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2008年9月25日 (木)

コンゴの国立公園でゾウの大量殺りく、中国の象牙需要が原因か

ナショナルジオグラフィック ニュース  Zoe Alsop 記  2008年8月29日

(翻訳協力:桝井二郎・編集協力:松崎由美子)

コンゴ民主共和国にある問題の多いヴィルンガ国立公園では、今年に入ってから武装グループ、兵士、密猟者によって、ゾウの10%が殺された。これは中国での象牙需要の増大によるものだといわれている、と同公園の職員らは話す。

この発表を聞くと、アフリカ最古で最大のヴィルンガ国立公園からゾウが消滅するのではないかという懸念が生じる。この国立公園では昨年、ゴリラの殺戮事件が大きなニュースになったばかりだ。

無法地帯と化したヴィルンガ国立公園の中央地区を定期的にパトロールしているレンジャーたちが、ここ2週間だけで7頭のゾウの死体を見つけた。

2頭のゾウの死体から離れないルワンダ人民兵に出くわした事例もあったが、レンジャーたちは象牙が抜き取られる前になんとか男たちを追い払うことができた。

ヴィルンガ国立公園において、今年これまでに殺されたゾウの総数は24頭であることが判明している。

ヴィルンガ国立公園の広報担当者 Samantha Newport 氏は、「昨年殺されたのは10頭に達しなかったと思います。今年になってどんどんひどくなっていることは間違いありません。最悪の事態です」と言う。

中国人が原因か?
野生生物取引を監視する団体のTRAFFIC によると、世界で違法に取引されている象牙の主要供給国の一つがコンゴ民主共和国(DRC)である。

近年、紛争で引き裂かれたコンゴ民主共和国の東部に位置するヴィルンガ国立公園のゾウの小さな個体群が密猟者の標的にされており、密猟者はにぎわう国際闇市場で違法象牙を売りさばくことをもくろんでいる、と国立公園の職員らは言う。

ヴィルンガ国立公園のゾウの個体群は、推定200~300頭と少数であり、孤立している。ヴィルンガ国立公園の再生と運営を支援している、ロンドン動物学協会のプログラム・マネジャーNoelle Kumpel 氏は、このペースで殺りくが続けば個体群の維持は不可能だと言う。

TRAFFICの東部・南部アフリカ担当事務局長の Tom Milliken 氏は、2004年以来違法象牙が急増していると言う。専門家らはこの傾向を引き起こす原因は、中国で中産階級が増え、象牙の需要が新たに拡大していることと相まって、中央アフリカ全土に密輸品の国内市場が公然と、活況を呈して存在していることにあると考えている。

Milliken 氏は、「私たちは中央アフリカとコンゴ盆地からゾウを失いつつある」と言う。

同氏が行った研究によると、野放し状態のアフリカやアジアの象牙彫刻産業が扱う象牙の量は、毎年83トンにもなり、その大半が中央アフリカ産であると推定される。その量はゾウ約1万2000頭分に相当するという。

集中砲火を浴びる小さな個体群
ヴィルンガ国立公園は地球上で最も危険な紛争地帯の一つの中央に位置しており、完全武装した無給に近い民兵たちが、4つ以上の派閥に分かれてこの公園一帯の支配をめぐり争っている。

ヴィルンガ国立公園の Newport 氏は、「レンジャーたちは、いたるところで自分たちよりはるかに強力な武装集団に遭遇するわけですから、彼らが現場で任務を果たすことは信じられないくらい難しいことなのです。この10年間に120人ほどのレンジャーが任務遂行中に殺されました。ヴィルンガ国立公園がいまだに存続していることはアフリカの奇跡といえますが、それはレンジャーの活動の賜物なのです」と言う。

1960年代に実施された調査によると、この国立公園で2889頭のゾウが確認されていた。2006年までにその数は400頭に急減した。そのわずか2年後には、さらに半分に減ったと推定されている。

ヴィルンガ国立公園を守る者にとって、ゾウの頭数がこの国立公園そのものの存続を占うリトマス試験紙である。

Newport 氏は、「ゾウは環境の変化を測る指標種であり、ここでゾウが全頭殺されてしまうと、ヴィルンガ国立公園の自然保護活動にとって大きな汚点になる」と言う。

ロンドン動物学協会でヴィルンガ・プログラムを指揮する Noelle Kumpel 氏はこう話す。「ゾウがいなくなるとこの国立公園に甚大な影響が出ます。ゾウが樹木を倒すことでその後にサバンナが開け、ゾウは生態系を維持する技師の役割を果たしています。また、密林の中では、樹木は種子の散布をゾウに頼り、他の動物種はその樹木に頼るという具合なので、影響は連鎖していくのです」

民兵にとっての避難地
コンゴ民主共和国東部で500万人を超す死者を出し、数十万人が強制退去させられた内戦の10年を、ヴィルンガ国立公園の動物個体群は生き抜いた。

公園の広報担当 Newport 氏は、「民兵にとってこの国立公園は避難地であり、休息をとり、食事をし、眠り、訓練をするところなのです」と言う。

敵対する派閥の民兵の多くが裏では密猟を行い、野生生物の肉で日々をつなぎ、少なくとも英BBCが取材した1事例では、象牙を弾薬と交換取引した。

闇市場と賛否両論の合法取引
違法な象牙の取引が増えている、と複数の自然保護団体が言う。

象牙監視団体であるゾウ取引情報システム(ETIS)の報告によると、2006年に押収された違法な象牙の量は、2年前に発見されたものの2倍を超える。

また、ワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約、CITES)常設委員会は先月(7月)、中国が一回限りの象牙購入のための条件を満たすことを認定し、中国にボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエの南部アフリカ4カ国の在庫象牙108トンについて入札許可を与えた。日本も当該諸国の政府保有象牙の購入が認められている。

自然保護論者の中には、象牙の合法売却は、現行CITES の規則で義務付けられているように、その売上代金が自然保護に使われるとしても、象牙購入にまつわるタブーを破ることになり、ひいては需要を喚起すると異論を唱える向きもある。

象牙の合法売却は、ヴィルンガ国立公園の現場においては、密猟者にとって盗品の処分先がますます見つけやすくなることを意味しかねない。

Newport 氏は、「現地の密猟者や武装兵士は、中国が象牙を求めていて買うことが許されたのだから、いい状況だという認識を持っていますよ」と言う。

一方、TRAFFIC のMilliken 氏は、「象牙市場はすでにあるわけですから、新しく作る必要などないのです。合法的な象牙取引への参加を中国に認めることにより、闇市場製品の必要性は衰えていくでしょう」と言う。

そうはいっても、地方レベルで象牙取引が始まり、そこでは起訴されることもほとんどないという状況では、象牙を海外に持ち出そうとする外国人たちが悪用するのはたやすいことだ。

Milliken 氏は、「首都キンシャサにある警察本部から歩いていける範囲で、何の障害もなく象牙を売り買いできるとしたら、コンゴ民主共和国はもっとしっかりやる必要があります」と言う。

http://news.nationalgeographic.com/news/2008/08/080829-africa-elephants.html

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