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JWCSのワイルドライフニュース

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このブログは、認定NPO法人野生生物保全論研究会/JWCSが運営する、おもに海外のNGOや国際機関、環境条約の事務局などが発信する、野生生物に関する最新ニュースを和訳した記事を紹介しています。

野生生物と人との関わりや、JWCSが主に情報収集や働きかけを行っている、野生生物を保全するための国際条約(ワシントン条約、生物多様性条約、ボン条約等)の最新の動きに関するものや、世界の絶滅危惧種がさらされている現状などを取り上げています。

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2018年7月21日 (土)

セラードのアグリビジネスで栄えた町;少数に利益を多数に苦難をもたらす

和訳協力:立田 智恵子

2018年3月26日 MONGABAYニュースより一部抜粋

ルイス・エドワルド・マガリャエス(以降、LEMとする)は、セラードのアグリビジネスが盛んで、大豆栽培で急速に繁栄した町だ。
この町の人口は2000年の時の4倍の83,000人にまで膨れ上がり、ブラジルで最も急速に人口が増加している町の一つとなっている。
だがLEMでは、働き口や良い条件を求めて田舎から大勢の人々が押し寄せるという、成長期の問題を抱えている。

公共事業は人口増加の追いつくことができず、都市の道路の大部分はまだ依然として未舗装で、衛生サービスも人口増加に遅れをとっている。
地方から新たにやって来る多くの人たちは専門的技術を持っておらず、実入りの良い仕事を得ることも、高度に機械化・専門化した産業であるアグリビジネス経済の恩恵に与かることもできない。
そのため彼らは貧しいままなのだ。

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2018年7月19日 (木)

世界の自然遺産の破壊:「コモドは臨界点に達しつつある」

2018年4月18日 The Guardianニュースより一部抜粋

インドネシアの国立公園は、いくつかの世界有数のダイビングスポットや美しい海洋生物を誇るが、違法漁業と持続可能でない観光事業が国立公園のユネスコ世界遺産たる資格を脅かしている。

2つの海の合流点に位置するコモド国立公園は、起伏に富む丘陵からなる島の連なりで、有名なコモドオオトカゲの生息地であり、外洋性の魚類やオニイトマキエイ類、カメなどの、美しくで多様な海洋生物のすみかでもある。

近年、地元のダイビング事業者は、違法漁業が激化し、公園の1日入場料は2015年に約500%、175,000ルピア(約1,500円)に値上げされ、今やコモドでダイビングするのはガラパゴスよりも高くつくにも拘わらず、海洋巡視の数だけが減ったという。

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2018年7月17日 (火)

新種の類人猿、中国のダム建設が脅威に

和訳協力:蛯名 郁矢

2018年4月23日 The Guardianニュースより一部抜粋

2018年11月、科学者から驚愕の発表があった。何気ない風景の中に新種の類人猿が潜んでいたことに気づいたというのだ。地球上に生息することが分かったようやく8種目となる類人猿である。

タパヌリオラウータンは、スマトラ北部で生存しており、既に世界で最も絶滅の危機に瀕している類人猿となっている。研究者によれば、生存している個体数は800頭以下だと見積もられている。こうした発見にも関わらず、タパヌリオラウータン個体群の生息地のちょうど真ん中で進められている、中国国営企業のSinohydro社(中国水利水電建設集団)による、巨大ダム建設計画に伴う森林伐採は中止されていない。複数のオラウータンの専門家は、Sinohydro社が建設するダムは、タパヌリオラウータンにとって喫緊の死活問題であるとしている。

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2018年7月14日 (土)

インドネシアの漁師たちはフカヒレスープの需要に応えて儲けるためにフカヒレ漁に依存する

インドネシアの漁師たちはフカヒレスープの需要に応えて儲けるためにフカヒレ漁に依存する

和訳協力:櫻葉汀 ミホ

2018年4月15日 South China Morning Postニュースより一部抜粋

フカヒレ漁はインドネシアにおいて違法であるにもかかわらず、その行為は広く行なわれている。
報告によると、インドネシアがフカヒレの最多輸出国であり、次いでインドである。
漁獲量の多くは合法的なサメ漁に由来するかもしれないが、フカヒレ量からのフカヒレの漁獲量は不明で、しばしば需要のある保護対象種が標的となる。

