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2008年4月30日 (水)

人間虐殺のための資金を象牙取引に頼る武装組織

THE INDEPENDENT  Steve Boomfield記 2008年3月17日 ナイロビ

チャドでは、スーダンのジャンジャウィード民兵が半日のうちに100頭のゾウを虐殺。 
ケニアでは、ロケット手榴弾で武装したソマリ司令官がタナ・デルタで動物の群れを急襲した際、野生生物警備隊員4人を殺害。コンゴ民主共和国では、多数の反政府組織が生息数の減少しているゾウを新たな資金源に。

アフリカのゾウ保護の戦いは、以前にもまして危険になっている。大陸全域にわたり、内戦や紛争にかかわりを持つ武装組織が、違法な象牙取引を活動資金調達目的に利用している。スーダン西部、ダルフール地方で無数の残虐行為を行っているジャンジャウィードなどの組織は、現在「アフリカのゾウ保護における最大の問題」だとIFAW(国際動物福祉基金)のゾウ保護計画責任者Michael Wamithi氏は話す。

「以前は、小さな集団でゾウを殺して単に商業目的で象牙を取るというのが常だったが、今はまったく違っている。組織化され、危険な武装勢力の資金供給が目的だ。」 チャドにあるザクーマ国立公園では、馬に乗った30人以上のジャンジャウィード一団が、一回の襲撃で100頭以上のゾウを虐殺するという事件が起きた。「標的を定めた作戦で、綿密に計画されたものだ。これほど多数のゾウを一度の襲撃で殺すには大きな組織力が必要だ。こんな襲撃は今まで見たことがない。」Wamithi氏は言う。

チャドの関係筋によると、過去2年間に何百頭というゾウがザクーマで殺され、そのほとんどが隣国スーダンから侵入してきた民兵らによるものだという。1990年代にアフリカ西部一帯の内戦で「血のダイヤモンド」(内戦地で反政府組織がダイヤなどの宝石を採掘してそれで武器を買う外貨を手に入れた)が使われたのと同様に、現在では違法な象牙がアフリカ東部の紛争のために使われているとWamithi氏は言う。

ゾウの虐殺が今や人殺しに資金提供しているという懸念は、アフリカ中部におけるゾウの生息数減少という問題をしのぐほど大きなものとなっている。

違法象牙は、ゾウを密猟するこうした組織にとって、唯一の資金源なのではない。しかし、象牙の需要によって、ゾウの密猟が、儲けの大きい当てになる収入源になってしまっていると地域の動物福祉専門家は考えている。

極東、特に中国での象牙需要はかつて無いほど伸びている。IFAWによれば、ジャンジャウィードがチャドで手に入れた象牙は、ハルツーム(スーダンの首都)に持ち帰られ、そこから中国に売られるという。

象牙需要の増大は、ゾウ密猟の増加を恐ろしくあおっている。米国シアトルにあるワシントン大学の科学者らが昨年発表した研究報告は、生息しているゾウが絶滅してしまう可能性のある地域がアフリカには複数あると警告している。違法取引は、1989年の象牙売買国際禁止令以前に見られた「荒廃したレベル」に戻っているという。「近年、違法な象牙取引は激化しており、これまで報告された最悪の状態である。」と報告書は結んでいる。

さらに、Traffic(野生生物の国際取引を管理するWWFの活動のひとつ)の調査書が明らかにしたところによると、違法象牙の大規模押収件数は過去10年間に急激に増加しているという。1989年から1997年の間、1トン以上の象牙の押収は17件だったのに対し、1998年から2006年にかけては32件。現在、世界中で1日平均3件の押収がある。

コンゴ民主共和国とチャドの二国は最も深刻な密猟問題国となっている。IFAWによれば、両国とも長引く紛争に巻き込まれ、多数の様々な武装勢力の拠点として利用されてきていることから、これは偶然の成り行きではないという。

コンゴでは、近年国内で対立している3つの勢力―マイマイ、ルワンダ開放民主勢力FDLR(隣国ルワンダにおける大虐殺の実行者―旧フツ民兵インテラハムエ)、ツチ族民兵(反逆者であるコンゴ人司令官Laurent Nkundaの軍)―が、ゾウ、サイ、ゴリラの虐殺で告発されている。

また、ウガンダ北部の紛争で20年以上も戦ってきた新勢力、神の抵抗軍(Lord’s Resistance Army)は、この2年間コンゴのガランバ国立公園に居を定めている。

