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JWCSのワイルドライフニュース

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このブログは、認定NPO法人野生生物保全論研究会/JWCSが運営する、おもに海外のNGOや国際機関、環境条約の事務局などが発信する、野生生物に関する最新ニュースを和訳した記事を紹介しています。

野生生物と人との関わりや、JWCSが主に情報収集や働きかけを行っている、野生生物を保全するための国際条約(ワシントン条約、生物多様性条約、ボン条約等)の最新の動きに関するものや、世界の絶滅危惧種がさらされている現状などを取り上げています。

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2016年9月24日 (土)

ウナギ属の保全と取引について(CITES CoP17の決議案)

-解釈と施行に関わる問題、特定種に関わる問題-

和訳協力:蛯名 郁矢、校正:JWCS

1. 当文書は、EUおよび加盟諸国により提出された。

背景
2. ウナギ属の国際的な取引は数十年続いており、養殖や食料品、アクセサリーに関わる製品が取引対象になっている。回遊の障害物、棲息地の喪失、タービンに巻きこまれての死亡、汚染、疾病、寄生虫、捕食者などその他多くの問題や、上記の取引および国内使用を目的としたウナギ属の漁獲により、一部のウナギ属の個体群は、種の存続を妨げる利用を避けるために取引を管理することが求められる水準にまで減少した。しかしながら、個体数の減少を理由に、ある一種類のウナギ属の採集と取引の両方またはいずれかを規制すると、別の種に需要が向かう。したがって、ウナギ属を種全体として持続的に管理できるよう、その取引と管理状況についてのデータを一元化することが急務である。

3. Anguilla anguilla(ヨーロッパウナギ)はCoP14にてワシントン条約附属書IIに掲載され、2009年より施行された。ヨーロッパウナギの生物学的実態につては、とりわけICES/GFCM/EIFAAC2 Working Group on Eels(WGEEL)により数年間に渡り監視されている。 ヨーロッパ域内では激減した状態であるあめ、2010年12月以降ヨーロッパウナギに対するnon-detriment find(種の存続等を害することにならないという確認・NDF)に認可を与えることができていない。近年、ヨーロッパウナギのEU内外への輸出入は認められておらず、2011年以降、全EU加盟国の同種の輸出割り当て量はまったくない状態が続いている。ヨーロッパウナギの保護状態を改善するために、2007年にEUではウナギ保護に関するEU内での法令を採択し、ヨーロッパウナギの資源量の回復の手立てを打った。この「規則」に定められた義務に従い、EU加盟国は国際的な水準でウナギ資源管理計画を策定してきた。そうした管理計画には、産卵場所に向かって海洋に泳ぎ出るウナギの成体の割合が、人間の影響がなければそうなっていただろう推定資源量の少なくとも40%以上には長期的に到達することを目的とした管理政策(具体的には、漁業の削減、川の「継続性」の改善、汚染の軽減など)が含まれている。

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2016年9月15日 (木)

国内象牙市場の閉鎖(CITES CoP17の決議案)

-特定種に関する問題:ゾウ (ゾウ科)-

和訳協力:ジョンソン 雅子、校正:JWCS

1. 本文書は、アンゴラ、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、エチオピア、ガボン、ケニア、ナイジェリア、セネガルによって提出された。
*本文書に使用される地理的指示は、一切の国、領土若しくは地域に関連する法的状況若しくは国境または境界限界の設定に関連し、CITES事務局一環による如何なる意見も示唆するものではない。本文書の内容の責任は著者が単独で有する。

2. ゾウの違法捕殺及び象牙の違法取引は大部分のアフリカで大きな問題となっている。そのため、これまで安全と考えられていたものも含め、サバンナゾウ及び森林ゾウの多くの生存が脅かされている。そして、アフリカの森林及びサバンナの生態系の健全性を脅かすことになっている。

3. 違法捕殺と違法象牙取引は、地域社会とともに広くゾウ生息国の持続可能な経済発展に支障を与えている。

4. ゾウ密猟と象牙取引は国際的な犯罪者ネットワーク及び犯罪組織が援助しており、汚職を促進し、また汚職によって促進され、法及び保安規定を脅かし、そして市民軍及びテロリストの活動に関わる者に資金を提供しているケースもある。

