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2009年5月15日 (金)

鯨殺しは世界の漁業を救うだろうか?

 TIME

 Brian Walsh

 2009年2月17日

(翻訳協力:石原洋子、編集協力:是川洋子)

何か逆のことを聞いているかも知れないが、くじら肉は美味しいものではない。このことは私の次のような経験に基づいている。東京で記者をしていた時、私は以前に日本の捕鯨業界のロビイストたちが議員向けに開催したくじら肉のイベントに参加したが、そこにはくじら麺、くじらの刺身、くじらのフライ、くじらのカナッペなどが並べられていた。しかしその禁断の神秘性にもかかわらず、くじら肉は風味もすっかり乏しく、他に何も手に入らない場合でもなければ食べないような種のものである。(昨年の動物トップ記事を参照)http://www.time.com/time/specials/2008/top10/article/0,30583,1855948_1864552,00.html

そして正にこれが、戦後の貧困な時代に安価な蛋白源として、日本人の食事において重要な役割を占めた理由となるのである。ところが日本が豊かになるにつれ、くじら肉の人気は次第に下がっていった。それでも日本は(ノルウェーやアイスランドと共に)鯨の捕獲を継続し、その捕鯨高は2006‐2007年期には800頭を超し、22年間続いている国際的な商業捕鯨禁止の解除を強く要求している。捕鯨賛成派は、食料の安全確保のために捕鯨は必要だと主張するが、今日の平均的日本人の鯨肉消費量が年間30グラム余りに過ぎないため、その主張は勢いをなくしている。

それゆえ日本の捕鯨業界はここ数年で異なる防御策を試みている。激減している水産資源の危険な兆候を減らすために、鯨の間引きが必要だというのである。結局のところ、鯨は大量の魚を食べるため、捕鯨推進派が述べるように鯨の個体数を管理することは賢明な「生態系管理」であるということにも頷けるだろう。しかしScienceの2月13日号での新たな記事によれば、そのことは事例にほとんど当てはまらないということが明らかにされている。アリゾナ州立大学の保全生物学者そして本記事の主幹著者であるLeah Gerber氏は次のように話す。「我々の基本的見解は、鯨の個体数を減らしても商業漁業可能な水産資源量にはほとんど影響しないということです。」言いかえれば、鯨を殺しても枯渇した漁業を生き返らせることにはならないだろう。("Why the Stamford Chimp Attacked"参照)

http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1880229,00.html

 なぜなら海洋生態系と食物網は、私たちが考えるような捕食者-被食者という1対1の関係よりはるかに複雑だからである。Gerber氏の研究グループは、ヒゲ鯨が繁殖する西アフリカ沖やカリブ海の海水を分析し、鯨と魚の間にある摂食行動の相互関係を示すような生態系モデルを作り出すため海洋データを採掘した。(これらの海水をある程度選択した理由の一つに、日本がこのクジラ食害論を利用し、捕鯨禁止の解除に向けてカリブ海やアフリカ諸国の支持を得ようとしていることがあげられる。)

その生態系モデルにより、科学者たちはクジラの個体数が減少した場合に何が起こるのかを調べることができる。鯨の数は商用魚の個体数にはほとんど影響がないことが判明したが、その理由の一つとして、海洋生物種である鯨の餌はオキアミやプランクトンであり、人間の食卓にのぼることが全くありそうにないということがあげられる。「人間が好んで食べる魚介類は[鯨の餌]よりも食物網において高い位置にいます。」とGerber氏は述べる。現在の鯨の個体数は今もなお、エイハブ船長(訳注:1851年発表のメルヴィルの「白鯨」より)が鯨を追いかけて(失敗したが)いた時代のごく一部にすぎず、さらに商用魚の個体数が減少の一途にあることもまた紛れもない事実である。

国際捕鯨委員会が数ヶ月後に開催される予定だが、日本とその同盟国は商業捕鯨の解禁を再び要求する意向であり、それはScienceの分析を大いに損なうような訴えである。ただ一つ、日本の議論の中で否定しえない事実がある。世界の商業漁業は苦境にたたされており、悪化してきているということだ。2月12日に開催された米国科学振興協会(AAAS)の年次総会で報告された新しい研究によると、海洋生態学者のWilliam Cheung氏は、まぐろ、にしん、車えびなどの世界の商用魚や甲殻類に、気候の変化が致命的な影響を与えるだろうと発表した。魚類は海温の上昇を免れるために極地の方へ逃れ、多くの種が馴れ親しんだ生息環境から姿を消すのも同然である。多くはその変化に適応できず、気候の変化により大西洋タラの流通は2050年までに半減するだろうとCheung氏は予測した。「恐ろしいことに、これは将来たまたま起こりつつある問題ではありません。」Cheung氏はさらに言う。「今も同様のことが起きているのが分かっています。」

商業漁業の保護は、鯨の間引きで解決できるというような単純なものではなく、非常に複雑な問題である。しかし世界の漁業国が魚の過剰搾取を控えることなく絶滅寸前の海洋生息環境の保護を怠れば、ついに鯨以外何も食べる物が残っていないということになるかもしれない。そしてまじめな話、それには辟易するだろう。http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1880128,00.html

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