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JWCSのワイルドライフニュース

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このブログは、認定NPO法人野生生物保全論研究会/JWCSが運営する、おもに海外のNGOや国際機関、環境条約の事務局などが発信する、野生生物に関する最新ニュースを和訳した記事を紹介しています。

野生生物と人との関わりや、JWCSが主に情報収集や働きかけを行っている、野生生物を保全するための国際条約(ワシントン条約、生物多様性条約、ボン条約等)の最新の動きに関するものや、世界の絶滅危惧種がさらされている現状などを取り上げています。

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2020年9月29日 (火)

「自然のためのマニフェスト」: 選挙を控える今生物多様性は崩壊寸前

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:佐々木 美穂子

2020年1月20日 Green News

アイルランドの自然はひどい状態にあり、その崩壊寸前の状況からの回復を目指す選挙候補者を後押しする市民からの全面的な支援が必要だと、主要な自然保護団体が警告した。

本日の午後、自然のためのマニフェストを発表したBirdWatch Ireland(BWI:バ-ドウォッチ・アイルランド)は、アイルランドの病める自然の現状を赤裸々に提示した。

アイルランドでは野鳥の2/3が保護の対象となっていることに加え、水鳥の種もここ20年以内に40%減少した。

野生のハチの1/3は絶滅の危機に瀕しており、国際的に重要かつ保護されている生息地の85%はひどい状態となっており、生垣の1/3以下は良い状態だが、水質は低下している。

昨年欧州委員会に送られたアイルランドの最新の生物多様性評価報告書も、原生林、砂丘、沼地、高地、海洋生息地の状態が悪いことを指摘している。

BWIの政策提言部門の副責任者であるOonagh Duggan氏は、候補者が個別訪問をした際に、これらの問題を前面、中心に取り上げるよう一般市民に呼びかけた。

我々が「種や生息地の減少を食い止め、回復させる」ためには、現在「A&E」にいるアイルランドの動植物に、すべての関係者の全面的な支援が必要だ、と彼女は付け加えた。

「 [次の]政府に対し、生物多様性の損失を食い止め、回復させると同時に自然を復元し、強靭な気候変動対策を実施し、新たな食料・農業政策を策定するための健全な道筋を確立すること、また自然と人々のために我々の海を保護することを我々は求めているのです。ぐずぐずしている暇はありません」と、Duggan氏は警告した。

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2020年9月 1日 (火)

絶滅した生物たち: 2019年に失われた種

鳥類3種、カエル2種、サメ1種、有名なカタツムリ1種と世界最大級の淡水魚を含む多くの種が今年絶滅した。

和訳協力:松岡 真由美、校正協力:木田 直子

2020年1月6日 The Revelator News

2019年、多くの種が絶滅した。

この年の絶滅は、ハワイの小さなカタツムリで幕を開け、世界最大級の淡水魚で幕を閉じた。

鳥類3種、サメ1種、カエル2種、植物数種、その他多くの絶滅が確認された。

2019年に絶滅した(またはほぼそれに近い状態にある)と宣言されたのは二十数種だが、今年実際に絶滅した種の総数はおそらく数千に上るだろう。
通常、研究者たちは種の絶滅を宣言する前に何年も、時には何十年も時間をおき、その上さらに入念な調査を行ってからの宣言となる。

言うまでもなく、数に入れられるのは存在が確認されている種のみだ。
残念ながら絶滅するほとんどの種は、公には確認されていないか名もないままの種だ。
絶滅する動植物は極端に狭い生息地に住んでいることが多く、生育・生息環境に対する自然破壊や環境汚染、自然災害、侵入種やその他の脅威などの影響を受けやすい。
最近絶滅が報告されたものの中には、絶滅してからかなりの時間を経た後に、博物館の標本の中で発見された動植物種も含まれているように、絶滅したことがいつか特定されることがないとは言えない。
しかし、そもそも保護の必要性を把握できなければ救うことができないのだ。

