犯罪捜査部通信 : トラの殺害犯
Telegraph, コルカタ
2008年10月20日
(翻訳協力:豊永啓子、編集協力:中塚雪路)
犯罪捜査部の捜査官は10月20日、死骸となって川を漂流していたトラを殺害した容疑で、スンダーバンズの村民1名を逮捕した。トラには、2週間前に銃で撃たれた傷があった。
警察は、この村民が50代前半の密猟者、Paritosh Mondalであることを突き止めた。警察によると、トラの骨は「古く」なっており、コルカタから約270キロ離れたクミルマリ島にあるMondalの家で発見された。
トラの殺害に関係しているとして、より早い段階で他の3人が拘束されていた。Mondalは銃を撃った男2人のうちの1人だと言われていた。もう1人は、行方不明である。
トラを撃つのに簡易ライフルを使ったとされ、またリボルバーが、サロッドパラ村のMondalの家で見つかった。
スンダーバンズで密猟者が逮捕されたのは、今回が初めてである。「我々は、シカやトラ
の密猟を仕事にしている仲間を他に捜索中である」と、犯罪捜査部の特別監察官であるSanjay Mukherjee氏は語った。
尋問中にMondalは、仲間であるPanchanan Giriと共にJhilaの森でトラを殺害した方法を詳しく供述した。
10月6日、腐敗したトラの死骸がKhonakhali川で発見された。頭部には、2発弾丸の跡が残っていた。
「2丁のライフル銃を用意した2人組みが10月3日、木の上に登り、待つこと数時間。午後5時30分頃、例のトラへ狙いをつけた。MondalとGiri二人が引き金を引き、弾はトラへと命中した」とMukherjee監察官は話した。
だが、成熟した雄のトラは、その場では倒れなかった。3度転がって川の中へ落ちた。「俺たちは敢えて降りて行かなかった。翌朝、トラを捜したが見つからなかった。3日後の新聞でトラが死んだ事を知った」とMondalは自供した。
Mondalが警察に明かしたところでは、成熟したトラは、約530万円(1インド・ルピー=2.13円 2008年11月19日現在)にまで値が跳ね上がるという。
警察は今朝、同じ村にあるGiriの家に踏み込んだが、まんまと逃げられてしまった。 Mukherjee監察官の話では、10月15日からカニングやGosaba界隈で、私服警官のチームが見張っていた。
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