インドネシア海洋・水産省の海洋管理総局によると、通常フカヒレの輸出先は香港、中国、マレーシア、カナダ、シンガポール、ベル―およびロシアである。

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2018年7月12日 (木)

絶滅の危機に瀕するツキノワグマの救助が、ラオスでの野生動物取引に対抗する困難な闘いを際立たせている

和訳協力:小川 聖子

2018年2月18日 Radio Free Asiaニュースより一部抜粋

絶滅危惧種のツキノワグマは、概して輸出販売され、各部位が医薬品目的で利用されるが、東南アジアの国での野生動物の密猟と密輸を減らそうとする努力や、密猟や密輸に関った者を厳重に取り締まるという当局の公約にも関わらず、その捕獲がラオスで継続的に行われている。

3月初旬に発生した最新の事件では、3頭の絶滅危惧種のツキノワグマがラオス北部のボーケーオ県の当局によって押収された。
ラオスの農林省によると、子熊を森で捕獲したことのある村民の話から、3頭の推定年齢は5~7歳とのことだ。

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2018年7月10日 (火)

生物多様性の喪失を止めるには人口問題・汚職問題への対処が必要だと科学者たちがいう

和訳協力:雅枝 アダムス

2018年3月27日 ABCニュースより一部抜粋

6回目の大絶滅期として知られている地球規模での種の絶滅を止めるつもりであるならば、人口増加の制限および資源消費量の削減並びに、政府の汚職を激しく取り締まることに集中して力を注ぐ必要がある。

これが、生物多様性の喪失率を低下させようと、今回『Nature Ecology and Evolution』誌に論文を発表した、科学者チームからのメッセージなのだ。

ディーキン大学の研究者であるEuan Ritchie氏によれば、生物の多様性に対する主な脅威は家畜を飼養するための自然環境の改変、採鉱、および都市の乱開発を含むが、これは人口からの圧力と高い資源消費率の結果からきているという。

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2018年7月 7日 (土)

相次ぐゾウのロヒンギャ難民襲撃により死者発生-バングラデシュが対策へ

和訳協力:日高 穂香

2018年5月9日 The Guardianニュースより一部抜粋

12歳の男の子がゾウに踏みつけられて死亡した事件を受けて、バングラデシュは、何十万人ものロヒンギャ難民が暮らす難民キャンプを襲い、死者も出ている一連のゾウからの攻撃に対し、対策を強化することを約束した。

命に関わるゾウの襲撃は2017年10月からの6か月間で少なくとも12回に上る。その回数は増加しており、森林破壊やモンスーン、難民危機によって、世界で最も弱い立場の人々がいかにして野生生物に翻弄される状況に置かれるのかという、大規模で悲劇的な状況を物語っている。

無秩序に広がるクトゥパロンキャンプに住む難民たちは、その多くが8月にミャンマーで起きた残忍で暴力的な運動から逃れてきたロヒンギャのイスラム教徒だ。彼らは雨季が近いこの時期に山肌がむき出しになっている斜面にひしめいており、既に厳しい状況の中で暮らしている。しかしこの難民たちのいる場所は、ゾウたちが何世紀にもわたって使ってきたミャンマーとバングラデシュの間の大切な”通り道”でもあるのだ。

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2018年7月 5日 (木)