この年に世界の生物多様性にもたらされた影響を完全に把握するにはまだ時間がかかるだろうが、研究者や保全団体の関係者らが2019年に絶滅したと宣言した種を以下に挙げる。
これらは、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストや科学雑誌、多くのメディア記事や私自身のレポートからの抜粋である。
このうち絶滅がリアルタイムで観察されたのは1種のみで、最後の1個体は多くの人に見守られながら息絶えた。
多くは何十年もの間その姿を見られることがなかった種で、今回やっと絶滅種のリストに加えられた。
生育・生息地の大部分での消失を示す局所絶滅はわずかだったが、生育・生息地の消滅や分断化は種を絶滅に向かわせる第一歩となることが多いため、注意が重要だ。
最後に、これらのうちいくつかは暫定的な判断であり、まだ望みがある証に、研究者たちはその種を探し続けている。

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2020年8月18日 (火)

最新の調査により、ウミガメの違法取引がインドネシア、マレーシアおよびベトナムで長年横行していることが判明

和訳協力:矢口 陽子、校正協力:高橋 公貴

2019年11月19日 CITES JOINT PRESS RELEASE

CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約)事務局の委託によりTRAFFICが実施した新しい調査の報告によると、インドネシア、マレーシアおよびベトナムにおいて、現物市場とオンライン市場の両方での押収物から、数千匹のウミガメとその体の一部が見つかったとのことである。

2015年から2019年7月までに、上記3か国において法執行が行われた163件の事件で、丸1匹の生きたウミガメと死んだウミガメを合わせて、少なくとも2,345匹が押収された。
91,000個以上の卵(そのうち75,000個はマレーシアだけで押収された)も、3,000個近い甲羅と1.7tの肉とともに押収された。

上記3か国以外の国で2016年と2017年に実施された押収データの分析では、ウミガメの国際的な違法取引に、インドネシアとベトナムが関与していることが示された。
ベトナムは精査された8件の押収事案のうち、原産国または消費国として6件に関わっていた。
この8件の押収事案において、少なくとも782匹のオサガメが押収され、そのうち380匹以上はハイチで捕獲されたもので、フランスからベトナムへ送られようとしていた。

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2020年7月28日 (火)

計画中の水力発電用ダム、ガボンの魚類への脅威に

和訳協力:堀込 奈穂子、校正協力:伊川 次郎

2020年2月6日 PHYS ORG News

新たな研究によると、ガボンで計画中の水力発電用ダムは、アフリカ諸国の特に文化的にも経済的にも重要な魚類にとって大きな驚異となっている。

本日、科学雑誌『Ecosphere』に掲載された本研究は、博物館の記録を生態学的データに関連付けることにより、中央アフリカの淡水魚の分布を予測する初めての研究である。
データの統合により、研究者らはガボンで建設予定の40基近くのダムが多くの魚類にどのようび影響を与えるかを推定することができた。

ガボンの文化的、経済的に重要な魚類の多くは、海から川に移動する。
この中には、400㎞も遡上し、純粋な淡水域まで達する種もいることが知られている。

ガボンには世界でも有数の、構造物のない原生的な水系があり、淡水生物の多様性が豊かである。
計画中のダム群は、海洋種にとっても適した環境である多くの淡水生息地への移動を阻むものであり、少なくとも350の魚種に影響を与えるだろうと、オレゴン州立大学の准教授であり、研究共著者でもあるBrian Sidlauskas氏は言う。

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2020年7月21日 (火)

両生類の世界的なペット取引: 種の特性、分類学的偏り、および将来の方向性

和訳協力:坂本 義教、校正協力:山田 寛

2019年9月20日 Biodiversity and Conservation掲載論文要約部分抜粋

要約

急増する両生類を含む脊椎動物の世界的なペット取引は、自然個体群の乱獲、疾病の蔓延および侵入などに、保全上の影響を及ぼす。
両生類の生息域外への侵入はペット取引経由によるものが大多数であり、生息域外の両生類種の現在のリストは、将来の侵入種が現在知られている以上に広範な分類学的多様性を含むことを示唆する。
取引が動的であることを考慮すると、現在の取引対象種を越えて動き、将来的にどの種が取引され、侵入種の候補となる可能性があるのかを理解することが不可欠である。