5. ゾウ密猟と象牙取引は安全を脅かすとともに、アフリカのゾウ生息域にある地域社会、とくに遠隔の脆弱な地域社会の安全と生活を脅かしている。そして、ゾウやその他の動物保護の任務を課された人の命やその家族にはとくにリスクとなっている。

6. 法的な国内市場のものを含む全ての象牙販売には、ゾウの生息数と地元の地域社会へのリスクを高める可能性を元来持つもので、それは国内象牙市場が生息域、通過、または消費者国のいずれにあっても、合法的と装う違法な象牙の浄化に大変有利な状況を与えているからである。

7. アフリカゾウ活動計画とは、 アフリカゾウ生息域にある全ての国が第15回締約国会議にて合意し締結された協定である(CoP15)。これによって合意された優先目標と活動が定められた。もしこれが、アフリカゾウの生息域で実行されれば、現在のアフリカゾウ密猟の危機が大きく対処されることになる。

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2016年9月 1日 (木)

ロシアでは伐採業者がフクロウの最愛の友?

和訳協力:立田 智恵子、校正協力:石原 洋子

2015年9月29日 WCS News Release

フクロウと伐採業者は仲良くできるのだろうか?
ロシア極東の南部にある沿海地方で行われた最近の研究では、両者がうまく付き合うのが可能なだけでなく、絶滅の危機に瀕したBlakiston's fish owl(シマフクロウ)が沿海地方で生き延びるために必要であることが分かった。
この研究は、WCS(Wildlife Conservation Society:野生生物保護協会)、Russian Academy of Sciences(ロシア科学アカデミー)、そしてUniversity of Minnesota(ミネソタ大学)が実施したものである。

結果によれば、20,213㎢(7,804mile2)の調査区域のうち、シマフクロウに適している生息地の多く(43%)が伐採業者に貸し出されている土地にあった。
そのうち、自然保護地区として保護されているのは僅か19%(たった8組のフクロウのつがいにふさわしい広さ)しかない。
この研究の報告である論文「Blakiston's fish owl Bubo blakistoni and logging:applying resource selection information to endangered species conservation in Russia((仮)シマフクロウと伐採:ロシアにおける絶滅危惧種の保全への資源選択情報の応用)」は、査読付きの学術雑誌『Bird Conservation International』で、一定期間無料で閲覧できる。

これは「Spotted Owl vs Loggers II: Russia Edition((仮):Spotted Owl(ニシアメリカフクロウ)対伐採者II:ロシア版)」と同様の筋書きのように聞こえるかもしれないが、シマフクロウの擁護者とロシアの伐採業者の関係は、1990年代に米国太平洋岸北西部で起こったニシアメリカフクロウと伐採者との激しい論争ほど険悪ではない。

事実、沿海地方の北東部で最大の伐採業者のひとつであるOAO Amgu社は、すでに生物学者と協力して、彼らの土地にあるシマフクソウの生存に欠かせない渓畔林の区画選定を行っている。
つまり巣作りに適した大きな樹木や、沿川地域におけるフクロウが好きな餌である鮭を獲る場所などだ。

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2016年8月25日 (木)

象牙取引の幕引きに米中が合意

和訳協力:蛯名 郁矢、校正協力:石塚 信子

2015年9月25日 WILDAID News

野放図になっている密猟からアフリカの象を救おうという歴史的合意において、オバマ大統領と習近平国家主席は、金曜日にアメリカと中国での象牙の商取引を終わりにするとの合意に至った。

この声明は、習主席が、世界最大の象牙市場である中国での象牙売買に終止符を打つ、との考えを初めて公に示したものであり、5月に中国高官が国内の象牙取引を段階的に排除していくと誓約したことに続くものである。
この声明は、商用象牙取引の世界的な中心地となっている香港に対しても強い圧力を与え、合法的な象牙取引を禁ずることになる。
香港はまた、近年密猟されたアフリカゾウの象牙の密輸や非合法取引の隠れみのの一つになっている。
近頃の調査により、香港で売買されている象牙の90%以上が中国本土に密輸されているものであることが明らかとなった。

