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2008年9月19日 (金)

地中海の象徴クロマグロを脅かす寿司ブーム

AFP通信 2008年7月28日 地中海

西洋を席巻し、今や経済発展の只中にある中国に広がりを見せている日本の生魚料理。その寿司と刺身人気が、地中海を最も象徴する常在魚のひとつクロマグロを絶滅の危険にさらしている。

ギリシャ、ローマ時代から、最大900キロという雄大さでたたえられてきたこの魚たち。そのあまりに多くがレストランの皿の上に載る結果となっている、と専門家たちは言う。

「日本の消費量は、地中海のクロマグロにとって脅威でした。ヨーロッパ人の寿司バー熱が、それに拍車をかけています。中国市場がこのまま伸びれば、マグロ資源は枯渇してしまうでしょう」と、スペイン人の専門家で、グリーンピースと世界自然保護基金(WWF)に論文を寄稿したことのあるRoberto Mielgo Bregazzi氏は話す。

米飯と共に生魚を食べる日本食のスタイルは、1990年代にヨーロッパとアメリカに広がり、またたく間に人気を博した。

次は中国だろう、とBregazzi氏は言う。氏によると、過去6年間に中国のマグロ消費量はかなり増加した。中国の消費量はほとんど公表されていないが、クロマグロ漁の管理責任を負う団体、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)も、その動向に注意を向けている。

とはいえ、クロマグロの主な消費国が日本であることに変わりはない。「地中海で捕獲されたクロマグロの約80~85%が日本へ輸出されています」と、この問題の世界的な専門家であるフランス国立海洋開発研究所(IFREMER)のJean-Marc Fromentin氏は、指摘する。

寿司によるマグロの消費は第二次世界大戦後に急増したが、その大部分を当時オーストラリア沖で大量に獲れたミナミマグロに頼っていた。

「ミナミマグロ資源は、乱獲により今や激減してしまったので、日本は、大西洋クロマグロに注目したのです。名前こそ大西洋クロマグロですが、主に地中海原産です」とFromentin氏。

マグロの価格は上がり始めた。ヨーロッパの漁業船団は近代化され、トルコや北アフリカでも新しく漁業船団が作られた。その結果、大幅な過剰捕獲が起こっている。

今日では、地中海で毎年50,000トン以上のクロマグロが捕獲されている。ICCATによると、クロマグロの枯渇を防ぐためには、年間漁獲量を当面15,000トンに制限する必要があるという。

「クロマグロ産業は、漁業自体の首を絞めつつあります」と、グリーンピースの海洋活動家Karli Thomas氏は言う。

今や、マグロが枯渇すれば、マグロ漁業は存続できず、地中海地域で何千人もの職が失われかねない危険な状態である。

<漁師を乱獲に駆り立てる大企業>

フランス、イタリア、リビア、マルタ、スペイン、チュニジア、トルコの漁師たちは、5月と6月に漁獲量を最大にするよう迫られる。漁師の多くは「巾着網」と呼ばれる網を用いる。重りを付けて海の底まで下ろしたこの網には輪とロープがついていて、漁師が引き綱を引くとクロマグロを網の中に捕獲することができる。

彼らが働いているのは超現代的なトロール船で、最大のものでは長さ60メートル、約8億円(1ユーロ=約160円 2008年8月19日現在、以下同)もする。

この時点で、クロマグロの価格は1キロ1280円~1600円である。

捕獲されたマグロは、蓄養場に買い取られる。蓄養場の多くは、キプロス、クロアチア、マルタ、シチリア、スペイン、チュニジアの海域にあり、その多くを三菱、マルハ、三井などの日本企業や、スペインのリカルド・フエンテス・エ・イホス社が所有している。

マグロは、沖合にあるこれらの蓄養場に造られた直径50メートル、深さ23メートルの巨大な円形の生簀に移される。時にマグロ牧場などといわれる蓄養場で、マグロは何トンものイワシやサバ、ニシンを腹いっぱいに詰め込む。

このようにして、日本の買い手の要望どおりにマグロを太らせる。血液循環を良くするためにフリーズドライのニンニクを与え、赤みを強くするためにエビを食べさせる蓄養場もある。

マルタにあるフィッシュ・アンド・フィッシュ・ファームの共同経営者のJoseph Caruana氏によると、クロマグロの体重を1キロ増やすには9~20キロの小魚が必要であるという。

太らせたマグロは、1キロ当たり約2100円で日本の買い手に売られる。彼らはそのマグロを東京で、はるか高値で販売する。質の良い200キロのマグロは320万円にもなる。

「漁師を乱獲に駆り立てているのは、大企業なのです」とBregazzi氏。

理論上は、ICCATの割当量を守るように、クロマグロの漁獲量は監視されているのだが、そこには非常に多くの不備がある。

今年、EUの行政機関である欧州委員会は、若干の規制を行った。数カ国に15日間の漁業停止命令さえ出したのだが、この決定は特にフランスとイタリアの漁業船団を激怒させた。

「でも、トルコのマグロ巾着網漁船は操業を続けているし、日本と韓国は相変わらず違法操業をやっているじゃないか」と、フランス人漁師Andre Fortassierさんは言う。

近年、マグロ漁と蓄養場は、リビア、チュニジア、アルジェリアなどを含む非EU加盟国にも広がっており、そこでは漁獲割当量による統制が緩みがちだ、と業界筋は言う。

世界自然保護基金のスペイン人海洋生物学者であるSergi Tudela氏に言わせれば、責任はICCATにある。

「米国、EU、日本などのICCATの主要加盟国が、この生態系のバランスを崩す持続不可能な状況を終わらせ、本格的な回復措置を講じる決定をすれば、他国はそれを承諾するはずです」と氏は言う。

さらに氏は、こう続けた。「鍵となる市場は、日本です。日本が、輸入は必ず、現実的に持続可能な生産量だけにするという前向きな姿勢を打ち出せば、他の加盟国もそれを実行することができるでしょう。可能性はそこにあります。政治的意思だけが欠けているのです。」

http://afp.google.com/article/ALeqM5inpp4FRpGIYRNxhEfIZlXa8v7jpA

(翻訳協力:大西美和子・編集協力:松崎由美子)

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