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2020年7月 7日 (火)

保護区域周辺の人間と野生動物の対立を緩和するための地域密着型の戦略の実験的調査

和訳協力:福谷 早希子、校正協力:山田 寛

2019年10月16日 Conservation Letters掲載論文要約部分抜粋

要約

自然の生息環境は急速に耕作地に転換されており、野生動物による耕作被害は世界中で野生動物保全と人々の暮らしの両方を脅かしている。
耕作被害を減少させる地域主体型戦略を評価するために、モザンビークのゴロンゴーザ国立公園の外部において、BACIデザイン(注に基づき、GPS首輪を装着したゾウからの移動データと、カメラトラップデータおよびローカルレポートシステムを組み合わせた。
調査した全種類の実験用の柵(ミツバチの巣箱、トウガラシ、ミツバチの巣箱およびトウガラシの組み合わせを行ったもの、ならびに手順制御したもの)は、ゾウが公園から出て耕作地を荒らす回数を有意に減少させた。

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2020年6月30日 (火)

象牙やサイの角の大物密輸業者逮捕で革命の兆し

和訳協力:加藤 有起枝、校正協力:木田 直子

2019年6月25日 The national magazine of the Sierra Club

6月12日、ウガンダで、「カンパラマン」の呼び名を持つリベリア市民Moazu Kromahが逮捕された。
その翌日、Kromahはニューヨーク市の連邦裁判所の被告席に立ち、裁判官が彼に対する起訴状-740万USドル(約785,584,000円、2020年3月5日付換算レート:1USドル=106.16円)の価値のあるサイの角や象牙を売った罪を含む-を読み上げるのを聞いていた。

これまでにも動物の部位を扱う大物密輸業者が数人逮捕されたことはあるが、専門家はこの事件を、当局と違法な野生生物取引との戦いにおけるパラダイムシフトだと考えている。
これからは、犯罪組織への潜入と解体を積極的に行い、手堅く立件することによって、確実に犯罪組織のメンバーを処罰していくことになる。

「我々は、1回の押収や1つの事件への端緒としての対応ではありません。犯罪組織ネットワークを明らかにし、積極的に彼らを追いつめていきます」と、アメリカ合衆国魚類野生生物局の国際作戦部担当David Hubbard特別捜査官は語る。
「私はこれが、野生生物の密輸の世界における転換点となると考えています」。

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2020年6月23日 (火)

公海での生物多様性保護に求められる移動性海洋保護区

和訳協力:長縄 英里香、校正協力:鈴木 康子

2020年1月16日 PHYS ORG News

各国指導者は、世界の海洋環境の大部分を占める公海に適用される法律の改訂に取り組んでいる。
これは気候変動下における生物種の移動に合わせて、保護区を移動させることを可能にする新たな取り組みを導入するまたとない機会であると、今週、海洋科学者が述べている。

1月17日発刊の科学雑誌『サイエンス』に掲載された論文において、科学者らは1982年に採択された「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS、通称「国連海洋法条約」の改訂において、国連が移動性海洋保護区を盛り込むよう主張している。

「動物がひとつの場所にとどまっていないことは明らかです。多くが広大な海域を移動しており、その範囲は時と場所によって異なります」と、この論文の筆頭著者であるワシントン大学ボセル校で回遊性海洋生物の研究を行っているSara Maxwell助教授は述べている。
「固定した海洋保護区を設けても、気候変動が起これば保護しようとしている動物がその場所から移動してしまう可能性があります」。

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2020年6月16日 (火)