金曜日にホワイトハウスから刊行された概況報告書では、上記の合意を承認している。以下に全文を示す。

野生生物の違法売買について
米中両国は、野生生物の違法売買と闘う重要性および緊急性を認識し、この世界的な課題に対して積極的な方策を打ち出すことを約束した。
両国は、狩猟の記念品としての象牙の輸入への重要かつ時宜を得た規制を含む、象牙の商業取引をほぼ完全に禁じる法律を制定すると約束した。
また、国内の象牙の商業取引を禁止する重要かつ時宜を得た対策を講じるとも約束した。
双方とも、野生生物の違法売買との戦いに関し、合同訓練や技術の交流、情報共有、公教育について一層の協力をすること、またこの分野に関して、国際的な法の執行での協力を強化することを決定した。
さらに、野生生物の違法売買を撲滅するための包括的な取り組みで、他国とも協力することを決定した。

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2016年8月18日 (木)

コンゴ民主共和国におけるゾウの危機への緊急支援

和訳協力:松尾 亜由美、校正協力:石原 洋子

2015年11月16日 FFI News

Rapid Response Facility(RRF:(仮)緊急対応基金)の新たな助成金が、UNESCO(国際連合教育科学文化機関、通称「ユネスコ」)の世界遺産であるGaramba National Park(ガランバ国立公園)における密猟問題に取り組む関係当局の助けとなるだろう。

RRFは、横行するゾウの密猟問題へ取り組むために、コンゴ民主共和国のガランバ国立公園への緊急資金援助を行う。

この18か月で215頭以上のゾウが殺され、公園内のゾウの生息数は今では1,500頭を下回るほどに減少していると見られている。
現在のところ、公園の管理団体であるAfrican Parks Network((仮)アフリカ国立公園ネットワーク)による危機対応がないままにこの規模での密猟が行われれば、ガランバ国立公園は8~10年以内に、この公園の特徴といえるゾウたちを失うことになるだろう。
つまり、世界遺産の認定要件であるOutstanding Universal Value(顕著な普遍的価値)の大きな損失となるのだ。

ガランバ国立公園はコンゴ民主共和国の北東部と南スーダンの境界部に位置しており、密猟はこの極めて不安定な地域での政治的不安定さと戦闘に関係していると考えられている。
密猟者たちは最新の武器や大量の銃弾で重装備し、時にヘリコプターを使うことさえもある。
ゾウの死体からは、象牙だけではなくほかの部位が取られる場合もあり、子ゾウも含めて全てのゾウがターゲットになり得るということである。

ガランバ国立公園は、キタシロサイ(現在は絶滅したとみられる)の最後の生息区域であり、またゾウの生息地であるとして、顕著な普遍的価値があることが認められ、1980年に世界遺産に登録された。
しかし、あまりに多くの哺乳類に対する密猟圧により、1996年からWorld Heritage in Danger list(危機遺産リスト)に登録されている。

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2016年8月11日 (木)

ソテツの違法採掘で10年の刑に

和訳協力:伊川 次郎、校正協力:滝野沢 ゆり

2015年7月8日 IUCN Redlist News

東ケープ州および、おそらく南アフリカ全土における記録史上初めて、ジャンセンビル地方裁判所がオニソテツ属のソテツ類の違法採掘者に、執行猶予なしの10年の禁固刑を宣告するという、革新的な判決を下した。

IUCN(国際自然保護連合)のSOS(Save Our Species)の助成対象団体であるEWT(Endangered Wildlife Trust:絶滅危惧野生生物トラスト)は、National Prosecuting Authority(南アフリカ国家検察局)とCoetzee弁護士および他の3名と共に、前述の違法採掘者を逮捕した南アフリカ警察のメンバーたちを高く評価したい。
これは、この事件に対する実に素晴らしい判決であり、これから罪を犯そうとしている者たちに対して、こうした絶滅の恐れのある植物を採掘することは断じて割に合わないという強いメッセージとなるだろう。

事件に関わっていた違法採掘者は4人で、12本のEncephalartos lehmannii(別名Karoo Cycad、ヒメオニソテツ)のヨハネスブルグへの密輸を企てたとして、2014年に逮捕された。
ヒメオニソテツは、2007年2月23日に発行されたNational list of Threatened or Protected Species((仮)絶滅危惧種または保護種の全国リスト)に保護種として記載されており、また世界的には絶滅危惧種に関するIUCNレッドリストで準絶滅危惧種として評価されてきた。

裁判は2015年6月24日、ジャンセンビル地方裁判所で、Rene Esterhuize判事の下で行われた。
違法採掘者のうちの3人、Shadrack Matambo、Desmond ManodawafaおよびAlex Khozaは、執行猶予なしの5年の禁固刑を宣告された。
4人目のSibusiso Khumaloは、ソテツの違法採掘で過去に2件の有罪判決を受けていたために、より長い10年の懲役刑が宣告された。
犯行に用いられた車両も押収され国に没収された。

