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2008年7月 2日 (水)

野生生物密売人のための「安全な抜け路」

BBC Nepali Service  Navin Singh Khadka記 2008年5月21日

長年にわたってネパールは、自然保護活動家にとっての模範例であったが、今、この国に対して、彼らの懸念が高まっている。

ネパールは自然保護に成功した国として国際的に名高い。しかし現在、違法な野生生物商品、特にインドと中国間を運ばれる違法商品のための国際的な中継地となっている。

このアジアの2大国にはさまれたネパールは、国土の20パーセントちかくを国立公園や保護区にして、絶滅危惧種の動植物を保護してきた。

しかし自然保護活動家や当局によると、そのような保護地域の外側では、幹線道路や山道が野生生物の密売人たちの輸送ルートとして使われるようになっているという。

密売に関与した者たちの話から、そういった野生生物商品は頻繁にバンコクや香港、中国へと輸送されていることが分かってきたと、Dhan Bahadur Thapa氏は言う。

多数の密売人や密猟者を逮捕するため当局に協力してきた野生生物保護団体Wildlife Conservation NepalのPrasanna Yonjan氏は次のように話している。「近年に押収した野生生物の商品量から、ネパールがまさに中継点であることが確かに分かります。ネパールが国際市場、特にアジア諸国にとってのパイプ役となっていることがわかっています。この国で押収される商品のほとんどはネパール製ではなく南の方、特にインドやバングラディシュからきたものです。ひょっとするとブータンからもきているかもしれません。」

首都カトマンズにある犯罪課のトップである警察本部長のDevendra Subedi氏によると、違法な野生生物の密売は組織犯罪の一部となっているという。

「この犯罪は複数の層から成っており、関与している者たちは麻薬の密売といった別の犯罪にも手を染めていることが見受けられます。」

この国の森林省大臣であるMatrika Prasad Yadav氏でさえこの状況をよく把握しているほどだ。毛沢東主義反政府勢力(マオイスト)の前指導者であった氏は、政府系機関もいくつか密売ネットワークに関わっているとすら述べ始めている。

彼はBBCの番組、ワン・プラネットのインタビューで次のように語った。「ひとつ例をあげると、インドから密輸入されて中国へ密輸出される紫檀があります。私が引き継ぐ以前の森林省でさえも、紫檀を『一般木材』などと呼んでそのような密輸を黙認していたという証拠書類を私は持っています。後に森林省と財務省、内務省が幹線道路に検問所を設置した際、うちの省の職員はその他ふたつの省の者からあれこれ言われ、脅されました。何トンもの紫檀がどんどん密輸出入できているとなると、ではそれよりもっと小さい物だったらどうなるか、想像するのは簡単ですね」

しかし毛沢東主義反政府勢力の元一員として、大臣が他の政党に関し強気な発言をしてきた経歴があることを指摘する声もあがっている。

押収された商品
サイの角やゾウの牙、トラやヒョウの毛皮や骨といった、より小さいサイズの物品がネパール各地で当局によって押収されており、実際に密輸出入がおこなわれていることがうかがえる。

ネパール南部、トラやサイなどの絶滅危惧種を保護しているチトワン国立公園のすぐ外側に、そのような押収された物品の政府保管施設がある。

何百頭ものトラやヒョウの毛皮に骨、鉤つめ、60対ちかくのゾウの牙、100本以上のサイの角に、絶滅危惧種であるチベット・アンテロープ(チルー)からつくった毛織物のシャトゥーシュ50袋。これらがその施設に保管されている。

この保管施設の責任者Dhan Bahadur Thapa氏によると、このような商品が毎月少なくとも3つはネパール各地で押収されているという。

「このような商品は海外の密輸人の手を借りて、頻繁にバンコクや香港、中国へと輸送されていると、密売に関わっている者から聞きました」と彼は言う。

ほとんどの場合、違法な野生生物商品は偶然に押収されている。密売人に対する特定の取り締まりは実施されていないのである。

2005年、カトマンズの北に位置するランタンで、そういった例があった。まさに偶然に軍のパトロールチームが、240頭ほどのヒョウやトラの毛皮がチベットへと輸送されている現場に出くわしたのだ。

国の野生生物保護局の職員であるBhim KC氏がこの事件を調査したところ、関与していた5人のうち4人がネパール人で、残るひとりはチベット人であったことが発覚した。

「そのチベット人が言うには、自分はそれらの違法商品を別のもう一人のチベット人に運ぶだけの単なる運搬人であり、そのもう一人のチベット人がチベットとネパールにおいて影響力のあるビジネスマンだということです」とその政府職員は説明した。

