五大湖の水位、1926年以来最低に
New Scientist(2007) 194(2606),8-9
地球温暖化による、アメリカ合衆国及びカナダの国境線をなす5つの湖、五大湖の水位の低下が懸念されている。この地域は長年にわたる干ばつに苦しめられてきたが、五大湖のひとつ、スペリオル湖は、水面温度が1979年以来、2.5℃上昇した。これは同期間の周辺地域の平均気温をずっと上回る気温上昇率である。この温暖化は、冬季の湖面の結氷が縮小されることと関連があり、氷が湖水に吸収されるかわりに、反射により太陽エネルギーを生み出す結果になっている。氷が少なくなることは、冬季のあいだに湖から蒸発する水量が増える可能性があるということも意味しており、湖が縮んでいくのに拍車をかけている。水位の低下は湖岸の湿地帯に、ネイティブアメリカンが利用するワイルドライスの温床を発生させるだけでなく、すでに海運業にも影響を及ぼしている。
(翻訳協力:松永裕美)
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