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2016年8月 4日 (木)

IUCN、2015年「世界トラの日」を祝う

和訳協力:下島 深雪、校正協力:浅原 裕美子

2015年7月29日 IUCN statement

「世界トラの日」に向けてのIUCN(国際自然保護連盟)のInger Andersen事務局長による声明

トラは、森を象徴する動物です。
強さ、優美さ、権力のシンボルでもあり、伝説の存在です。

子どもの頃に恐れ、驚いたこの素晴らしい動物が、絶滅の危機に追いやられるなど想像も及びませんでした。

ところが、現実にそうなのです。
今日は、世界トラの日ですが、これは、20世紀に97%のトラが姿を消し、その個体数が約10万頭から現在の約3千頭にまで急激に減少しているという衝撃的な事実を受けて開かれた2010年の国際サミットで制定されたものです。

残った個体群は今や孤立しており、アジアでの薬の取引のための密猟、生息地の喪失や分断化、人間が生活のために狩猟をするトラの餌となる種の減少などによって、さらに切迫した状況下にあります。
重要なトラの生息地およびその周辺で生活する住民が増え続けるにつれて、森林資源の減少という脅威も続くことになるのです。

捕食動物の頂点として、健全な生態系を維持するのにトラは重要な役目を担っています。
トラの運命は、生息地としている森林や草原の運命と本質的に結びついていて、同様に食糧の確保や生計を立てるためにこうした資源に依存している人々の運命とも関係しています。

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2016年7月29日 (金)

ヴィルンガ中央山塊でマウンテンゴリラの個体数調査が始まる

翻訳協力:山本 真麻、校正協力:佐々木 美穂子

2015年10月7日 FFI News

マウンテンゴリラの個体数調査を新しく実施することは、国境を越えた今後の保全活動に必要不可欠だ。

本日開始される、Virunga Massif(ヴィルンガ中央山塊)に生息するマウンテンゴリラ(学名:Gorilla beringei beringei)の最新の個体数調査は、同地域での保全活動の効果の評価に役立つのみならず、絶滅危惧IA類のマウンテンゴリラとその脆弱で限られた生息地を守るための今後の取り組みを方向付けるという、重要な役割を担うだろう。

個体数調査は2010年以来初となり、Greater Virunga Transboundary Collaboration(GVTC-ヴィルンガ山地の維持管理を行う国境を超えた協力組織のこと)が指揮をとり、International Gorilla Conservation Programme(IGCP:国際ゴリラ保護計画)とその他のパートナーを通じて、Fauna & Flora International(FFI:ファウナ・フローラ・インターナショナル)とWWF(世界自然保護基金)が支援して実施される。
その2010年の調査では、ヴィルンガ中央山塊の451km2の範囲に、マウンテンゴリラ480頭が生息していると推定された。
この調査地はコンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダにまたがり、マウンテンゴリラが今でも生息しているたった2つの場所のうちのひとつだ。

「レンジャー、保護活動家、近隣の地域コミュニティの人々による献身的な活動と、ゴリラの生息する3か国の協力し合った取り組みのおかげで、ヴィルンガ中央山塊に生息するマウンテンゴリラの個体数は、ここ20年は着実に増加する傾向にあります」と、IGCP代表のAnna Behm Masozera氏は話す。
「今回の個体数調査がこの増加傾向が続いていることを裏付けてくれることを願っています 」。

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2016年7月14日 (木)

CITES附属書掲載動物の取引レベルおよび保全状況について、200人の科学者らが提言

和訳協力:福田 志保、校正協力:日原 直子

2015年9月4日 CITES Press Releases

2015年8月30日から9月3日に、イスラエルのテルアビブで開催されたConvention on the International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の第28回動物委員会の会合に、50カ国以上の国々から200人以上の世界的な科学者らが集まった。

テルアビブにおけるCITESの動物委員会の会合では、コンク貝からホッキョクグマまで、食品、衣服、皮革、伝統薬、観光土産品、ペットとして国際的に取引される広範囲の動物の取引水準が再評価され、アフリカライオンを含む、その他さまざまな種の保全状況が検討された。