エルニーニョがアマゾンに生息する昆虫の急減の一因であることが最新の調査で明らかに

和訳協力:木村 敦子、校正協力:鈴木 洋子

2020年2月10日 PHY ORG News

暑さと乾燥を激化させるエルニーニョ現象はアマゾンの熱帯雨林の生物多様性に憂慮すべき影響を与え続けており、さらに不安を与えるような全世界の昆虫の急減に拍車をかけていることが科学者たちにより明らかにされている。

地味ではあるが生態学的に重要な糞虫類に重点をおいた最新の研究から、最近のエルニーニョ気候現象の間に起こった深刻な干ばつと山火事は、人間の干渉と組み合わさって糞虫類の個体数を半数以下に減少させ、この影響が少なくとも2年間以上続いていることが初めて明らかになった。

2015-2016年に起きたエルニーニョは、2019年の森林破壊火災よりも注目を集めなかったが、非常に著しい干ばつをもたらした。
また農業や森林破壊などの人間活動と相いまって、一つの地域だけでの100万haが焼けた火災を含め、アマゾンの森林の300万ha以上を焼いた巨大規模の山火事の一因となった。

アマゾン川流域の熱帯樹林での山火事と干ばつの影響は数十年間にわたって調査されてきたが、研究者達は、干ばつと山火事が動物相に及ぼす影響および生態系の機能におけるそれらの役割についてはあまり理解していなかった。

糞虫類は栄養分と種子を分散させる重要な役割を果たしており、また生態系の全体の健全性を評価するために用いられている重要な指標昆虫である。

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2020年6月 9日 (火)

再生が必要な東アフリカの魚

和訳協力:小川 佳奈子、校正協力:高橋 公貴

2020年2月7日 PHYS ORG News

東アフリカにおけるサンゴ礁の研究により、この地域で広がりつつある災害が明らかとなった。
それは乱獲による魚の個体数の大幅な減少で、ひいては食料不足を引き起こす可能性がある。

科学雑誌Marine Ecology Progress Seriesで新たに発表された論文「サンゴ礁の魚の群集、多様性、および東アフリカにおけるその漁業と生物多様性の状況」の中で、WCS(野生生物保護協会)の上級動物保護学者であるTim McClanahan博士は、乱獲がこの東アフリカ地域全体に広がっていると報告している。

この論文の単独著者によると、解決策は、開発途上国であるケニア、タンザニア、モザンビークにおいて、最大漁獲量をもたらし得るほどに漁業資源を再構築させる必要があると認識することである。
アフリカ大陸は、人口増加率が最も高い地域の一つで、それに関連する食料安全保障の問題を抱えている。

「海洋公園や沖合もしくは波の荒い海域内における漁業資源は健全なレベルであることが分かりましたが、漁業が解放されている沿岸部についてはまた別の話です」とMcClanahan博士は語る。
「アフリカの近年の漁獲量は年間100万t減少しており、この漁獲量減少の多くが漁業資源の減少によるものであることを示しています」。

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2020年6月 2日 (火)

マリンパークの区画整理で、サメの保全をさらなるものに

マリンパークの区画整理で、サメの保全をさらなるものに

和訳協力:丸岡 咲耶花、校正協力:プリチャード 若菜

2019年4月4日 PHYS ORG News

西オーストラリア大学の最新の研究によると、オーストラリア領海の絶滅が危惧されている外洋性のサメに対する保全対策は、生息環境の保護が不十分なことが原因で停滞しているという。

しかし、Global Ecology and Conservation誌に掲載された研究では、海洋公園に少し手を加えるだけで、アオザメやその他の外洋性のサメの保全に大きな変化をもたらす可能性が示唆された。

西オーストラリアの大学海洋研究所および生物科学部に在籍し、博士の学位を取得する予定の筆頭筆者であるCharlotte Birkmanis氏は、サメは世界中の海洋における頂点捕食者であると述べた。

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2020年4月21日 (火)

