世界自然保護基金、ロシアに生息するホッキョクグマの保護に乗り出す
ノーボスチ・ロシア通信社 2008年3月25日 ウラジオストック
世界自然保護基金(以下WWF)は、本日よりロシア北東部チュコトカ自治管区に生息する絶滅危惧種のホッキョクグマを密猟者から保護する対策を講じると発表した。
北極圏でその数が減少の一途を辿っているにもかかわらず、ホッキョクグマの毛皮の違法取引が、ロシアで横行している。現在、チュコトカ自治管区におけるホッキョクグマの推定生息数は3,000頭から5,000頭とされているが、WWFの統計によると、毎年そのうちの約200頭が殺されている。
WWFの広報担当は、ホッキョクグマが最も危険にさらされやすいのは、巣穴から出てきて北へ向かう早春であると説明しており、だからこそ保護対策は少なくともこの時期が終わるまで続けられると述べた。
2007年4月から2008年3月までの間にインターネットの監視活動を実施したところ、ホッキョクグマの毛皮売買の広告が30件確認された。広告の数は2003年から急速に増えており、価格も1頭の毛皮が6,000ドル(約624,480円 4/30現在)と倍以上に跳ね上がっている。
現在、シベリアの北極海に面したタイミル半島及びチュコトカの2ヶ所のみで密猟が摘発されている。
米国地質調査所によると、全世界のホッキョクグマの生息数は25,000頭であるが、地球温暖化によって、アザラシの狩猟場である氷が溶けてしまうため、2050年までにはその3分の2が死滅する可能性がある。
ホッキョクグマ狩りは1957年に国際的に禁止されている。
http://en.rian.ru/russia/20080325/102147931.html
(翻訳協力:西川瞳・編集協力:MM)
★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
→クリックで守ろう!エネゴリくんの森でゴリラの保全に協力
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付
※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。よろしければクリックしてください。
にほんブログ村
« 人間虐殺のための資金を象牙取引に頼る武装組織 | トップページ | タイ警察、マーケットでの強制捜査で絶滅危惧種を押収 »
「06 クマ」カテゴリの記事
- クマに注目―パンデミックでインドネシアのマレーグマの違法取引が悪化する可能性(2021.08.24)
- ラオス人民共和国におけるクマの飼育および取引に関する再評価(2018.08.04)
- 絶滅の危機に瀕するツキノワグマの救助が、ラオスでの野生動物取引に対抗する困難な闘いを際立たせている(2018.07.12)
- ロシアの北極圏北東部のにおけるホッキョクグマのチュクチ-アラスカ個体群(2015.07.10)
- クマ・パトロール隊、ホッキョクグマの毛皮の違法取引を監視(2015.05.04)
「23 ヨーロッパ」カテゴリの記事
- 絶滅寸前のヨーロッパウナギが香港のスーパーマーケットに流通(2021.10.26)
- スイス、外国人トロフィーハンターによるアイベックスの狩猟を禁止(2021.10.12)
- 50年以上にわたりタグ装着・再捕獲したサメから得られた最新のサメアトラス(2020.03.17)
- 有機畜産農業が野鳥を増やす(2020.01.31)
- 象牙同盟2024:政治指導者、自然保護活動家、著名人らが共に象牙需要の問題に取り組む(2019.02.19)
「40 保全対策」カテゴリの記事
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の先にある未来には地球の健康の再生が必要(2021.12.28)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
« 人間虐殺のための資金を象牙取引に頼る武装組織 | トップページ | タイ警察、マーケットでの強制捜査で絶滅危惧種を押収 »
コメント