特別報告:ナイジェリアとカメルーンは野生生物の保護でなぜ協力しなければならないのか

和訳協力:坂本 義教

2018年3月25日  The Premium Timesニュースより一部抜粋

2009年度に実施された、国境付近の8つの地域で売買されているブッシュミートに関するの調査で、Wildlife Conservation Society(WCS:野生生物保護協会)は、ヤマアラシが最も一般的に売られている動物であることを明らかにした。
調査は、主にクロスリバー国立公園とコラップ国立公園に接するコミュニティーに合わせ行われた。
調査の結果、市場で見つかった2,961の動物の肉のうち、845(全体の28.5%を占める)はヤマアラシのものと確認された。
その他の頻繁に売買されている種には、ブルーダイカー(649)やアカダイカー(394)、サル類(356)が含まれる。
ウヨ大学の研究者らが2015年度に発表したより最近の報告では、ヤマアラシ、シカ、サルは、今でもクロスリバー国立公園のオーバン区で狩りの対象とされる上位4種群のうちの3種群であることが分かった。

WCSの報告で、ヤマアラシの肉の総価格は、調査を実施した48日間で240万ナイラ以上になることも明らかになった。
インフレーションで貨幣価値が変わっているため、今日ではその価格は560万ナイラ(15,430USドル:約170万円)にもなるだろう。

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2018年7月 3日 (火)

新プロジェクト:生物多様性重視の生息環境計画に対して農場主に報奨金

和訳協力:木田 直子

2018年4月24日 Independentニュースより一部抜粋

アイルランドのコーク州東部にあるブライドバレーで行われる新プロジェクトは、農場内の野生生物に対して参加農場主に報奨金を与えるというものだ。

Biodiversity Regeneration In a Dairying Environment(BRIDE)プロジェクトでは、このプロジェクトに参加する農場主に、それぞれの農場で最も適切かつ効率的な野生生物の管理方法を示す生息環境計画を提供する。
農場主には、実施した保護活動に応じて報酬が支払われる。

BRIDEプロジェクトは、アイルランド農業・食糧・海洋省とヨーロッパ連合がEuropean Innovation Partnership(EIP:欧州イノベーションパートナーシップ)の資金提供プログラムの下で、100を超える応募の中から選出した11のプロジェクトの中のひとつである。

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2018年6月30日 (土)

香港税関、240万HKドルに及ぶホンジュラスからの密輸材24トンを押収

和訳協力:伊川 次郎

2018年4月20日 South China Morning Postニュースより一部抜粋

香港の税関吏が、約240万HKドル(305,800USドル、約3400万円)相当の、24t近い絶滅の恐れのある樹木を伐採した高価な木材を押収した。それは中央アメリカから香港への輸送コンテナに隠されていたものだった。

この事件は、ホンジュラス・ローズウッドと思われるものを含めて、香港における今年3件目の木材密輸事件に該当する。

木曜日に総計23,800kgの木材が発見されたのは、葵青(きせい)区の税関の貨物検査所で、税関吏が検査のためにコンテナを開けたときだった。

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2018年6月28日 (木)

世界の海洋生物多様性の中心に危機迫る

和訳協力:大森 康子

2018年4月10日 Science Dailyニュースより一部抜粋

スウォンジー大学の生物科学部が行った研究によって、世界の生物多様性の中心地で広範囲にわたって主要な海洋資源が失われる危機に瀕していることが分かった。

この調査結果について『Science of the Total Environment』誌の最新号に書くにあたり、研究者は、西太平洋に位置する有名なコーラル・トライアングル海域の中核を成す、広大なインドネシア諸島全域での海草藻場に対する危険性を調査した。

この海域は世界の生物多様性の中心地として広く知られており、藻場は「海の草原」だ。

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2018年6月21日 (木)

インドネシアのオランウータン保護計画事業での地方公務員の役割に活動家らの期待が高まる

和訳協力:深井 悠

2018年5月15日 Mongabayニュースより一部抜粋

インドネシアの活動家たちが、オランウータンの保全に関する一連の連邦ガイドラインの策定を求めている。それにより地方自治体と企業は、絶滅の危機に瀕する類人猿の保護に、より積極的な役割を担うことを余儀なくされるだろう。

その呼びかけは、最近の数か月の間に、インドネシアのボルネオ島で2頭のオランウータンが残酷に殺されたことを受けて起きたものだ。2007年に政府が開始した、スマトラ島とボルネオ島に残された生息地を守ることにより、野生オランウータンの個体数減少を食い止める10年計画の終了を受けての要求でもある。