CITESのJohn E. Scanlon事務局長は、その会議で次のように所見を述べた。
「今週は、幅広い種類の動物について、CITESの締約国に向けて可能な限り最高の科学的提言がなされるという、大きな進歩が見られました。この内容は1年のうちに、南アフリカ共和国のヨハネスブルクで開催される第17回締約国会議(CoP17)にて検討されるでしょう。CITESの枠組みを実施するために進んで時間を割き、専門知識を提供いただいた委員会のメンバー、および全参加者の皆様に、深くお礼申し上げます」。

「特に、この重要で、非常に実りの多い会議を開催してくださったイスラエルの政府および国民の皆様には、その温かいおもてなしと、申し分のないご準備に対し、感謝の意を表したいと思います」と、Scanlon事務局長は付け加えた。

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2016年7月 7日 (木)

スマトラサイは緊急措置がとられなければ絶滅の危機―IUCNが警告

和訳協力:三尾 美里、校正協力:松尾 亜由美

2015年9月22日 IUCN International news release

野生のスマトラサイの生存数は100頭を切り、インドネシア政府が緊急にスマトラサイの回復計画を実行に移さなければ、この種は絶滅する恐れがあると、IUCN(国際自然保護連合)は世界サイの日に警告した。
生き残った100頭のスマトラサイは、2008年に行われた最新のIUCNのレッドリスト評価で推定された個体数の半分以下に過ぎない。

スマトラサイは、IUCN Red List of Threatened SpeciesTM(絶滅危惧種に関するIUCNレッドリスト)で絶滅危惧IA類に指定されており、先月、学術雑誌オリックス上で発表されたように、現在マレーシアでは野生下で絶滅したと推定されている。
この50~100年にわたって、スマトラサイはバングラデシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、インド、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムで絶滅してきた。
IUCNのSpecies Survival Commission(SSC:種の保存委員会)のAsian Rhino Specialist Group(アジアサイ専門家グループ)によると、スマトラサイは現在スマトラ島の数ヶ所で見つかっているのみで、わずか一握りの個体だけがカリマンタン(ボルネオ島)で生息していると思われている。

「マレーシアはかつて、スマトラサイにとって最後の砦の一つとみなされていました。従ってこの国でサイが絶滅することは、この種の生き残りの可能性に大打撃を与えることを表しています」と、IUCNのSSC委員長、Simon Stuart氏は説明する。
「現在も続く密猟の危機、個体数減少の加速化、生息適地の破壊により、近い将来スマトラサイが絶滅する可能性が高まっています。インドネシア政府は緊急に、スマトラサイが今もなお生息しているすべての場所で、より安全性を高めた厳格な保護区をつくる必要があります」。

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2016年6月 9日 (木)

日本企業、オーストラリア保護区での不法捕鯨で有罪に

2015年11月18日  WDC News and Blogs

和訳協力:青木 恵子、校正協力:真井 悠美子

オーストラリアのシドニーにある裁判所は、南極海にあるオーストラリアのクジラ保護区における捕鯨活動に対して、日本企業に100万AUDドルの罰金(70万USドル、46万5千ポンド、約9千万円、2015年12月4日付換算レート:1AUDドル=91.98円)を課した。

共同船舶株式会社は、以前捕鯨活動を禁止する裁判所の判決が下されていたにもかかわらず、2008年12月から2014年3月の間、4回にわたってクジラの補殺を行ったため、有罪の判決を受けた。
裁判官であるMargaret Jagot判事は、この捕鯨は前の判決に対する「故意があり、計画的で継続的な」違反であると述べ、オーストラリアのEnvironmental Protection and Biodiversity Conservation Act(環境保護及び生物多様性保全法)における法廷侮辱罪に該当するとした。

今回の判決は、日本政府が南極海での捕鯨活動を再開することを検討しているために下されたものである。
日本政府は以前、捕鯨が科学的調査のために実施されるものではないため中止しなければならないとした、International Court of Justice(ICJ:国際司法裁判所)の判決に従うことに同意していた。
しかし日本政府は10月に国連に対して、ICJの権限は、「海洋生物資源に関すること、またその調査の関連事項、その保護、管理、採取…等のいかなる紛争にも該当しない」と伝えた。

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2016年6月 3日 (金)