こうした複数の勢力が、この土地のゾウ生息数に破壊的な影響を与えている。コンゴの国立公園警備隊員は当初、動物が殺されるのは空腹な兵士らの食料としてだと思っていた。しかし徐々に、ゾウが殺されるは象牙のためだと考えるようになった。

公園警備隊員として動物を守る仕事は、兵士並みに危険なものになってきている。2005年だけで、コンゴでは100人以上の隊員が殺害された。「彼らは非常に冷酷で、訓練された殺し屋。殺しのプロだ。非常に大きな問題だ。」Wamithi氏は語る。

ケニアでは、Richard Leakey氏率いるキャンペーンの成功により、1980年代にゾウ密猟が違法になった。以来ケニアのゾウ生息数は安定し、増加している。

現在ケニアのゾウが直面している最大の脅威は、侵入しやすいケニア国境を越えてくるソマリアの武装勢力だ。

ソマリアはここ17年、機能する中央政府がない状態にある。この間多くの武装勢力が主要地区を支配しようと闘争を続けてきた。KWS(ケニア野生生物庁)当局によると、ソマリア軍閥につながりを持つ民兵が現在ケニアに侵入し、ゾウを密猟して象牙を売っているという。

KWSは、通常テロリストを捕らえるために利用する情報網を持っている。ケニアの国境沿いの北東地域に住んでいるのは、主にソマリ民族である。そのため国境を越えてくるソマリ密猟者らは、多くの場合、地元住民の中に紛れ込むことができるのである。

KWSの情報部員は、殺されるゾウの数をなんとか抑えているが、ソマリの武装勢力は未だにケニアに深く入り込むことができる。昨年、KWS情報部員は、情報をもとにAK-47(軍用ライフル)と手榴弾で武装した10数人のソマリ民兵を探し出し、国境から200マイル(約320Km)ほど離れた小さな町ガルセン近くで取り押さえた。銃撃戦が続き、双方ともに4人の死者を出した。

さらに南にあるタンザニア国境沿いのツァボ国立公園に、もう一軍いることも突き止めた。

≪ゾウ密猟者≫

コンゴ
ゾウの密猟は、コンゴ民主共和国が直面している一連の問題のひとつである。国際救済委員会(IRC)の調査によると、1996年に始まった内戦とその後の余波で、540万人が亡くなっているという。コンゴ東部は無法地帯となっており、ウガンダ北部で20年以上にわたり紛争を起こしている神の抵抗軍をはじめとする多くの反乱組織の拠点となっている。過去10年間に、ゴリラ、サイ、ゾウなどの保護に携わった公園警備隊員が何百人も殺されている。動物が殺されるのは兵士の食料用だと考えられていたが、IFAWによると、マイマイなどのコンゴ反政府組織も象牙取引を始めたとのことだ。ガランバ国立公園のサイ生息数も大きな打撃を受けている。

スーダン/チャド
ダルフール紛争は現在6年目に突入した。20万人以上が殺され、およそ240万人がホームレスとなっている。移動させられた人々の大多数は、ジャンジャウィード民兵によって強制的に家から退去させられた。専門家らは、ジャンジャウィードがかなりの資金や援助をスーダン政府から受けていると考えているが、ハルツームのスーダン政府は断固としてこれを否定している。この2年の間に、チャドの保護当局は、国境を越え侵入したジャンジャウィードのゾウ襲撃を数回報告している。警備隊員によって押収、保管されていた象牙が、12人の馬に乗った男たちに襲われるという事件も起きた。

ソマリア/ケニア
1991年にMohamed Siad Barre大統領軍事政権が崩壊してから17年、ソマリアは機能する中央政府が無い状態である。ひとつの組織が全体を統制することが出来ずに、国は危機から危機へと揺れている。国連によると、ソマリアは現在、アフリカ大陸の中で最悪の人道的危機に直面しているという。200万人(人口の20%)が人道的支援を必要としている。ソマリアの異なる武装勢力がそれぞれに資金供給源を捜し求めている。アルシャバブとして知られる主力の反政府組織は、巨額の資金をアラブ諸国の支援者らから受け取っていると考えられている。他に、ソマリの実業家から支援を受けている勢力もある。KWSは、ゾウ目的でケニアに侵入するソマリ武装勢力が増加したと報告している。

http://www.independent.co.uk/news/world/africa/warlords-turn-to-ivory-trade-to-fund-slaughter-of-humans-796796.html

(翻訳協力:森川敦子・編集協力:石井紀子)

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