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2018年6月14日 (木)

混獲(ボン条約第12回締約国会議改訂版決議)

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:ジョンソン 雅子

混獲に関する決議6.2、勧告7.2、決議 8.14、決議 9.18及び決議10.14を含む、これまでの締約国会議での関連する決定を想起し、

海洋法に関する国際連合条約、生物多様性保全条約、分布範囲が排他的経済水域の内外に存在する魚類資源 (ストラドリング魚類資源) 及び高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する1982年12月10日の海洋法に関する国際連合条約の規定の実施のための協定、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会及び、特に責任ある漁業のための行動規範を通じた国連食糧農業機関 (FAO、以降FAOとする) などがとりわけ下支えする、持続可能な発展を通じて天然資源を保全する世界的な協同体の義務を承認し、

CMS (移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」) を補足する多数の協定及びMemoranda of Understanding (了解覚書、以降MOUとする) において、被害の軽減をするべく優先度の高い脅威として混獲が強調されていることを認識し、

指定される移動性の種に関する漁業の悪影響を減少させるための混獲緩和策を実行する上でかなりの進展があるにもかかわらず、未だに混獲が、海洋環境における人間活動による条約により指定されている移動性の種の死亡率の主要な原因の一つになっていることを懸念し、
加えて、締約国がなしたこれまでの進展にもかかわらず、混獲が未だに水生生物種、特に条約の附属書I及びIIに指定される種 (海鳥類、魚類、カメ類と水生哺乳類を含む) に対する主要な脅威とされており、またこれらの種の保全状況が危機的でないレベルにまで混獲を削減または抑制するためには、かなりの更なる努力が必要とされることを懸念し、

移動性の水生生物種が、種の混獲、乱獲、汚染、生息地の環境の破壊または劣化、海中の騒音の影響、狩猟に加え、気候変動などのような広域にわたる影響を与える可能性がある、多角的かつ累積的、更に多くの場合相乗的な脅威に直面していることを懸念し、

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2018年5月26日 (土)

NUSの研究で、野生生物の国際取引の過小報告に関する貴重な所見が明らかに

和訳協力:加藤 有起枝、校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2018年2月12日 National University of Singapore Press Releases

調査の結果、違法または合法な野生生物取引の大部分についてまだよくわかっておらず、そのことが規制や保全の努力を妨げていることがわかった。

National University of Singapore (NUS:シンガポール国立大学) の研究者らは、国際的な野生生物取引データの詳細な研究を行い、野生生物取引に関するいくつかの重要な傾向を明らかにした。
調査結果は、市場原理が世界中の野生生物製品の景況を活性化させ、また、野生生物の違法取引と合法取引に対する我々の理解が、地球上の特定の種や地域に偏っていることを示している。
調査結果はまた、野生生物取引のネットワークが想定以上に複雑で、法施行や保全の努力を阻害していることも示唆していた。
Convention on the International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約) などの規制当局は、この情報は、既存の保全活動や政策を改善するのに活用できるとしている。

この研究の筆頭著者であり、NUSの理学部生物科学科の博士課程の学生であるWilliam Symes氏は次のように述べている。
「野生生物を持続的に利用できないほど捕獲することは、対象種の個体数の減少や絶滅を招くことになるため、国際的な野生生物取引を活性化する要因を我々が理解することは非常に重要です。現在、限られた種についての合法的な取引に関するデータベースはありますが、そのデータは政府の年次報告書に依存するものであり、産業の全体像が把握ができていないために、国内法が緩い場合や政治的な統治状況が悪化することにより支障が生じます」。

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2018年5月24日 (木)