アフリカゾウの生息域分布はヒトの占有する生態系では採餌機会により強い影響を受ける

和訳協力:石山 彩子、校正協力:プリチャード 若菜

2019年10月2日 Ecography掲載論文要約部分抜粋

種の空間利用における基本的な行動パターンは、採餌とそれに伴う危険性との兼ね合いにより決まる。アフリカゾウについては、密猟や人間との軋轢が個体数減少の主要因とされるが、ヒトの活動地域で襲撃されることに直面したアフリカゾウがとる空間利用および行動パターンは、ほとんど知られていない。我々は、ゾウが主に生息する保護区の柵外のコミュニティの放牧地という動的な生態系において、ゾウが資源へのアクセスと、ヒトの存在および襲撃される危険性(密猟や人との軋轢によるもの)といった要素をどのようにバランスを取りながら行動するかの理解を試みた。

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2020年3月27日 (金)

違法な伐採、漁業、野生生物取引の実質費用は年1兆~2兆ドルに

和訳協力:深井 悠、校正協力:鈴木 洋子

2019年10月29日 World Bank Blogs

違法な伐採、漁業、野生生物取引により、世界から貴重な天然資源が、そして最終的には開発の利益や人々の暮らしが奪われている。
統計値は厳しい現実を示しており、象牙を得るために約30分に1頭のゾウが、また角を取る目的で8時間に1頭のアフリカのサイが密猟され、魚は5匹のうち1匹は不法に漁獲されており、そして特にアフリカと南アメリカにおけるある特定の国々では、木材の50~90%が違法に切り出されて取引されている。
すべての違法取引額のうち35%はシタン材に由来すると推定される。

世界銀行は先週「Illegal Logging, Fishing and Wildlife Trade: The Costs and How to Combat It((仮)違法な伐採、漁業、野生生物取引-そのコストと戦い方)」という新たなレポートを発表した。
本レポートでは、これらの違法行為の年間のコストを1兆~2兆ドル(約110兆~220兆円、2020年2月18日付換算レート:1USドル=109.75円)という膨大な金額であると計算した。
こうした損失のうち90%以上が、森林や野生生物、沿岸資源がもたらし、炭素貯蔵、生物多様性、水のろ過、洪水貯留など、現在は市場によって評価されていない生態系サービスに由来しているものだ。

この市場の失敗は、地球の生態系保全の取り組みについての大きな政策課題となっている。
天然資源の原産国政府は、地球の生態系保全のための財政的な利益を獲得するべきなのだ。
そして地域の暮らしを改善し財政的な収益を増やすために、合法的で持続可能な伐採や森林管理、合法的な漁業と野生生物取引を促進する必要がある。

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2020年3月17日 (火)

50年以上にわたりタグ装着・再捕獲したサメから得られた最新のサメアトラス

和訳協力:鈴木 康子、校正協力:伊川 次郎

2020年2月3日 PHYS ORG News

52年間にわたり大西洋に生息する35種のサメの分布と移動を記録したデータベースによって、ほとんど知られていない種の新たな情報が明らかとなった。
さらに、サメがどの海域を移動し、どの程度の年数を生きているかも含めた驚くべき発見も得られた。

科学者らは、1962年から2013年の間、サメにタグを装着あるいは再捕獲、またはその両方を行って、データを収集した。
サメは大西洋と、メキシコ湾、カリブ海、地中海を含むその関連海域で発見された。
この期間中にタグが付けられたサメは合計35種229,810個体におよび、再捕獲されたのは31種13,419個体であった。
この結果得られたデータは、2019年12月に発行された科学雑誌『Marine Fisheries Review』に発表された。

この新しい追跡データにより1962年から1993年に収集されていたデータが更新され、さらに22種の情報が追加された。
オオメジロザメやイタチザメおよびイヌホシザメを含めた14種のサメについては、詳細データが提供されている。
データの更新により、サメの分布域や行動に関する既存の情報が大幅に拡充されることとなった。

