。このマイクロチップには登録番号と寸法、製品所持者の写真が組み込まれている。

「所有者はその製品を使うことは可能ですが、売ることはできず、また証明書の譲渡を行うこともできないのです。」シャトゥーシュの目録を掌る職員A・Naqash氏はそう語り、デジタル式タグには書き替え防止の機能が付いている点をつけ加えた。

ニュー・デリーの職員によると、シャトゥーシュの肩掛けは、長い間富裕層に好まれる織物を生産してきたカシミールのクローゼットからだけでなく、隣接したパンジャブやデリー、ジャイプル、ハリヤーナー、ムンバイ、コルカタ、中東、ヨーロッパなど各地でも発見されるという。空港で押収されることがその裏付けだと,彼らは主張する。

「肩掛けが違法な所持品とされる可能性が出てからかなり長い間、多くの人はそれに気付いていなかった、もしくは気にしていなかったのです。」インド野生生物トラスト(Wildlife Trust of India) 長官のAniruddhaMookerjee氏は言う。彼によると、カシミールでしか織られていないシャトゥーシュの世界的な取引が続いているため、政府は禁止令を真面目に実行してはいないのだ。

「助けてください。お願いです。」ニュー・デリーとインドその他の都市にあるいくつかの高級ブティックを飾るポスターの中でチルーが嘆願している。そのポスターは1つのシャトゥーシュ肩掛けを生産するために5頭のチルーが殺されると主張する。

しかしシャトゥーシュの禁止令には、インド政府にとって問題を複雑化させているもう1つの側面がある。それは肩掛けに刺繍を施す職人や、貿易で繁盛している人々の生活への脅威だ。

カシミールの職人と手工芸品の貿易商は、シャトゥーシュの肩掛け1つのために5頭のチルーを殺しているとの告発を軽く笑い飛ばす。上質の毛は、刈り込みによって,または動物の体が触れた茂みから採集されていると彼らは主張する。夏の到来に伴ってチルーが冬毛を落とす時に、茂みや低木に残された下毛を集めるのが伝統的な方法だ。

「金の卵を産むガチョウを誰が殺すのでしょうか。」カシミール手工芸取引商福祉協会(Kashmir Handicrafts Trader’s Welfare Association) の代表HashmatullahKhan氏は言った。「この取引に生活がかかっている私たちはそんな愚かなことはできませんよ。」

カシミール商工会議所(Kashmir Chamber of Commerce and Industry) 所長MubeenShah氏は、カシミールでは3万以上の家庭が約38.4億円(2009327日:1インドルピー1.921)のシャトゥーシュ取引に頼っていると言う。「禁止令は織工、貿易商やその家族に苦難をもたらしています。多くの職人の家族は飢餓に直面しているのです。」と彼は言う。

最近、彼はインドの首相ManmohanSingh氏と会談し、それらの事例について訴えた。

「私はインド政府が、生計のかかったカシミールのムスリム達の問題であることが恐らく原因で、この問題に対して適切な対応をしてないことを伝えました。」Shah氏は語る。「(Singh首相は)当然それを否定しましたが、実際のところニュー・デリーは『絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律』に認められている留保の余地を残すことなく貿易の禁止令に合意しているのです。それに、カシミールのシャトゥーシュ産業部門とは協議がされていません。」

彼は、商工会議所の代表団も、援助を約束しているカシミールの産業大臣SurjeetSinghSalathia氏との間に最近問題をもたらしていると言う。

「これは私たちにとって深刻な懸念をもたらす問題だと伝えました。一刻も早く解決策を見つけてもらわなければならない。」Shah氏は話す。「ほとんど毎日のように、打撃を受けた人々、特に貧しい女性職人が苦難を訴えるために私たちの事務所に来ています。」

カシミールの貿易商と職人は、チルーの商業的牧畜がこの問題を乗り越える助けとなると提案した。「政府は他の選択肢を探すべきです。牧畜下での繁殖は最近まで試みられたことはありません。」Shah氏は言った。

一方、保護論者や動物愛護運動家によって、カシミールのシャトゥーシュの織工が代替のファッションブランド立ち上げを組織するよう薦める大規模な運動が展開された。そのブランドとして、絶滅危惧種でない家畜化されたヒマラヤヤギから採れた毛を使った、伝統的なカシミール手工芸のパシュミナであるパシュマがある。

「代替になり得るものを与えられなければ、たとえどれだけ強力な対策を持ってしても、シャトゥーシュの商取引を防止するのは不可能です。」野生動物トラスト(Wildlife Trust) Mookerjee氏は話した。「私たちはその役割として、シャトゥーシュに劣らぬ製品パシュマを生み出し、それを国際市場で販売すべく、インド野生生物トラスト(Wildlife Trust of India)並びに国際動物福祉基金(International Fund for Animal Welfare)からの援助を受け、シュリーナガルを拠点とする職人団体、カシミール手工芸パシュミナ促進トラスト(Kashmir Handmade Pashmina Promotion Trust) を立ち上げました。しかし、残念ながらカシミール政府はそれを奨励してはいないのです。」

http://www.thenational.ae/news/world/south-asia/shahtoosh-ban-hits-kashmir-weavers

 

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