鳥類と豆類:研究で鳥類多様性に最適なコーヒー豆が明らかに

和訳協力:會田 真弘、校正協力:佐々木 美穂子

2018年2月16日 Wildlife Conservation Society

甘みとやわらかい味のアラビカ豆と、香りが深く力強い味わいのロブスタ豆のどちらを選ぶべきかは、コーヒー愛好家によく知られた議論である。
科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されている、WCS(野生生物保護協会)、プリンストン大学、ウィスコンシン大学マディソン校が行った新たな調査では、コーヒーの愛好家ではないであろう生き物の好みを取り上げた。
その生き物とは、鳥である。

WCSの保全科学者であるKrithi Karanth博士をはじめとする研究者たちは、インドの西ガーツ山脈地域におけるコーヒーの混農林地での鳥類の多様性について調査した。
以前の調査では、木陰で栽培されたコーヒー(主にアラビカ種)は相当な種類数の生物多様性をもたらし得ることが判明した。
しかし、コーヒー生産は、国際的にはロブスタ種へと移行しつつある。
ロブスタ種は、太陽光をより集中的に利用する農法を使用するものであり、この手法は森林の野生生物に有害な影響を与える可能性があるとされている。

研究者たちの調査結果は驚くべきものだった。
アラビカ種農園の鳥類集団はより種類数が豊富となっていたが、ロブスタ種農園でもかなりの生物多様性への良い影響が認められ、果実食の鳥類のような、環境の変化に敏感な鳥類の高密度の群れの存在を支えていた。
さらに、病原耐性の高いロブスタ種の農場では、農家の殺虫剤の使用量が少ないことがわかっている。

著者らは、調査対象のコーヒー農園において、オオホンセイインコ(学名:Psittacula eupatria)、ハイガシラヒヨドリ(学名:Pycnonotus priocephalus)、カノコモリバト(学名:Columba elphinstonii)などのIUCNレッドリスト掲載種3種を含む、合計79種の森林依存種が生息していることを発見した。
また、コーヒー農園では哺乳類、両生類や樹木の多様性がもたらされる場合もあるという。

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2018年5月22日 (火)

ワシントン条約の「無害証明」-NDFsに関する最新の方針

和訳協力:原田 智美、校正協力:清水 桃子

生物多様性の持続可能な利用:アディスアベバ原則並びにガイドラインに関する決議13.2において、締約国はNDF (Non-detriment finding:無害証明、以降NDFとする) プロセスを適応し、CITES NDFsを発行する際に、国ごとの状況により定められる科学上、取引上、並びに法施行上の考慮点を踏まえ、生物多様性の持続可能な利用に関する原則とガイドライン (生物多様性条約事務局、2004年) を使用するよう勧奨された。
2007年にハーグで開催されたCITESのCoP14 (第14回締約国会議、以降締約国会議をCoPとする) では、締約国はさらにこの点について、動物委員会及び植物委員会が示すいくつかの勧告を考慮することに同意した。
これらの勧告は決議13.2 (CoP14改定版) の付記2に含まれる。
委員会は、CITESの下での意思決定プロセス、とりわけNDFs発行に関して、アディスアベバ原則並びにガイドラインは常に即座に適応されるものではないものの、NDFs発行のための現行のIUCN (国際自然保護連合) の指針を支持し得るものであるとされ、例えば樹木などの、特定分類群のガイドラインの策定に有益である、と勧告した。
中でも特に原則1、2、4、5、6、7、8、9、11及び12は、個別の場面に応じ、さらなる特定分類群のNDFガイドライン策定の検討余地があるとした。

CoP16 (バンコク、2013年) で最後に改定された、CITES戦略ビジョン:2008-2020に関する決議16.3において、締約国は、入手可能な最良の科学的情報をNDFの根拠としなければならない、という方針を定めた。
締約国会議からの委任を受けて、常設委員会は第57回会議でこの方針の指標について次のように合意した。

a)輸出国が行った次の内容のような調査の件数
i)附属書IIに掲載される種の個体群の状況、及び取引の動向並びに影響、
ii)附属書Iに掲載される種の動向及び状況、及び回復計画の効果
b)NDFs発行のための基本的な手順を採用した締約国の数
c)個体群調査に基づく1年ごとの輸出割当量の分量及び割合
d)Review of Significant Trade ((仮)重要取引の検証) に基づく勧告を実施した結果として、取引が種の生残に無害であると判断された附属書IIの種の数