アフリカゾウデータベースの更新によりゾウ個体数の減少が明らかに

和訳協力:オダウド 陽子、校正協力:石塚 信子

2015年9月28日 IUCN Redlist News

IUCN(国際自然保護連合) SSC(種の保存委員会)のAfrican Elephant Specialist Group(AfESG:アフリカゾウ専門家グループ)が発表したAfrican Elephant Database(AED:アフリカゾウデータベース)の最新データによれば、アフリカゾウの「Definite(確定数:確実に生息している個体数)」および「Probable(推定数注1)」の合計は、2006年から2013年の間におよそ55万頭から47万頭に減少した。
アフリカゾウデータベースは、ゾウの生息国の政府、NGO、その他の専門情報機関などから収集したアフリカゾウの個体数に関する調査データを集約したものである。

これらの最新データはwww.elephantdatabase.org に公開されており、ゾウの推定個体数の情報とともに、生息範囲やその調査方法などの情報も掲載されている。

今回の最新データは、2013年12月31日以前に処理された調査データを含むもので、ゾウの個体数情報を「確定数」、「推定数」、「Possible(可能数注1)」と「Speculative(推測数注1)」に分類している。
このカテゴリーは、AfESGのData Review Working Group((仮)データ評価ワーキンググループ)が長年推し進めてきた厳格な指針に沿ったものである。
AfESGは2014年と2015年の調査データの収集と入力を続けており、情報の処理とチェックが完了するまでは、概算合計には反映されない。

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2016年5月26日 (木)

自然保護活動家、アフリカのハゲタカが絶滅に向かっていることを警告

和訳協力:高橋 富久子、校正協力:滝野沢 ゆり

2015年10月29日 IUCN International news release

IUCN(国際自然保護連合)レッドリストの協力者であるBirdLife International(バードライフ・インターナショナル)が実施した、IUCN Red List of Threatened SpeciesTM(絶滅危惧種に関するIUCNレッドリスト)の鳥類に関する直近の評価によると、アフリカ大陸で最も大きく、同定しやすい猛禽類である、アフリカの11種類のハゲタカのうち6種類が、現在、絶滅の危険性がより高まっているとされている。

アフリカのハゲタカの個体数が減少した主な理由は、伝統的な薬にハゲタカの体の一部を使用するため、毒入りの餌でおびき寄せて無節操に毒殺されたからと考えられている。
また、ハゲタカがいると、不法に殺された大きな獲物の死骸があることを当局に教えることになるため、密猟者の意図的な標的になったことも一因と考えられている。

バードライフ・インターナショナルのアフリカプログラムの代表であるJulius Arinaitwe博士はいう。
「アフリカ大陸のハゲタカの急激な減少は、アフリカの空から、最も象徴的で比類ない鳥類の仲間を奪うだけでなく、人間にも深刻な影響を与えます。なぜなら、ハゲタカは腐った動物の死骸を片づけることで、病気の蔓延を防ぐのに役立っているからです」。

「しかし私たちは今、ハゲタカの急激な減少を知ったのです。この偉大な掃除人を確実に未来に残すために、自然保護活動家たちが、政治家や信念を持った団体、政府機関、そして地元の人々とともに行動を起こす時間はまだ十分にあります」。

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2016年5月12日 (木)

蝕まれゆく未来に直面する海洋生物

和訳協力:大塚 有美、校正協力:松尾 亜由美

2015年7月2日 IUCN News story

海洋は、人間が引き起こした地球温暖化をやわらげる。
しかし、そのために海洋の物理的・化学的性質や海洋生態系とそれがもたらす恩恵の著しい変化という代償を払っている。
このことは、Oceans 2015 Initiativeのメンバーと、IUCN(国際自然保護連合)のWorld Commission on Protected Areas Marine Vice Chair(世界保護地域委員会の海洋部会副議長)であるDan Laffoley氏との共著で、本日(2015年7月2日)科学雑誌サイエンスに発表された報告で明らかになった。

この報告では、今世紀中に起こりうる2種類の二酸化炭素排出量の推移に基づき、2つのシナリオを評価、比較している。
2つのシナリオではどちらも、温帯域に生息するサンゴや中緯度域に生息する二枚貝類(軟体動物)などといった、脆弱な生態系への高いリスクを伴う。
しかし、何も対策をとらないシナリオでは、広範囲にわたる種が死に至る高い危険性を伴い、非常に壊滅的な状況となることが予測された。