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2020年2月28日 (金)

アフリカゾウの密猟率は、地域の貧困、国家的な汚職、世界的な象牙の価格に関係している

和訳協力:石黒 智子、校正協力:佐々木 美穂子

2019年5月28日 Nature Communications掲載論文要約部分抜粋

密猟により、アフリカ全域のゾウの個体数が急激に減少している。
政治的環境が目立って変化したことによって、アフリカにおける密猟されたゾウの全体的な数は減少したように見えるが、保全のための介入の潜在的な効果を見定めるためには、地域規模と世界規模とにおいて密猟率を変動させるプロセスを理解しなければならない。
ここで我々は、53の調査地点において年間密猟率が主に中国市場での象牙需要の指標と強い関連性を持つことを明らかにする一方で、国家間や地域間での密猟率の違いは、汚職と貧困の指標と極めて強い相関関係にあるということを示した。

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2020年2月25日 (火)

研究によりカーリー盆地の水不足と自然植生の減少のつながりが明らかに

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:佐々木 美穂子

2019年2月22日 Mongabay-India news

・ベンガルール出身の生態学者チームがカリ川流域を調査し、水と生物学的多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の変遷との間の相互関係を明らかにした。
・本研究は非計画的な開発事業や大規模な森林の分断化の悪影響にも注目した。
・ガンジス川の上流域における別の研究でも同様の結果が得られた。

インドの科学者らによる、インド半島の西ガーツ山脈にあるカリ川流域で、その水とエコロジカル・フットプリントの評価を行う新しい手法により、この流域の自然植生の減少が明らかになった。
これはこの地域における水の持続可能性に影響を及ぼすものである。

ベンガルールにあるIndian Institute of Science(IISc:インド科学研究所)の生態学者らが開発したこの手法は、最初にカルナータカ州内の河川の研究に使用され、河川流域における生物多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の動的な相互関係を評価した。

カリ川流域にはトラとサイチョウの保護区があり、また野生のゾウが生息している一方で、カリ川河口には37種の魚類や二枚貝、あるいは軟体動物が生息している。
この河川には1980年から2000年の間に築かれた6つの主要なダムもある。

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2020年2月 4日 (火)

禁漁海域、漁業者(および魚)に予想以上の効果

和訳協力:下島 深雪、校正協力:鈴木 康子

2019年7月4日 PHYS ORG news

漁の禁止により生物が保護されている海域、つまり、marine protected area(MPA:海洋保護区)は、保護されていない海域に比べ、haあたり少なくとも5倍の魚を生産するとの新たな研究が7月2日に発表された。

この予想を超える結果は、MPAsが海域の保全および隣接する海域での漁獲量の増加において、これまでに考えられてきた以上に重要な役割を担っていることを示している。

この研究で、魚1個体あたりの稚魚の数は、魚の体長が大きくなるにつれて指数関数的に増加することが判明した。
魚の個体数を推定する以前のモデルでは、魚の大きさによる違いを考慮していなかったのだ。
この基本的な前提を改めることで、MPAsの真の価値が一層明確になった。

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2020年1月31日 (金)

有機畜産農業が野鳥を増やす

和訳協力:岩城 小百合、校正協力:長井 美有紀(Myuty-Chic)

2019年5月24日 Anthropocene News

新しい研究で、フィンランドの有機畜産農業が、野鳥にとって独特で驚くべき利益をもたらしていることが示唆された。
農業はヨーロッパにおける生物多様性の喪失を引き起こす主要な要因だが、PLOS Oneの研究により、有機農業を支援する特定の補助金がよい影響をもたらしていると思われることを初めて示した。
一方で、他の農業補助金は期待した利益をもたらしていなかった。

ヨーロッパでこのような発見がなされたことはもっともなことで、ヨーロッパでは最も優勢な土地利用タイプが農地で、毎年数えきれないほどの野生生物を追いやっている。
この喪失を食い止めるために、近年EU(欧州連合)は、高価な農業補助金システムを展開した。
これは、農地利用の度合いを減らし、生物多様性を守るために農家に動機づけするためのものである。
それには、農地に生垣を設ける方策や有機農業の教義に基づいた農業を実施する方策も含まれる。