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2018年5月19日 (土)

生物多様性の持続可能な利用:ブッシュミート及び持続可能な野生生物の管理

和訳協力:小山 史子、校正協力:伊川 次郎

締約国会議は、

自然生息地の広範囲に及ぶ破壊や劣化、景観的なつながりの分断及び損失ならびに、違法な開発や違法な野生生物取引、野生生物製品や資源の持続不可能な利用、気候変動、(違法な)土地利用の転換、汚染、及び侵入外来種といった、野生生物種の存続や再生、および持続可能な開発や人間の福祉に悪影響を及ぼすものが原因で、一部の野生生物種が継続的に減少していることを懸念し、

野生生物の損失は、生物多様性を支える生態学的プロセスに必然的に影響を及ぼし、また社会経済、食料安全保障、人々の栄養や健康等に関する深刻な影響を与え、先住民族及び地域社会の持続可能な慣習的利用、文化、精神性並びにアイデンティティに影響を与えることを意識し、

国の法令に沿った野生生物を利用する先住民族や地域社会の行う野生生物の管理と歴史的な権利を含む、人間のニーズと利益共有の観点からだけでなく、野生生物の保全及び持続可能な利用のためのインセンティブの創出や共有の観点からも、人間側面の重要性を認めながら、生物学的また生態学的な要因と、効果的で公平なプログラムの理解に基づいた健全な野生生物管理プログラムの必要性に留意し、

また、国連総会決議69/314の持続可能な開発のための 2030 アジェンダ、とりわけに目標15の下位目標である15.7及び15.c、並びに生物多様性戦略計画2011-2020の実施に貢献する、野生生物の保全、持続可能な利用及び取引に関して強化された政策協調の可能性に留意し、

ブッシュミートの狩猟を含め、野生生物の持続可能性を改善する方法について、条約の下で多くの活動が行われてきたことを認識し、また、野生生物の持続可能な利用の問題は他分野とも関連し、これらの問題に対処するには戦略的かつ広範囲なアプローチが必要とされることに留意し、

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2018年5月17日 (木)

海洋プラスチックごみ:サンゴ礁への新たな脅威が拡大中

和訳協力:松岡 真由美、校正協力:木田 直子

2018年3月5日 UN Environment News and Stories

人類のプラスチック製品への依存が、自然界の奇跡であるサンゴ礁を汚染していることを示す新たな証拠が見つかった。

サンゴ礁は美しいというだけでなく、サンゴは生きており、また生きた生態系でもあり、生命に満ち溢れている。
その広さは世界の海洋面の0.1%未満に過ぎないが、全海洋生物の25%の生息地となっている。
また、サイクロンや海面上昇などに対して自然のバリアの役割を果たすなど、沿岸のコミュニティを守るために極めて重要な役割を担っているほか、2億7500万人もの人々が食べ物を手に入れ、生活をしていく上でサンゴ礁に直接依存している。

それでいて、サンゴ礁は様々な方面からの攻撃にさらされている。
この30年間で、気候変動による水温上昇や乱獲、陸上のさまざまな活動の影響によって世界のサンゴ礁の最大50%が失われている。
だが、最近の大規模な研究によると、プラスチックによる包囲攻撃も受けていることが明らかになった。

毎年、800万t以上のプラスチックが海に行き着いていると推測されているが、これは毎分ごみ収集車1台分のプラスチックを海に放り出しているのに相当する。
今日では、1960年代に比べ20倍ものプラスチックが製造されている。
もし我々がプラスチックの使用をこのままの状態で続けていくと、2050年までに330億tものプラスチックを新たに作り出すことになり、そのうちかなりの量が最終的に海に流れ着き、そこに何世紀もとどまることになる。