インドに隣接するネパール西方の町ネパールガンジは、海外からの密輸人の温床のひとつとして、自然保護活動家のブラックリストに載せられている。

1,800キロメートル以上もあるネパール・インド間の国境は開け放たれており、ネパール人とインド人が国境を越えるのにパスポートは不要だ。

定期的なパトロール
ネパールガンジの警察署は過去5年間に、トラやヒョウの毛皮や骨の密売の罪で5人を逮捕した。

「この5人は、私たちが定期的にパトロールしている地域で逮捕されました」警察副本部長であるRam Govinda Pariyar氏は言う。

「しかし困ったことに、ネパールとインド間の国境は開け放たれており、密輸人はどこからでも入ってこられるのです」

野生生物保護局の職員は、密売人は実際不当にも、開かれた国境をうまく使っているのだと警告している。

「私たちは情報提供者の協力を得て、ネパールガンジが違法な野生生物取引の中心地となっていること、そしてここでもまたインドのラジャスタン州やウッタルプラデシ州からのトラの骨が見つかっていることを何度も確認しています」国境近くに位置するバルディヤ国立公園の副管理人であるRamesh Thapa氏は言う。

自然保護活動家は、インドのラジャスタン州サリスカ国立公園のトラは密猟のせいで全滅したと語っている。また近年の調査から、インドに生息するトラの全個体数は数年前の約3,000頭から現在約1,500頭にまで減少していることが明らかになっている。

イギリスの環境調査機関とインド野生生物保護協会の共同報告で、トラの毛皮全てとヒョウの毛皮のほとんどが、インドからネパールを経由してチベットや中国の他の省に入ってくることがわかった。

2004年から2006年の間に行われた調査報告によると、チベットや臨夏市、甘粛省の取引業者のほとんどが、インドやネパールでの流通ルートを持っていると言っている。

自然保護活動家や野生生物保護団体の職員の話では、インドから入ってくる違法な野生生物商品は、いったん、ドルポやムグなどのトランスヒマラヤ地域に輸送された後に、山道を通ってチベットに密輸されていたという。

しかし今日では、密輸人が使う通常ルートは幹線道路となり、その終点はカトマンズである。そこから商品はチベットに輸送されるという。

「このルートの方がはるかに便利です。商品を載せてネパールと中国の国境まで一直線に車を走らせていけますからね」とThapa氏は言う。

このような違法商品がどのようにして、取り締まりの行われている国境を通過して密輸出されるのかを調べるために、私はカトマンズとチベットを結ぶアルニコハイウェイを走ってみた。

100キロメートルほどにもなる全行程で、検問所はたったひとつしかなかった。そこにいた警察官たちは、密売人はしばしば取締りのない山道を使って国境を越え、そういった違法商品を密輸するのだと言っていた。

ロープと滑車
タトパニという国境地点では、税関職員と警察官たちは公式なコメントを拒否した。

しかし匿名という条件で、税関の現場職員の何人かがBBCに語ったところによると、密輸人たちは夜間にネパールとチベットの国境を流れる川の両岸にロープを固定し、滑車を使って密輸品を受け渡しするというのだ。

カトマンズにあるWWF(世界自然保護基金)ネパール支部も、そのロープと滑車のアイディアをすでに聞いて知っていたと述べた。

「私たちは中国側と共にそれらすべての問題を提起しようとしています。しかし他国と共に働きかけるというのは簡単なことではないのです」と、WWF職員のDiwakar Chapagain氏は語った。

タトパニの税関のすぐ外で、押収された2台のトラックに違法な紫檀が積まれてあったのを私自身この目で見た。

そのトラックのナンバープレートは両面に番号があった。一方には中国の外交番号が、もう一方にはネパールの登録番号が記されていた。

カトマンズにある中国大使館はインタビューの要請に応じなかった。

ネパールの森林省大臣で、主要選挙で勝利をおさめたばかりのネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)の一員であるMatrika Prasad Yadav氏は、党は政権に就き次第、その問題に対して行動を起こすだろうと述べた。

「私たちが政権に就いたあかつきには、野生生物の取引人として逮捕されてはいるが、実際は単なる運搬人だった者や、この取引で最も下っ端だった者は全員釈放されることになるでしょう。そして上層部の真の取引人を逮捕します」と、彼は選挙の投票前にBBCに語った。

しかし自然保護団体からは、毛沢東主義派は違法な野生生物商品を反政府活動の資金源として利用しているとの疑惑が向けられているのだが、元反政府勢力はそれを否定している。

毛沢東主義派は、野生生物の密売人に対して行動を起こそうと思っているにしても、彼らが新たな連合政権で指導力を発揮しようとする場合、政治的、経済的な問題のほうが差し迫った要素となりそうだ。

このニュースはワン・プラネットでお聞きいただけます。BBCワールドサービスのワン・プラネットのウェブサイトからポッドキャストとしてダウンロードすることもできます。http://www.bbc.co.uk/worldservice/programmes/one_planet.shtml
5月22日木曜日の正午ごろからご利用可能です。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/7412294.stm

(翻訳協力:ジョーンズ有香・編集協力:松崎由美子)

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