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2009年5月15日 (金)

ボルネオ島でピグミー象と農園主が土地をめぐって競り合う

 ロイター AlertNet Niluksi Koswanag記

 2009年2月23日

(翻訳協力:五十嵐麗子、編集協力:石塚信子)

マレーシア、スカウ村、2月23日(ロイター Life!)

 大好物のヤシの実を取り上げられて、ピグミー象たちは、怒り狂って甲高く鳴き散らす。野生生物保護局職員は、この希少動物であるピグミー象と、マレーシアの基幹産業であるパーム油産業の対立を明らかにせざるを得なくなった。

 自然保護団体である世界自然保護基金(WWF)によると、絶滅危惧種であるピグミー象の群れの中には、ヤシの実を食して生き延びているものもあると言う。しかし、このアブラヤシのプランテーションこそ、ピグミー象のボルネオ島の生息地を侵略しているのである。

 このことが、人口2,700万人の東南アジア国、マレーシアの経済の中枢であるパーム油産業にさらなる難問を突きつけ、象たちの人間に対する攻撃性も高めている。

「象たちは、ヤシの実農園から追い出されて怒っているのです。もっとヤシの実を食べたいのです」と、すでに11年ほど、ピグリー象を追跡調査している、サバ州野生生物局職員、Hussein Muin氏は語る。

「この群れは、現在、この辺りで最大の集団の1つで、30頭から40頭ほどいます」 Hussein氏は、キナバタンガン川の氾濫原にいる群れについて述べ、ここでは、過去6年間に、頭数が50パーセント増加し、230頭になっていると見積もっている。

 キナバタンガン川はサバ州北東部最大の川で、氾濫原に流れ込んでいる。氾濫原(定期的に冠水する下流域の自然環境)の広さは、4,000平方キロメートル(約1,544平方マイル)におよび、ニューヨーク市の約7倍にもなる。

 WWF(世界自然保護基金)では、サバ州に1,500頭のピグミー象が生息していると予測している。ピグミー象は、かつて、スルーのスルタンが私設動物園で飼っていた象の子孫たちと思われていたが、現在では、より大きいアジア象の亜種と考えられている。

 ピグミー象の雄は、体高(地面から肩の上までの高さ)が2.5メートル(8.2フィート)ほどになり、アジア象より50センチほど低い。愛くるしい顔をしていて、大きな耳が特徴だ。ずんぐりしていて、アジア象よりおとなしい。

 1日の移動距離は、1~2キロメートルほどで、約200キログラムの草、ヤシの実、バナナなどを食する。しかし、次第にピグミー象の生息地は、村や道路、農園などにより分断され、餌を求めて、その移動距離は3倍にもなったことを、WWFの衛星追跡調査は物語っている。

 ヤシの実は、食用油をはじめ、化粧品にまで使用されており、マレーシア最大の輸出品の1つとなっている。ピグミー象がそのヤシの実を食べるようになり、象と人間の軋轢が高まっている。

 マレーシアには430万ヘクタールのアブラヤシプランテーションがあり、13の州のうちサバ州だけでも、140万ヘクタールを擁している。2008年、パーム油産業の輸出額は176億4,000万ドル(約1兆7,311億円3月30日 1$=98.14円)に及んだ。

 パール油の価格は、最盛期から3分の2の下落となり、現在は1トン500ドルほどになっている。世界経済が不況に陥り、これ以上ヤシの実を失う余裕はないと農園主たちは語る。

「昨年、パーム油の価格は、あまりふるいませんでした。もし、さらに多くのピグミー象たちが農園付近にやってくれば、輸出用ヤシの実が減ることになります」とSumarni Munarji氏は言う。同氏は、スカウ村に6エーカー(24,282平方メートル)の農園を持ち、その付近では、ピグミー象たちが草を食んでいる。

激化する食料としてのヤシの実と農園主との対立

 パーム油を守るために、農園主たちは野生生物保護団体と協力し、低電圧電流の通った柵や火薬を装填した竹製の小型の大砲などを設置して、象たちに危害を与えることなく、脅して追い払っている。なるべく直接、対決するのを避けるためだ。

 WWF(世界自然保護基金)や環境保護グループに促され、大農園主2人が、森林を再生し、キナバタンガン川下流域に、象や他の野生生物用の自然道を作るために土地を割り当てた。

 しかし、ひとたびボートを漕いでみれば、まばらになった熱帯林の間には、大きな空き地が広がっているのがわかる。

「キナバタンガン川のアブラヤシプランテーションでは、人間とピグミー象との競り合いは、日常茶飯事です」とWWFの職員、Raymond Alfred氏は語る。

「われわれには、柵や大砲ではない長期的な解決策が必要です。象たちは、分断された生息地に住まざるを得なく、たびたび人間と問題を起こしています」と同氏。

 キナバタンガン川下流のある地域では、毒殺や射撃も未だに行われている。人間がヤシの実を守るために新しい対策を生み出しても、象たちもまた、学んで賢くなるのである。

「ピグミー象たちは、大変悪賢いのです。ほんの数日前も、この雄の象が、もう一頭の象を電気柵に押しつけて、柵を突破し破壊したのです。われわれも不屈の精神で向かっていかないと、自分たちの身を滅ぼしてしまいます」と農園の守衛をつとめるインドネシア人、Don-don氏は言う。

 失踪した経済の影響をもろに被るとなれば、農園主たちもプランテーションと収入を守りつづけなければならない。

 「ここでは、パーム油が最優先であり、決して象ではないのです」と地元の大手パーム油会社のプランテーション責任者(繊細な問題なので匿名とする)は言う。「われわれは、森林回復を行うことはできます。しかし、相変わらず、ピグミー象たちがやってきて、われわれの油の原料となるヤシの実を食べてしまうとしたら、誰がその損害を補償してくれるのでしょうか?」と同氏は述べた。

 

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