筆頭著者であるCNRS(Centre National de la Recherche Scientifique, France:フランス国立科学研究センター)主任研究員のJean-Pierre Gattuso氏は、この報告の研究結果が、実効性のある二酸化炭素排出量を削減する政治的意思を喚起することを期待している。
そして、「これまでの気候変動関連の交渉の場では、海洋の取り扱いは最低限のものでした。我々の調査により、2015年12月にパリで開催される、国連の気候変動枠組条約のCOP21(第21回締約国会議)では、その状況を抜本的に変えるための説得力のある議論が行われるでしょう」、と述べている。

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2016年4月28日 (木)

セレブらが、Wild About Gardens Weekにあわせて、庭でのハリネズミの保護を園芸家に呼びかける

和訳協力:池田 磯香、校正協力:佐々木 美穂子

2015年10月19日 The Wildlife Trust News

Twiggy氏、Ben Fogle氏、Bill Oddie氏、そしてChris Beardshaw氏は、今秋「Wild About Gardens Week((仮)庭の野生生物愛護週間、2015年10月26日から11月1日まで)」の支援を行っており、園芸家に対しハリネズミの保護を呼びかけている。

Royal Horticultural Society(RHS:王立園芸協会)とThe Wildlife Trusts(野生生物トラスト)が主催する、庭に生育・生息する野生生物のための年次イベントが、今年は自然保護団体のHedgehog Street(ヘッジホッグ・ストリート)と協力する形で行われた。
人々に非常に愛されているものの急激に生息数が減少しているハリネズミを守るために園芸家ができることを訴えるためである。
ウェブサイトwildaboutgardensweek.org.ukでは、あなたにできることや写真コンテストについて、またイベントやブックレットに関する情報を見ることができる。

Wild About Gardens Weekをサポートする著名人らが、私たちに何ができるかについて説明している。

British Hedgehog Preservation Society(BHPS:英国ハリネズミ保護協会)の後援者、Ben Fogle氏は、次のように述べている。

「皆ハリネズミが大好きなのです!彼らを保護するのはとても簡単なことだというのに、彼らがこんなに急速に姿を消しているのは悲しいことです。私たちは誰もが、ハリネズミたちのために生け垣を植え、彼らが通り抜けられるようフェンスに隙間を作り、彼らに住処を与えるために葉や丸太を積み重ね、庭の一部を整備しないで自然のままにしておく、などの方法を試みることができるのです」。

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2016年4月21日 (木)

オニイトマキエイの個体群に関する予備調査開始

和訳協力:村井 光、校正協力:鈴木 康子

2015年10月19日 CMS News

CMS(移動性野生生物の種の保全に関する条約、通称「ボン条約」)の事務局は、モナコ政府からの資金援助を受け、Manta Trust(マンタトラスト)と協力して、ガラパゴス諸島とエクアドルおよびペルーの沿岸海域におけるGiant Manta Ray(オニイトマキエイ、通称マンタ)の個体群の関連性に関する予備調査を開始した。

オニイトマキエイの個体群は、漁獲による持続不可能なほどの影響を受けており、その乾燥鰓板の需要が増加するにつれ、その影響はますます増大している。
漁師が狙う海域のオニイトマキエイの個体群が急速に減少しているのは、数々の状況証拠からも確実である。

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2016年4月14日 (木)

チーターの違法取引をやめさせよう

和訳協力:矢仲 裕紀子、校正協力:鈴木 康子

2015年11月6日 Born Free Foundation News

チーターの専門家、政府職員、そしてBorn Free USA(ボーンフリーUSA)のスタッフを含む動物保護団体らは、今週クエートで開催された、チーターの世界的な違法取引という重要な問題についての利害関係者向けワークショップに出席した。

この地上最速のネコ科動物は、様々な脅威に直面している。
アフリカのボツワナ、ナミビア、ジンバブエでは、わずか10,000頭を残すのみという、極めて深刻な絶滅の危機に瀕しているにもかかわらず、戦利品として狩ることのできる頭数の割り当てがある。
また、スーダンでは伝統的な紳士靴に用いるように、いまだにチーターの皮を利用している国もある。

生きているチーターの取引はさらに大きな脅威となっている。
特に、「アフリカの角」と呼ばれる地域(アフリカ大陸東端のソマリア全域とエチオピアの一部などを占める半島)から中東にかけての地域では、チーターがペットとして飼われている。
生きているチーターが国際取引において死亡する確立は、70%ほどという高い数値に達しているのだ。