今年科学雑誌サイエンス誌に掲載された、アジア太平洋地域における159箇所のサンゴ礁での調査によると、研究者は、111億個ものプラスチック製品がサンゴに絡まっていたと推測している。
この数字は、今後7年のうちにさらに40%も増加すると考えられている。

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2018年5月12日 (土)

ジュゴン保護のためのジュゴン生息国の協定 (COP12改訂版)

和訳協力:金子 さえ、校正協力:松岡 淳子

本条約第II条はすべての締約国に対し、同条約の附属書IIに掲載されている移動性動物種の保全及び管理に関する協定の締結に努めるよう求めるものであることを認識しつつ、

ジュゴンの生息域は、熱帯地域及び亜熱帯地域の沿岸部や陸水域を含む、37の国と地域にわたる広い範囲に及ぶことに留意しつつ、

ジュゴンは寿命が長いが、繁殖率が低く、子育てに多大な労力を費やすため、乱獲に対して脆弱であることを想起しつつ、

ジュゴンの個体数は大部分の生息地で残存種となっており、また生息地の多くが、大幅に個体数が減少している生息地、あるいはすでにジュゴンが絶滅している生息地によって分断化されていることに留意しつつ、

ジュゴンが利用し、分布する環境は沿岸域であり、そこでは人間による土地開発や漁業による圧力にしばしば晒されるため、ジュゴンが人間の活動の影響に脆弱であることを理解しつつ、

ジュゴンは、生息域のコミュニティにとって文化的に重要であり、かつ多くの地域で今なお伝統的に捕獲されていることを認識しつつ、

ジュゴンの肉や脂、あるいはジュゴンから作られた薬やお守り、その他のジュゴン由来の産物は、ジュゴンの生息する地域では依然として高い価値が付けられていることを理解しつつ、

Convention on international Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約) の附属書Ⅰに記載されている種のすべての個体群は、その種および体の部位の国際的取引が禁じられていることを想起しつつ、

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2018年5月10日 (木)

持続可能な開発と移動性野生動物種の保全に関するマニラ宣言

和訳協力:石原 洋子、校正協力:ジョンソン 雅子

1992年6月ブラジル、リオデジャネイロでの環境と開発に関する国連会議の成果、アジェンダ21の更なる実施のための計画、持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言、並びに持続可能な開発に関する世界首脳会議実施計画、ヨハネスブルグ実施計画を想起しつつ、

また、国連持続可能な開発会議の成果文書、”The Future We Want” (「私たちが望む未来」) やミレニアム開発目標に関する総会の成果文書を想起しつつ、

2015年9月に国連総会が、2030年までに経済、社会および環境の3つの側面での持続可能な開発を達成するという目標のもと、2030 Agenda for Sustainable Development (持続可能な開発のための2030アジェンダ) と17のSustainable Development Goals (SDGs:持続可能な開発目標、以降SDGsとする) を採択したことに留意しつつ、

“Our Oceans, Our Future: Call for Action” declaration  (「私たちの海、私たちの将来:行動の要請」宣言) が2017年6月に開催された国連海洋会議で採択され、国連総会決議71/312で承認されたことに留意しつつ、

さらに、生物多様性条約のもと採択されたStrategic Plan for Biodiversity 2011-2020 (生物多様性戦略計画2011-2020) およびAichi Diversity Targets (愛知目標) が、生物多様性において優先すべき行動の国際的枠組みとして、2010年に国連総会の決議65/161に承認されたこと、並びにStrategic Plan for Migratory Species 2015-2023 (移動性野生動物種のための戦略計画2015-2023) の目標が愛知ターゲットに沿って策定されたことに留意しつつ、

生物多様性戦略計画と愛知ターゲットのフォローアップを発展させるために策定されたポスト2020プロセスが、CMS (移動性野生動物種の保全に関する条約、以降ボン条約とする) とSDGsの両方の目的を支持するポスト2020戦略へ向けた共同計画プロセスに重要な機会を与えていることを認識しつつ、

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«損なわれた生態系を積極的に再生することが必ずしも自然再生より優れているわけではないとする研究