しかし、地域全体におけるこのような個別の努力の真の利益を評価することは難しいため、意図された効果が得られたかどうかにより判断することとした。
そこで研究者らは、農地の90%が補助金プログラムの基で行われている、または有機農業を実施しているフィンランドを対象とすることにより、この問題について調査することとした。
また、ある種の野生生物、つまり野鳥に絞って影響を分析することにした。

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2020年1月28日 (火)

研究:食料の安全保障を脅かす世界の農業の動向

和訳協力:長谷川 祐子、校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2019年7月11日 EurekAlert News Release

柑橘類、コーヒー、アボカド、我々の食卓に載る食べ物はこの数十年でより多様化した。
しかしながら、世界の農業はこの動向を反映していない。
単一作物の大規模栽培が世界各地に広がっており、利用される土地は過去最大規模になっている。
それとともに、栽培されている作物の多くが虫やその他動物による授粉に頼るようになっている。
このことが食料の安全保障をますます脅かしていると、Martin Luther University Halle-Wittenberg(MLU:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク)の支援を受けた研究チームが、科学雑誌Global Change Biologyに投稿した。
研究者らはこの研究のために、過去50年間の世界の農業開発を分析した。

研究者らは、1961~2016年の農作物の栽培に関するFAO(国連食糧農業機関)のデータを分析した。
それによると、世界各地でますます多くの土地が農地として利用されていることに加え、栽培作物の多様性も失われたという評価が出された。
一方で、最も早く成長する20種類の作物のうち16種類が、虫やその他の動物による授粉を必要とする。
「つい数か月前に、世界的な生物多様性の評価組織であるIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム)は、最大で100万種の動植物が絶滅の危機に瀕していることを世界に向けて公開しました。その中には花粉を運ぶ虫や動物も多く含まれています」と、この新しい研究の著者の1人であり、MLUに所属する生物学者のRobert Paxton教授は述べる。
特に影響を受けているのはハチである。
ミツバチ類は病原体や殺虫剤の脅威にますますさらされており、野生のミツバチ類の数は数十年間のうちに世界各地で減少し続けてきた。

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2020年1月24日 (金)

絶滅の危機に瀕するカエルのための保護区

和訳協力:湊 紗矢可、校正協力:蛯名 郁矢

2018年12月4日 PHYS ORG news

ガーナにおいて、コミュニティベースの保護区という新たな形での大きな後押しを受け、世界で最も絶滅の危機にさらされており、また進化の観点において特徴的な両生類の存続に見通しがついた。

2018年9月に政府官報に記載された、この極めて重要な保護区の創設に対する科学的正当性は、主にガーナの生物学者チームの調査結果に基づくものである。
想起的な種名であるTogo Slippery Frog(学名:Conraua deroo、ゴライアスガエル科ゴライアスガエル属の1種)についてのこのチームの研究は、Conservation Leadership Programme(CLP:自然保護リーダーシップ・プログラム)によって支援されたものだ。

保護区創設のために土地を寄付した2つのコミュニティに敬意を表して名付けられた、350haのOnepone(「oh-nay-poh-nay」と発音) Endangered Species Refuge(絶滅危惧種保護区)は、ダホメ・ギャップと呼ばれる地域に、最後に残された森林地帯の1つを保護することになる。
ダホメ・ギャップは、森林を上部ギニア森林と下部ギニア森林とに分離する、回廊状のサバンナのことである。
この2つの広大な西アフリカの熱帯雨林地帯は、アフリカ大陸に生息している哺乳類の1/4分以上とその他の無数の動植物が生育・生息する、世界で最も貴重な、そして最も危険にさらされている、生物多様性が高い地域の1つだ。

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