ボーン・フリー財団は、生きているチーターの取引の影響をすべからく把握しており、数多くのチーターを救出しては、エチオピアの財団の救済センターで一生面倒を見ている。

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2016年4月 7日 (木)

外来植物インベントリー研修が無事終了

和訳協力:河野 晴美、校正協力:真井 悠美子

2015年11月6日 IUCN News Story

違法伐採や生息地破壊に加えて、外来種はパラオの森林の健全性にとって最大の脅威の一つである。
ほとんどのパラオの森林は非常に健全であるものの、すべての森林が外来種の脅威にさらされており、すでに外来種の侵入が確認されたProtected Areas Network(PAN:保護地域ネットワーク)の保護区もある。
そこで、Bureau of Agriculture(BOA:農業局)とPAN事務所は、この脅威に対して立ち上がった。
手始めは、どのような外来種が存在し、またそれがどこに生育しているのかを知ること、つまり、目録の作成である。
外来種目録の作成は、保護地域の維持管理の一環として外来種管理をするための5つの条件の最初の一つに当たる。
この条件は、Micronesia Challenge Steering Committee(ミクロネシア・チャレンジ注1)運営委員会)とMicronesia Regional Invasive Species Council((仮)ミクロネシア地域外来種協議会)によって今年導入されたものである。
しかしながら今週に至るまで、パラオではこの基本となる目録を作成できる人材が不足していた。

この問題に対処するために、BOAとPAN事務所は、PALARIS(パラオ自動土地資源情報システム)の支援を受けて、陸域の保護区内における外来種の基本的な目録作成のための調査手法について、PANのコーディネーターとスタッフを対象に共同で研修を実施した。
研修では、USDA Forest Service(米国農務省森林局)からの経済的援助を受けて、ハワイにあるMaui Invasive Species Committee((仮)マウイ外来種委員会)の専門家であるAdam Radford氏と、Palau National Invasive Species Coordinator((仮)パラオ国家外来種コーディネーター)であるJoel Miles博士が指導にあたった。
これは、保護区域内における外来種の位置とその種名を明らかにして欲しいという、PANのコーディネーターと自然保護官からの、数年来の度重なる援助要請に応じたものである。

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2016年4月 1日 (金)

気候変動が進んだらサメは捕食者でいられないかもしれない

和訳協力:鈴木 康子、校正協力:オダウド 陽子 2015年11月13日 e360...

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2016年3月23日 (水)

花粉媒介者の個体数増減についての初の世界的評価で、花粉を媒介する鳥類や哺乳類の減少が明らかに

和訳協力:蛯名 郁矢、校正協力:成田 昌子

2015年3月13日 IUCN International news release

IUCN(国際自然保護連合)と協力諸機関らによって行われた新たな研究によれば、花粉媒介をする鳥類や哺乳類の保全状態は悪化しており、絶滅から遠ざかる種より多くの種が絶滅に向かっている、とのことである。

花粉媒介をする鳥類や哺乳類のうち、ここ数十年間、毎年平均2.4種でIUCNのレッドリストカテゴリーが1段階絶滅の方へと進み、哺乳類と鳥類のどちらもが絶滅リスクが大きく増加していることを示している。

筆頭著者である、UNEP(国連環境計画)のWorld Conservation Monitoring Centre(世界自然モニタリングセンター)に所属するEugenie Regan氏は、次のように述べている。
「我々の研究で、花粉媒介者の個体数動向が初めて世界的に評価されました。その結果、地球上の受粉サービスに悪影響を及ぼしていると思われる憂慮すべき傾向があることが示され、その影響は、2150億ドル(約26兆5千億円、2015年6月18日付け換算レート:1USドル=123.39円)以上に相当すると見積もられています」。

現在確認されている鳥類や哺乳類のうち、9%が花粉媒介者だと分かっているか、もしくは推測されている。
哺乳類の中ではコウモリが主要な花粉媒介の担い手で、リュウゼツランやサボテンなどの経済的にも生態学的にも重要な数多くの植物の花粉を媒介している。
主な花粉媒介をする鳥類には、ハチドリやミツスイの仲間、タイヨウチョウ科やメジロ科の鳥などがいる。

顕花植物の約90%が動物を介して受粉しており、人間は食料、家畜の飼料、薬、原料、その他の様々な目的のために、これらの植物の多くの種に大きく依存している。

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